いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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罰則強化と車安全社会。 intensification of penal code & safety driving society

2013-01-17 19:55:20 | 日記
 (1)ここ10年間、犯罪は減少傾向にある。近年の警察、検察組織の不祥事に見られる捜査体制、体質の劣化はあきらかなので、捜査能力が向上したためのものではなくて罰則強化(intensification of penal code)による効果が大きい。
 交通違反、事故に見れば罰則金の高騰、飲酒運転(勧めたもの、認識していたもの)協力者の共同正犯など、違反者の経済負担、適用範囲の拡大によって抑止効果は出ている。

 しかし、それでも交通違反、事故は毎日のように起きて一般化しており、対策が問題となっている。何しろ、取り締まる警察の部門責任者が飲酒運転で逮捕されるというパロディのような現実の有り様だ。
 また近年ではドラッグなどを服用して繁華街の狭い側道を猛スピードで突っ走り、多数の死傷者を出すという無軌道事故例も目に付く。

 被害者の関係者からは、せめて厳罰を求めるものの罪刑法定主義が壁となって、理解の得られない理不尽な結果に心痛無念の声も聞く。罰則強化は犯罪、違反、事故には一定の抑止効果は見られるが、そればかりでは一掃することなど出来ない現実だ。

 (2)法制審議会は、意図的な悪質運転横行の社会悪に対して新しい罰則規定法整備を検討している。交通事故被害者の関係者が現行法制度では理不尽だとして社会問題化している無免許、ひき逃げ、てんかん発作暴走、逆走(報道)の量刑について、今回提示した試案ではこのうち無免許運転の罰則を重くして、「逆走(通行禁止道路の走行)」だけを極めて悪質な運転として危険運転致死傷罪(上限懲役20年)の適用対象とした。

 事故被害関係者が現行法制度では理不尽としているもののうち、てんかんなど病歴を隠して(免許取得後)の発作によるもの以外は、極めて意図的で違法性が高く悪質な犯罪行為として社会正義のパラダイム(paradigm)のために適切に対処すべきものだ。

 適用名称は量刑の重さから危険運転致死傷罪でもいいが、場合によっては意図的で違法性、意思が明らかな犯罪悪意性から殺人未遂罪適用でもいいのではないのか。基本的に情状酌量の余地はない。逆走については老化病状によるものあり、情状酌量の判断がある。

 (3)冒頭でも述べたとおり、罰則強化は一定の犯罪抑止効果はあるだろうが、それでも交通違反、事故は毎日というぐらいに起こる。
 交通違反、事故を起こさない、起こさせない社会環境整備が重要だ。①道路整備(人と車の通行路完全分離)、進入禁止など警告、標識(alarm sensor、表示方法)整備のインフラ整備(今は分かりやすいインフラ整備が立ち遅れている)、②免許取得、更新のシステム整備、③車の安全運転機能開発だ。

 免許取得、更新には所定項目の健康診断書の提出を義務付けて、特に安全運転社会(safety driving society)に留意が必要な病状についての医師の判断を求める。就業者は原則として毎年企業等で受診しており、このなかに診断項目を取り入れてもいいし、免許取得、更新時に別途義務付けてもいい。

 それでも無免許運転は起こりうるから、自動車所有者、販売者に善良な管理者としての法的責任を求める。
 自動運転制御システムなど自動車の安全運転機能の技術開発もようやく実用化に向けて進んできた。
 罰則強化、厳罰化だけでは犯罪、違反、事故はなくならない。

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