(1)歴史というものは、その時点、時点で止まる。戦争というものが70年たってそれが勝者、敗者どちらにとっても正当化、必要化されるということはない。
悲惨な戦争は70年たっても悲惨な戦争のままだ。被害を受けたものにとっては、時間が止まった(the time has stopped)まま苦痛に生きる。
韓国従軍慰安婦問題で、日本政府は戦後の戦争責任一括処理で政治決着はついていると主張するが、70年前の時間が止まったままの被害国、被害者にとってはいつでも現実の問題として苛(さいな)まれて苦痛が癒(いや)されることはない。
確かにいつまで旧日本軍の植民地支配、侵略占領の責任を問題とされるのかのむなしさを覚えるが(become empty)、それが戦争の愚かさだと自覚して戦争をくり返してはならないと認識するしかないのだ。
(2)中国は日中戦争前に起きた1936年の船舶貸借を巡り旧日本軍が船舶を強制徴用して未払いのままだとして起こされた損害賠償訴訟に絡んで、78年後の今、現在の商船三井所有の船舶を差し押さえた。
日本側は72年の「日中共同声明」により戦争にかかわる損害賠償請求権はすべて放棄されたと無効を主張しているが、中国側は戦争の賠償責任問題とは無関係の一般的な商取引行為の問題だとして船舶差し押さえの正当性を主張して対立している。
尖閣領有権問題、歴史認識問題での中国、韓国と日本との対立が激化してから中国、韓国では旧日本軍による植民地支配、侵略占領時代の強制労働、連行などに対する賠償支払いを求める訴訟が相次いで起こされている。
(3)当初は中国では提訴を受理せずに日中友好関係改善に配慮してきたが、最近はこれを受理して政治対立の激化にともない方針転換をしている。歴史の時間がその時点で止まった戦争について、理由の如何によらずとも植民地支配、侵略占領による多大な苦痛、被害を現地住民に与えたことは消えはしないし、その責任の大きさは重いものだ。
簡単にいつまで現在の国家、国民がその責任を問われなければならないのか、時効などと言って責任を放棄、棄却することなど出来ないのも心情だろう。
(4)日本側が72年の日中共同声明による国交正常化で戦争責任賠償問題は解決したことを持ち出せば、中国側は一般の商行為としてそれとは無関係の日本企業の賠償責任を主張するという一歩も引かぬ対立構図だ。
根底にあるのは、中国の海路確保による軍事的南下政策であり、そのための日中間の尖閣領有権問題だ。領有権問題が絡んでいるので戦争賠償責任問題の解決をさらに複雑困難にしている。
72年の日中共同声明の基本精神をもとに日中首脳が直接話し合って問題解決をはかることが求められているが、今はその前提に尖閣領有権問題が大きくたちふさがっており身動きがとれない状態が続く。
(5)日本の立場からは、70~80年前のアジア地域での加害状況をなかったものとすることはできないが、しかし当時の被害国中国、韓国としても70~80年を経過しての今の時点での突然の当時の日本企業の損害賠償責任を相次いで問う姿勢はいくらなんでも普通ではなく、このままの姿勢が続けば国際的な理解を得ることはむずかしいのではないのか。
日本政府としては出来るだけ時間をかけて基本精神、思考基準を確認して、安易に妥協することなく主張することは主張して、歴史考証を「過去、現在、未来」に分けて専門的に分析、検証、理論化(theorize)して整理、準備する必要がある。
戦後責任一括処理とか日中共同声明に固執しての紋切り型では問題は解決しない。
悲惨な戦争は70年たっても悲惨な戦争のままだ。被害を受けたものにとっては、時間が止まった(the time has stopped)まま苦痛に生きる。
韓国従軍慰安婦問題で、日本政府は戦後の戦争責任一括処理で政治決着はついていると主張するが、70年前の時間が止まったままの被害国、被害者にとってはいつでも現実の問題として苛(さいな)まれて苦痛が癒(いや)されることはない。
確かにいつまで旧日本軍の植民地支配、侵略占領の責任を問題とされるのかのむなしさを覚えるが(become empty)、それが戦争の愚かさだと自覚して戦争をくり返してはならないと認識するしかないのだ。
(2)中国は日中戦争前に起きた1936年の船舶貸借を巡り旧日本軍が船舶を強制徴用して未払いのままだとして起こされた損害賠償訴訟に絡んで、78年後の今、現在の商船三井所有の船舶を差し押さえた。
日本側は72年の「日中共同声明」により戦争にかかわる損害賠償請求権はすべて放棄されたと無効を主張しているが、中国側は戦争の賠償責任問題とは無関係の一般的な商取引行為の問題だとして船舶差し押さえの正当性を主張して対立している。
尖閣領有権問題、歴史認識問題での中国、韓国と日本との対立が激化してから中国、韓国では旧日本軍による植民地支配、侵略占領時代の強制労働、連行などに対する賠償支払いを求める訴訟が相次いで起こされている。
(3)当初は中国では提訴を受理せずに日中友好関係改善に配慮してきたが、最近はこれを受理して政治対立の激化にともない方針転換をしている。歴史の時間がその時点で止まった戦争について、理由の如何によらずとも植民地支配、侵略占領による多大な苦痛、被害を現地住民に与えたことは消えはしないし、その責任の大きさは重いものだ。
簡単にいつまで現在の国家、国民がその責任を問われなければならないのか、時効などと言って責任を放棄、棄却することなど出来ないのも心情だろう。
(4)日本側が72年の日中共同声明による国交正常化で戦争責任賠償問題は解決したことを持ち出せば、中国側は一般の商行為としてそれとは無関係の日本企業の賠償責任を主張するという一歩も引かぬ対立構図だ。
根底にあるのは、中国の海路確保による軍事的南下政策であり、そのための日中間の尖閣領有権問題だ。領有権問題が絡んでいるので戦争賠償責任問題の解決をさらに複雑困難にしている。
72年の日中共同声明の基本精神をもとに日中首脳が直接話し合って問題解決をはかることが求められているが、今はその前提に尖閣領有権問題が大きくたちふさがっており身動きがとれない状態が続く。
(5)日本の立場からは、70~80年前のアジア地域での加害状況をなかったものとすることはできないが、しかし当時の被害国中国、韓国としても70~80年を経過しての今の時点での突然の当時の日本企業の損害賠償責任を相次いで問う姿勢はいくらなんでも普通ではなく、このままの姿勢が続けば国際的な理解を得ることはむずかしいのではないのか。
日本政府としては出来るだけ時間をかけて基本精神、思考基準を確認して、安易に妥協することなく主張することは主張して、歴史考証を「過去、現在、未来」に分けて専門的に分析、検証、理論化(theorize)して整理、準備する必要がある。
戦後責任一括処理とか日中共同声明に固執しての紋切り型では問題は解決しない。