いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

突然の暴露。 sudden disclosure

2014-04-08 19:37:07 | 日記
 (1)政治家が支援を受けた人から当事者しか知らない内容を暴露(sudden disclosure)されるということは、両者の関係に許し難い不信、不和、政略が生じたということだろう。
 ことが8億円という巨額のカネの提供、動きなだけに、しかも受け取った政治家は夫婦揃って資金提供者の経営する企業の宣伝にも協力していた関係というから、相当の親密な関係にあったとみられる。

 みんなの党の当時の渡辺代表が支援者の会社会長から10年以降に合計8億円にも及ぶ巨額の資金を受け取っていたことが当の支援者の会社会長の手記で暴露された。渡辺代表は資産報告書に記載のないことが明らかになって、当初は「個人的な借入金」として罰則のない修正記載に応じてしかし使途の説明に行き詰まると、今度は「選挙関係費用や政策決定、党勢拡大など」(報道)に使ったと説明を変えた。
 党代表として個人の選挙に使ったものではないと主張して違法性を否定してみせたが、結局納得いく説明ができずに党代表の辞任に追い込まれた。

 (2)懇意の支援者の資金供与のためなのか、ほかの意図があったのか「12年の5億円は借用書がなく1年以上も返済の実態がなかった」(報道)こともあきらかで、告発を受けて地検も「違法性」を含めて慎重に検討する(報道)ものとみられる。
 さかんに渡辺代表は猪瀬元知事の5千万円借入金事件との立場の違いを強調しているが、釈明構図はそっくりを辿(たど)って同じく自業自得の辞任に追い込まれた。

 (3)政治とカネの関係、問題は古くて新しい問題としていつも懲りない政治家の堕落(corruption)ではあるが、既得権益独占の政治与党ではなく弱小野党から発覚したという今の政治状況がある。

 弱小野党が束になってかかっても与党自民党(支持率40%前後)、安倍内閣(同50%台)に及びもしない安倍内閣、自民一強時代の政治状況の中で、党の存亡をかけて安倍政権への歩み寄りに賭ける弱小与党の存在感、政治均衡のなさの国民不幸だ。

 (4)みんなの党は渡辺元代表が安倍第一次内閣での行革相であったことから、安倍第二次内閣でも政府法案への協力姿勢が目立ち、今夏にも予定されているとみられる内閣改造人事でも閣僚候補者のひとりとも考えられていた。

 しかもみんなの党は渡辺代表の独断による安倍内閣寄りの政治姿勢で、党内対立が起きて半数近くが離党して新党を立ち上げるという分裂騒ぎを起こしたばかりだ。

 (5)こういう時期の突然の8億円借入金問題という資金提供者からの手記による発覚だった。当の資金提供者は渡辺元代表の主張に反して「選挙資金以外にはあり得ない」(報道)と言っているのだから、突然の暴露は何らかの「意図(intention)」はあきらかだ。

 政局、政治状況、あるいは個人関係にかかわって個人的な信頼関係に溝、亀裂が生じたか、今夏予定の内閣改造人事の前にどこからかはっきりしておくべき政治的必要性が生じたのか、突然の不自然な暴露劇であったがもとは渡辺元代表の自業自得の責任辞任ではある。

 (6)日本維新の会の橋下共同代表の意義のない出直し市長選のあとの虚無感といい、みんなの党の代表辞任といい弱小野党の墓穴が続く。国民にとってもより深刻な政治均衡を欠く政治的危機だ。

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