いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

日銀の景気回復。 return to prosperity

2013-07-12 19:56:41 | 日記
 (1)1年前の今ごろは民主党(連立)政権が公約にない唐突な消費税引き上げ問題で党分裂を招いて、円高(1ドル70円台)株安(1万円を大きく割り込む)のデフレ不況、政治閉そく感に包まれていた。与党民主党、内閣支持率はヒト桁台を記録することもあった。

 今年は自民党(連立)安倍政権で、今年に入ってからの大胆な金融緩和策に10兆円を超える補正予算の財政出動の期待効果で、一気に円安(1ドル100円)株高(14000円)が続いて企業業績の回復基調も出ている。
 安倍内閣の支持率は60%をキープして与党自民党の支持率は40%と、軒並みヒト桁台の野党を圧倒する自民一強時代を迎えている。

 (2)変われば変わったものだが、11日の日銀金融政策決定会合後の日銀総裁の記者会見では、2年半ぶりに景気判断を「緩やかに『回復』しつつある(the market picked up generously)」に上方修正(報道)した。

 15年度の物価目標2%達成にも順調な自信をみせて、笑顔がはじける黒田日銀総裁
だ。期待感含みの経済、景気回復基調だが、政治の安定、自民一強の参院選大勝による衆参ねじれ国会解消への期待予測が背景にはある。

 (3)一方経済界からは「経営側としては雇用を守るのに精いっぱいだ」(トヨタ社長談)と賃上げに慎重な姿勢を示したが、しかし巨額(200兆円以上)に上るといわれる企業の内部保留の使途(設備投資、賃上げ)が景気動向の重要問題となっている。

 日銀総裁に2年半ぶりに景気回復基調だといわれても、一斉値上げの夏を迎えてボーナス効果はあっても持続的な生活を支える賃上げ効果に企業が否定的では、生活実感、実体としては厳しさを受け取るばかりの生活環境だ。

 (4)円安株高効果は輸出基幹産業の大企業中心の業績回復でしかなく、それでも市場では高額商品への消費動向も上向いて、またその反動としての生活保護世帯、人は政策のまずさもあって上昇の一途という中間層が欠落した経済格差2極時代だ。

 こちらの格差是正問題も現存する。日銀総裁が「回復」と言ったからといって国民生活全体の実感、実体がそうなるものでもない経済界が主導するデータ上の分析論でしかない。

 (5)安倍政権は来年4月の消費税引き上げを控えて「今」のうちに大型消費を済まそうという消費市場動向にデフレ脱却の爆発力効果をこれまた期待しているのだろうが、民間エコノミストからはその反動としての来年4月以降の消費低迷に懸念(報道)を示す意見も多い。

 どうも現在の円安株高経済効果はふわついた、うわついたカスミ(霞)のようなもので、実体経済とは「距離」が見える。

 (6)今年のツユは全国でも7月上旬の早い時期に明けたと気象庁は発表しての連日の酷暑続きだが、季節は気象庁がツユに入って、明けたと言われずとも国民には毎日、晴れて曇り、雨が降るくり返しの実感、実体の連続にすぎない。

 気象庁が言ったからツユに入るわけでも、明けるわけでもない。気象庁発表が必ずしも国民生活に影響を及ぼすわけでもない。日銀の景気判断も同じだ。

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