いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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白川総裁、最後の抵抗。 last resistance by B.J. president

2013-01-28 19:30:28 | 日記
 (1)政府との共同声明(accord)で金融緩和により物価目標2%達成を約束させられた日銀は、月13兆円規模の投資で物価目標2%達成まで無期限に国債ほかを買い入れて市場にお金を大量に投入する、無期限金融緩和を打ち出している。

 物価目標2%達成は、日銀総裁(president of bank of japan)が相当思い切った努力がいると言うように、前民主党政権時代の「同1%を目途」とした日銀の変わり身の早い方針転換だった。
 同時に日銀が主張した政府への経済成長戦略推進は共同声明から漏れて、日銀への景気回復責任圧力(日銀介入)がいっそう鮮明になっていた。

 (2)日銀の白川総裁はその後(25日)都内での講演で、月13兆円規模の国債ほか買い入れによる相当思い切った努力ではなくて、(物価目標2%達成のために)国債を闇雲(無期限)に買うような金融緩和については、実体経済に悪影響を与える(報道)と述べて、従来の日銀の国債信用力(credibility of national debt)維持の従来の日銀の立場に立ち返っての柔軟な金融政策姿勢を主張している。

 ①ひとつは、ドイツほか円安効果が貿易影響を受ける財政金融危機の欧州(EU)から、日本の無期限金融緩和が為替操作による円安誘導との批判が強まっていることへの国債信用力への影響警戒感と、②今年4月で日銀総裁任期が切れ、再任の可能性が少ないことに合わせて、日銀の独立性をあらためて主張してみせたものだ。

 大胆な金融緩和で早期にデフレ脱却、景気回復を目論む政府の狙いとはズレた考え方だ。

 (3)政府は今年2月下旬に後任総裁人事を国会に提示(報道)する予定だ。当然、政府方針に添った日銀総裁人事が進められることが確実で、政府の露骨な日銀介入方針がどれだけ同総裁人事で野党の理解を得られるのか、日銀の独立性、ねじれ国会での同総裁人事承認と景気回復の比較対効果、優先順位の問題だ。

 安倍政権主導の円安株高でも実体経済のいまだ好況感は薄く、野党第1党となった民主党の前政権時代の持続的な円高株安不況での緊縮財政偏向結果責任も重くて、党利党略の低レベルの政治駆け引きでない国会での実効性のある景気回復論議が求められている。

 (4)前民主党政権時代に日銀が物価指数上昇率1%目途を主張していたのは、大量の国債買い入れで国債信用力が低下して価格下落による金融不安に陥る警戒感だ。
 現在は国債の95%が国内の金融機関ほかで賄(まかな)われており、個人、企業の金融資産が公的債務(借金)を上回り直ちにEU圏のような財政金融破たんに陥るとは見られていないが、海外からの金融圧力、国債価格下落を招けば国内金融機関ほかへの影響も大きく金融不安を加速する。

 (5)ドイツ大手銀行の分析では、日本の国債の国内消化は18年には限界(公的債務が金融資産を上回る)を迎えると試算している。政府の計画的な財政規律、健全化の設計も必要だ。

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