(1)オバマ大統領が4月下旬に1泊2日の異例の短期の国賓(guest of the state)として来日する。当初は日本中心で昨年訪問が延期となった(報道)マレーシアとフィリッピンを合わせた3国の歴訪だったが、韓国からの横やりの強い要請を受けて急きょ韓国訪問が入れられて、お陰で1泊2日の短い国賓来日となった。
オランダでの日米韓首脳会談を取り持ったオバマ大統領としては、台頭する中国、敵対する北朝鮮の東アジアでの同盟国日韓の存在は大きく連携は重要だが、しかし日韓関係は全面対立が続いて米国にとってはどこまでもやっかいな関係ともなっている。
かっての絶大な覇権国家としての強大な米国大統領ならその威光(majesty of president)で何とでもしただろうが、見るからに人のいい理想主義者のオバマ大統領としては話し合いによる協調主義で理解と協力を求める試行錯誤が続く。
(2)「change」を標語に「yes, we can」と登場した米国初の黒人系大統領のオバマ大統領は、力を誇示するタイプではなく理路整然と政治哲学、理想(idealism)を説くタイプで演説上手とも言われている。
その分、主義主張が理想に近く、実現にほど遠いことが続くと威信低下につながる。09年プラハで「核のない世界」を宣言してノーベル平和賞を授賞したが、米ロ核兵器削減交渉は進展をみせずにイラン、北朝鮮の後続核開発国への廃棄圧力を強めるばかりで、結局核兵器保有大国の既得権益独占の立場ばかりが目立ち、「核のない世界」は米国ほか核兵器保有大国の独占益擁護で後続国を許さないだけのものとなっている。
(3)米国内では日本の国民皆保険のような保険制度を導入して貧困層にも十分な医療体制を提供、整備しようと理想に燃えているが、米国社会の自分のことは自分で責任を持つ強いフロンティア社会性の成り立ちが壁となって、議会、国民の反対もあってなかなか米国初の革命的なオバマ政策は法案成立とまでは進まない。
日本の09年民主党政権と似たところがあり、理念、主義主張、政策には画期的で見るべきものがあるが、「change」までの原動力論(dynamism)が不足して理論、理想倒れに終わることが多い構図だ。
多分に人のよさが障害になっているところがあり、政治リーダー特に米国大統領としての強靭さに欠けるところがあるようだ。
(4)それはしかし「功罪」織りなすところがあり、総じて世界は「Gゼロ」時代に代表されるようにロシア、中国の影響力も増して相互にけん制し合う結果、均衡関係(balance of power)にあるとも言えて、相対的に集団的な統治、抑止力効果も増してきている。
オバマ大統領は人のよさのせいか理想主義者のなせる業か、損な役回りでもある。シリア情勢では市民への非人道的な攻撃に対しても国内問題としてアサド政権を常に支持してきたロシアに対して、オバマ大統領は同国内での化学兵器使用で軍事介入を強く打ち出しながら、ようやくシリアの後ろ盾の立場を利用したロシアの立ち回りのよさによる化学兵器廃棄提案でこれに同調せざるを得ない状況に追い込まれてのロシアの国際的な影響力の向上に一役買った格好にさせられた。
(5)しかし、これもオバマ大統領のシリア国内での非人道的な紛争、化学兵器使用に対するシリア軍事介入の強行姿勢がそれでもアサド政権を支持していたロシアを調停に動かしたもので、結果として正義を貫いたオバマ大統領の損な役回りとなってしまった。
米国大統領の威光(majesty of president obama)もその程度がいいのかもしれないが、日本ではどうなのか、オバマ大統領が安倍首相のたっての願いで国賓としてやってくる。
オランダでの日米韓首脳会談を取り持ったオバマ大統領としては、台頭する中国、敵対する北朝鮮の東アジアでの同盟国日韓の存在は大きく連携は重要だが、しかし日韓関係は全面対立が続いて米国にとってはどこまでもやっかいな関係ともなっている。
かっての絶大な覇権国家としての強大な米国大統領ならその威光(majesty of president)で何とでもしただろうが、見るからに人のいい理想主義者のオバマ大統領としては話し合いによる協調主義で理解と協力を求める試行錯誤が続く。
(2)「change」を標語に「yes, we can」と登場した米国初の黒人系大統領のオバマ大統領は、力を誇示するタイプではなく理路整然と政治哲学、理想(idealism)を説くタイプで演説上手とも言われている。
その分、主義主張が理想に近く、実現にほど遠いことが続くと威信低下につながる。09年プラハで「核のない世界」を宣言してノーベル平和賞を授賞したが、米ロ核兵器削減交渉は進展をみせずにイラン、北朝鮮の後続核開発国への廃棄圧力を強めるばかりで、結局核兵器保有大国の既得権益独占の立場ばかりが目立ち、「核のない世界」は米国ほか核兵器保有大国の独占益擁護で後続国を許さないだけのものとなっている。
(3)米国内では日本の国民皆保険のような保険制度を導入して貧困層にも十分な医療体制を提供、整備しようと理想に燃えているが、米国社会の自分のことは自分で責任を持つ強いフロンティア社会性の成り立ちが壁となって、議会、国民の反対もあってなかなか米国初の革命的なオバマ政策は法案成立とまでは進まない。
日本の09年民主党政権と似たところがあり、理念、主義主張、政策には画期的で見るべきものがあるが、「change」までの原動力論(dynamism)が不足して理論、理想倒れに終わることが多い構図だ。
多分に人のよさが障害になっているところがあり、政治リーダー特に米国大統領としての強靭さに欠けるところがあるようだ。
(4)それはしかし「功罪」織りなすところがあり、総じて世界は「Gゼロ」時代に代表されるようにロシア、中国の影響力も増して相互にけん制し合う結果、均衡関係(balance of power)にあるとも言えて、相対的に集団的な統治、抑止力効果も増してきている。
オバマ大統領は人のよさのせいか理想主義者のなせる業か、損な役回りでもある。シリア情勢では市民への非人道的な攻撃に対しても国内問題としてアサド政権を常に支持してきたロシアに対して、オバマ大統領は同国内での化学兵器使用で軍事介入を強く打ち出しながら、ようやくシリアの後ろ盾の立場を利用したロシアの立ち回りのよさによる化学兵器廃棄提案でこれに同調せざるを得ない状況に追い込まれてのロシアの国際的な影響力の向上に一役買った格好にさせられた。
(5)しかし、これもオバマ大統領のシリア国内での非人道的な紛争、化学兵器使用に対するシリア軍事介入の強行姿勢がそれでもアサド政権を支持していたロシアを調停に動かしたもので、結果として正義を貫いたオバマ大統領の損な役回りとなってしまった。
米国大統領の威光(majesty of president obama)もその程度がいいのかもしれないが、日本ではどうなのか、オバマ大統領が安倍首相のたっての願いで国賓としてやってくる。