いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

体罰で入試中止。 stoppage of entrance exam. by corporal punishment

2013-01-19 19:54:01 | 日記
 (1)弁護士出身の橋下大阪市長には、今まで行政機関との慣れ合いで仕事と組合職場活動がごっちゃになっていた組合組織運動に対して、都合主義の既得権益反権力闘争が我慢ならないのだろう。
 ことに教育に対しては、思想闘争を職場に持ち込む日教組の偏見性に対して、教育の中立性の立場を利用して府知事時代から徹底した対抗措置に出ていた。
 教育現場に思想闘争を持ち込む日教組活動に対しては、かっての自民党政権の保守的政治に対するアンチテーゼ(anti these)としての思想の自由を盾として政治色の強い役割があったが、教育の中立性の立場からは闘う「ところ」を間違えている。

 既得権益的行政機関との慣れ合い主義も含めて、教育現場に思想闘争を持ち込むことはあきらかに体制の歪み、思想の自由を盾とした行き過ぎではあったから、これに断固として立ち向かった橋下さんには国民的支持、人気は高かった。

 (2)府知事時代に管轄する初等、中等教育現場での卒業式での国家斉唱では起立を求め、履行しない者は処分を科すという徹底振りで、選挙運動に関して組合運動の職員の個人メールの無断調査まで実施して、アンケートによる思想調査まで行おうとしてさすがに社会的批判を受けて撤回した経緯がある。

 問題意識、問題提起型で敵対関係、問題点を浮き彫りにして比較優位論で闘う首長スタイルだ。

 (3)従来の行政機関と組合活動の慣れ合い、慣行に切り込んで、正義観を意図的に演出して国民的支持、人気が高く、それが象徴されたのが教育改革だった。
 大阪市長に転出しての今回の同市立高校での体罰生徒自殺問題だ。問題以前は少々の鉄拳制裁は必要悪のような発言をしていたが、さすがに体罰による生徒自殺問題が発生すると、一転体罰不要論を展開し出した。

 体罰顧問教諭が異常な長さで異動もなく同校に在職していたことが問題の温床として批判して、同校の他クラブにも体罰があったことから同校の校長も含めた全教諭の異動を求めた。
 さらに体制刷新が出来ていないことから、問題の同校体育系2学科の入試中止(stoppage of entrance exam. by corporal punishment)を市教委に要請した。結果次第では市長権限の入試予算の執行停止にまで言及して、入試時期を間近にして現在同予算執行は停止(報道)されている。

 (4)入試、新年度を数か月先に控えてのともにエキセントリック(eccentric)な発言で、感情論(または過度の意図した演出)にまかせた首長としての責任ある判断能力ではない。
 今回の問題は当該生徒の自殺という異常事態ではあるが、発生したのは体育クラブ一顧問教諭による体罰問題であり、仮に社会一般現象としてどこでも起こり得る、見過ごされている体罰(あるいは鉄拳制裁)問題だとしても、それが一高校の全教諭の異動、入れ替え、または入試中止に特化、発展される問題ではないことは、どちらにせよあきらかだ。

 (5)プロの世界では、集中力、技術力を高める指導者の鉄拳制裁は「師弟愛」とも言われて、公然と衆目の中で行われることもある。かえって緊張感を生んでケガを予防するとか、技術修得力を高める効果が言われるが、それは「人間性」に対する指導方法論の間違いだ。

 有識者の中には、体罰否定論の中で必要な相手(この解釈が問題だが)に正しいことまで言えない風潮を危惧する声も聞くが、あくまで指導力は言って聞かせる、理解させる指導方法論が大前提だ。指導者の成果のためのものではなく、指導される側の許容量、納得、自覚の問題だ。

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