(1)フランス語の「エスプリ」(esprit)は機知、機転に富んだ示唆として日本でも普通のようによく使われる。フランスの社会風刺は独自の自由、芸術、文化国としての代名詞でもある。
その社会風刺を題材とするフランス週刊誌本社がイスラム過激組織の影響を受けたとみられる移民フランス人テロリストに襲われて警官を含む12名が死亡するという惨事が起きた。
(2)襲撃犯は2日間の逃走のあと人質を盾に立てこもった印刷所で特殊部隊により射殺されたので、イエメンのアルカイダから指示があったとも言われているが3名によるテロ作戦、背後関係は個人的な動機なのか、組織的なものなのかは解明の糸口を失うことになった。
この事件を契機としてパリでは同様の関連テロ、警官襲撃事件が連続して起きて、不穏な空気に包まれている。
(3)高い芸術、文化圏国家として米国とは距離を置く独自の自由思想(free thought)、ジャーナリズムを誇りとするフランスで、そのエスプリの文化拠点の週刊誌本社が移民テロリストに襲撃された表現の自由、言論抹殺事件はフランスをはじめ自由主義圏に衝撃を与えるものだった。
今、世界はいいも悪いも広い意義での自由主義(liberalism)と極めて狭い絶対主義(absolutism)との対立の時代で、その象徴としての事件だ。
(4)フランスをはじめ欧州、EU国はかっては帝国主義の海洋国として中東、アフリカを植民地支配していた歴史から、今では中東、アフリカからの移民を積極的に数多く受け入れる政策で多民族国家として役割を果たしてきた。
中東、北アフリカ紛争には介入を控える米国にかわってフランスほかEU国が前面に出て、イスラム過激組織、国際テロとの戦闘をくり広げている。
中東、北アフリカでのイスラム過激組織との戦闘に米国にかわって前面に出ているフランス・パリで今回のイスラム過激組織に影響を受けたとみられるテロリストの事件が起きたのは、自由と絶対主義の現場対立としての象徴的な出来事だった。
(5)これがエスプリの効いた独自の芸術、文化圏国の自由フランスのメディアを標的としたことであったことが、襲撃の異常、無法さと合わせて世界の衝撃を増幅させた。
フランスをはじめEU国からはイスラム国への行動参加者も多く、ホームグロウン・テロ(homegrown terrorism)の危険度も指摘されていた。
中東、アフリカからの移民が増えるに従って政治的、社会的、差別的問題も顕著になってきて、EU国では反移民を掲げる極右勢力が台頭して、政治的影響力を誇示するまでになっている。
(6)移民層にとっては反移民で対峙する極右勢力台頭は政治的、社会的圧力となって、パラドックス(paradox)として危機感、社会攻撃性を増してきたのではないのか。
国際政治学者のイアン・ブレマーさんは今年の世界リスクのトップに「欧州の政治」をあげているが、通貨、デフォルト、EU離脱危機以外に移民、極右勢力の台頭による国内政治の不安定もさらに現実のものとなってきた。
(7)壮大な政治、安全保障、経済融合体の実験場としてのEUの対応も注目される。どこもが政策による移民増加の政治的、社会的問題、課題を抱えており、ここに宗教的、国際テロ対策としての危険、危機管理がEU、欧州全体の共通の安全保障として取り組まなければならないことが現実となった。
今回の事件は反移民を掲げる欧州の極右勢力台頭をどうとらえるのか、どう対応してきたのか、どうすべきなのかの命題を突きつけるものであり、課題放置は差別社会の不満うっ積が反社会的行動としてイスラム過激組織に流れる危険性を示すものだ。
(8)かっての中東、アフリカ植民地支配の欧州国としては、中東、アフリカが政治的、経済的に安定すること、貢献することが世界の安定につながることだ。
その社会風刺を題材とするフランス週刊誌本社がイスラム過激組織の影響を受けたとみられる移民フランス人テロリストに襲われて警官を含む12名が死亡するという惨事が起きた。
(2)襲撃犯は2日間の逃走のあと人質を盾に立てこもった印刷所で特殊部隊により射殺されたので、イエメンのアルカイダから指示があったとも言われているが3名によるテロ作戦、背後関係は個人的な動機なのか、組織的なものなのかは解明の糸口を失うことになった。
この事件を契機としてパリでは同様の関連テロ、警官襲撃事件が連続して起きて、不穏な空気に包まれている。
(3)高い芸術、文化圏国家として米国とは距離を置く独自の自由思想(free thought)、ジャーナリズムを誇りとするフランスで、そのエスプリの文化拠点の週刊誌本社が移民テロリストに襲撃された表現の自由、言論抹殺事件はフランスをはじめ自由主義圏に衝撃を与えるものだった。
今、世界はいいも悪いも広い意義での自由主義(liberalism)と極めて狭い絶対主義(absolutism)との対立の時代で、その象徴としての事件だ。
(4)フランスをはじめ欧州、EU国はかっては帝国主義の海洋国として中東、アフリカを植民地支配していた歴史から、今では中東、アフリカからの移民を積極的に数多く受け入れる政策で多民族国家として役割を果たしてきた。
中東、北アフリカ紛争には介入を控える米国にかわってフランスほかEU国が前面に出て、イスラム過激組織、国際テロとの戦闘をくり広げている。
中東、北アフリカでのイスラム過激組織との戦闘に米国にかわって前面に出ているフランス・パリで今回のイスラム過激組織に影響を受けたとみられるテロリストの事件が起きたのは、自由と絶対主義の現場対立としての象徴的な出来事だった。
(5)これがエスプリの効いた独自の芸術、文化圏国の自由フランスのメディアを標的としたことであったことが、襲撃の異常、無法さと合わせて世界の衝撃を増幅させた。
フランスをはじめEU国からはイスラム国への行動参加者も多く、ホームグロウン・テロ(homegrown terrorism)の危険度も指摘されていた。
中東、アフリカからの移民が増えるに従って政治的、社会的、差別的問題も顕著になってきて、EU国では反移民を掲げる極右勢力が台頭して、政治的影響力を誇示するまでになっている。
(6)移民層にとっては反移民で対峙する極右勢力台頭は政治的、社会的圧力となって、パラドックス(paradox)として危機感、社会攻撃性を増してきたのではないのか。
国際政治学者のイアン・ブレマーさんは今年の世界リスクのトップに「欧州の政治」をあげているが、通貨、デフォルト、EU離脱危機以外に移民、極右勢力の台頭による国内政治の不安定もさらに現実のものとなってきた。
(7)壮大な政治、安全保障、経済融合体の実験場としてのEUの対応も注目される。どこもが政策による移民増加の政治的、社会的問題、課題を抱えており、ここに宗教的、国際テロ対策としての危険、危機管理がEU、欧州全体の共通の安全保障として取り組まなければならないことが現実となった。
今回の事件は反移民を掲げる欧州の極右勢力台頭をどうとらえるのか、どう対応してきたのか、どうすべきなのかの命題を突きつけるものであり、課題放置は差別社会の不満うっ積が反社会的行動としてイスラム過激組織に流れる危険性を示すものだ。
(8)かっての中東、アフリカ植民地支配の欧州国としては、中東、アフリカが政治的、経済的に安定すること、貢献することが世界の安定につながることだ。