いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

東電の安全審査の申請。 application of safety judging by T. electric power

2013-07-03 19:38:24 | 日記
 (1)原子力規制委員会委員長が世界でも誇れる新規制基準になったと胸を張ったが、どんな厳しい規制基準であってもこれをクリアーさえすれば原発再稼働に「お墨付き」となる口実を与えるだけと書いた。

 東京電力は政府と一体となって虚構の原発「安全神話」をつくりだして原子力行政を主導してきた。福島第一原発事故では安全対応の技術力不足を露呈してメルトダウン(melt down)を引き起こして、大量の汚染水を海に放出するなど事故影響の被害拡大、収束の遅れを招いてきた。

 廃炉までに40年は要するといわれる福島第一原発事故収束は先行き不透明なままで、ただ増え続ける冷却用の大量の汚染水の貯蔵処理でも漏水不手際が指摘されている。被災地では現在でも帰宅困難地域は存在して、全国に避難者は離散したままだ。

 (2)そんな東電がこともあろうに停止中の柏崎刈羽原発(6、7号機)の安全審査(application of safety judging)を原規委に申請することを発表した。
 今月8日から施行される原発の新規制基準に向けて間を置かずに申請する方針だ。もちろん原発再稼働にあたっては地元自治体、住民の同意などが必要ではあるが、原規委委員長が述べたように世界に誇れる厳しい安全基準を「クリアー(clear)」さえすれば、原発再稼働に向けての最大の「推進力」になることはあきらかだし、東電もその「お墨付き」を最大限活用、説得材料にすることは自明のことだ。

 (3)福島第一原発事故被害の影響の大きさから原発再稼働に慎重、否定的な国民世論とは相容れない原発事業者東電の経済活動、利益最優先の露骨な企業体質、ゴリ押し企業論理体制のあらわれだ。

 新規制基準による安全審査申請でもこれを主導しようという、原子力行政、経済界の中核をになってきた東電のひとり社会的良識、常識とかけ離れた、東電の「おごり」だ。なりふり構わぬ恥知らずの企業行動だ。

 地元の新潟県知事は急きょ休暇予定を切り上げて戻り「国民の理解を到底得られない」と不快感をあらわした(報道)といわれるように、東電の福島第一原発事故による原発事業者責任、社会責任を履行、自覚しないこれまでと変わらない横暴体質は国民の誰にも理解されるものではない。

 (4)東電を中心とする原子力村といわれる行政機関、事業者、専門家の原発行政推進トライアングル(triangle)は今も政策に大きな影響力を持っていることは、安倍政権が原発エネルギー問題の結論を10年先に先送りしていながら、同時に再稼働に向けた安全審査は進めるという矛盾した政策方針であきらかだ。

 将来のエネルギー問題について原発問題は国民の経済、安全、生活に重要政治課題であるだけに、真剣に重点的に果敢に取り組むべきことだ。
 時間が忘れることを期待し、解決することではない。

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