いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ウィット知事とウェット理事長。 wit governor and wet chairman

2014-04-02 20:19:14 | 日記
 (1)4月1日の山形県庁の新入職員への訓示に登壇した吉村美栄子県知事は、いかにも威風漂(ただよ)わせる権力者風でもなく見るからに愛嬌のあるどこにでもいるようなおばさん風で(感想なのでお許し願いたい)、しかしそこは落ち着いた風情で訓示を述べていた(映像)。

 と、突然うしろを向いて何やら「赤いふんわり丸い」かぶり物(山形名物サクランボ風)を取り出して、やはり恥ずかしそうな仕草で頭に着けて、突然のことなので場内はざわつき笑いまで起きていた。
 きっちりあごヒモも縛ってやおら正面を向いて「思い切って殻を破り、山形の魅力を発信してください」と自ら実践してみせて新入職員に呼びかけた。

 県知事としては相当思い切った勇気ある行動で、見ている方にしてはしかし微笑(ほほえ)ましく違和感もなく、やることはきっちりやってもらえばこういう政治リーダーもいいものだなとの印象も受けた。パフォーマンスがパフォーマンスらしくない見事にフィットした個性の持ち主だ。新入職員に知事の気持は十分に伝わったのではないのか。知事の訓示としては初めての拍手も起きたとの報道もある。

 山形県といえば東日本大震災で原発事故との相乗の大きな被害を受けた福島県の隣の自治体で、復興協力、行政機構構想にも大きな役割もある自治体だ。
 こんな明るいウィット(wit)のあるキャラクターのしかし機転(wit)、行動力のある政治リーダーの存在にも期待したいと思わずにはいられないものだった。

 (2)同じ日に、東京ではこわばった表情で記者会見に臨むノーベル化学賞授賞者の野依良治さんがいた。
 自ら理事長を努める理研に所属する小保方さんほかの研究グループのSTAP細胞論文について調査の結果、ねつ造、改ざんの不正論文と厳しく決めつけた。

 本ブログでも小保方さんがすべての事情を一番よく知っているのだから、堂々と出てきて説明すべきことだと書いたが、「遠吠え(baying)」だけで姿を隠したままだ。こうなれば理研による「小保方隠し」と言われても仕方がない。
 調査も外部の第三者によるものではなく、ノーベル賞授賞者の同理事長の野依さん主導のもので、公平、公正、客観性はない。

 仮にあなたが同じ研究分野にいて、相手がノーベル賞授賞者だとしたら言いたいことが言えるだろうか。そこにはいかにも威厳をたたえて他を圧する表情の野依さんのしかし苦渋の表情があった。
 この世界は先端的科学学術研究開発の高い能力を持ちながらも、われわれと同じ社会通念、常識(social common sense)となると驚くほどの幼稚さを見せることはめずらしくないところだ。

 わずかにiPS細胞作製で若くしてノーベル生理医学賞を授賞した山中伸弥さんに、われわれに近い謙虚さ、人間性が見受けられることが今は救いだ。
 

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