いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

参院選の争点政治力。 a disputed point of the house of councilors election

2013-07-04 19:50:29 | 日記
 (1)経済、景気回復政策が争点の参院選が告示された。自民、公明連立与党は円安株高効果の実績を強調して回復基調を主張すれば、野党はアベノミクスの副作用、大企業に偏った利益誘導に一斉値上げによる国民生活破壊の恐れを訴えて対決姿勢を示した。

 目指すは衆参ねじれ国会による政治の停滞打開へ向けて、自民、公明両党で衆参議席の過半数獲得に対して野党はその阻止だ。

 (2)1票の格差是正問題では党利党略の果てに何とか衆院再可決で衆院小選挙区「0増5減」は成立したが最高裁の違憲判決の趣旨(定数削減)に添う内容とは言えずに、国民の公平、公正な権利は十分に保障されることはなかった。

 このままでは全国の参院選の結果に対しても司法からの厳しい判決が下される可能性は大きい。国民の経済は守ると言いながら、国民の権利は保障しないというつまり国民不在の政党政治の大企業と結託した旧来の既得権益保護主義が支配する政治のままだ。

 (3)経済の破たんは「政治力」衰退によるものであることは、EU、ヨーロッパ事情を見ればあきらかだし、ここ10年のデフレ不況に連動した日本の政治状況を見れば一目瞭然のことだ。

 政治の安定とはどういう事情、状況をいうのかは、単に衆参ねじれ国会を解消して与党連立政権が「数の力」で政策、政治目標の独占実現を目指すという安倍政権の主張、都合などではなくて、「政治力」の向上、実現ということだ。

 政治力とは、政策立案、実行、分析、検証、効果、比較により国民の生命、財産、安全、生活、権利つまり国益を保障する、持続維持し向上をかはる政治的能力のことだ。

 (4)安倍内閣の支持率は60%近くと近年になく高いが、たとえば経済再生の要の成長戦略政策の実現可能性には70%以上の国民が否定的意見で、政策への信頼性(reliability)は高くない。

 円安株高効果はあっても期待感含みのものであり、現実感に乏しく賃上げ効果への波及は鈍く、一斉値上げの夏から国民生活への負担も重く、来年4月の消費税引き上げを控えて政権のジレンマ(dilemma)はいっきょに反動に向かうことは考えられるシナリオだ。

 (5)今回の参院選でも各政党からは「参院改革」について語られることはなかった。国会の定数削減、1票の格差是正で建設的な議論もなく党利党略に明け暮れた貧弱な政治力を見せられては、参院改革は話題にもできない実力(不足)というところだ。

 衆参ねじれ国会解消が目指すべき国会改革ではなくて、政権政治に巻き込まれた参院の良識、健全改革こそが目指すべき政治改革であることだ。

 (6)争点(a disputed point)をはぐらかした参院選で、時流に流されない政治の力を見極める国民力が試される。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする