いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

才媛キャロライン。 smart c.kennedy

2013-07-27 19:34:54 | 日記
 (1)オバマ大統領はルース駐日大使の後任に、ケネディ元大統領の長女で弁護士出身のキャロライン・ケネディさん(55)を起用する方針を示した。経歴から才媛(talented lady)で、何より日本でも人気の高かった米国第35代大統領J.F.ケネディさんの長女という抜群の話題性(conspicuous topics)の高さだ。

 初めての女性駐日大使という話題性もある。現在のルース駐日大使も弁護士出身で政治的経歴も政府機関での仕事の経験もない外交官で、しかもオバマ大統領の選挙支援に高い功績(ルースさんは選挙資金高額寄附者でキャロラインさんは一早く支持表明し選挙対策本部長経験ー報道)があった点でもキャロラインさんとそっくり類似点のある大使人事だ。

 (2)共和党政権時代は日本との関係強化が首脳間同士でも確認されて、緊密性(または従属性)が伝わってくる両国関係であったし、駐日大使も米国議会に影響力のある大物政治家の起用で米国の一応の日本重視政策の意思表示が示されたものだが、民主党オバマ大統領になって大統領選挙の論功行賞的(と思われる)政治経験のない弁護士出身の駐日大使を起用し、日本の民主党政権のこれまでの米国軸からアジア共同体構想に転換する政策理念もあって両国外交関係は一時ギクシャクした関係が続いた。

 (3)この間もルース駐日大使の存在感は薄くて、日米同盟関係にありながら両国外交関係の改善には力を発揮したとはいえないものだった。
 国内的には当時民主党の鳩山首相の駐留米軍普天間飛行場移設にかかわる結果として沖縄県民を裏切る無責任発言で沖縄の米軍基地反対運動が頂点に達して過熱し、あわせて米軍兵士による沖縄県民への悪質犯罪が続発してルース大使はひたすら釈明、おわびに追われるばかりで米軍基地の規律改善効果はなく、日米信頼関係に貢献したとはいえない外交実績となった。

 政治経験、大物政治家の大使であれば駐留米軍基地に対しても違った影響力(重し)を発揮できたのではないのかと思える。
 弁護士出身の大使としての倫理観か、沖縄戦没者追悼式典に米国大使として初めて参列するという貢献もしたが、米国、オバマ大統領の意向をも踏まえたものでもあるはずだ。

 (4)日本は米国とは同じ議会制民主主義、自由貿易主義の国同士として長く安保体制、軍事同盟関係にあり、沖縄に駐留米軍基地の70%以上を提供して米国のアジア、中東戦略基地の一翼を担っており、米国の強い政治的影響力の中にしっかりと組み込まれて、駐日大使の政治力に命運が左右される政治状況にないのが現実だ。

 共和党政権はそれでも大物政治家の駐日大使の起用で日本への一定の特別配慮を見せてきたが、民主党オバマ大統領は日米の現実的政治状況、政治力関係の中で現実主義(realism)に徹した日米外交関係を基本としているのが見える。
 民主党オバマ大統領は共和党勢力が支配する議会対策に精力を懸ける必要にも迫られている。

 (5)オバマ大統領はポーズとして一応日米同盟関係を重視してみせているが、米軍基地問題、TPP交渉参加(市場開放)などの懸案事項では日本に譲歩を強く迫っており、アジア戦略は台頭する中国重視政策に移行して、駐日大使の2代続いての政治、外交経験のない外交官の起用方針となった。

 今回、後任駐日大使に「ケネディ(kennedy)」という超話題性をつけたところが、かえって日米関係の「現実」認識が気になるところだ。
 もちろん、才媛キャロライン・ケネディさんには中国、韓国と領有権問題、歴史認識問題と対立関係にある日本の同盟国駐日大使として、日米新時代、アジア緊張緩和に向けての役割、尽力に大いに期待したいものだ。

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