いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

富めるものと富まざるもの。 stratums of riches and not rich

2015-01-19 19:59:39 | 日記
 (1)支持率が8%で改革出直しが必要な民主党代表選は決選投票の結果、多数工作が実った岡田克也さんが接戦を制して選ばれた。
 民主党は改革出直し、世代交代、野党再編を目指す細野豪志さんではなくて、原点回帰で自主路線、安定を求める岡田さんを選択した。

 革新的な政策政党としての出直しを期待したが、3候補者ともに政策提案の必要性を訴えながら中身にはまったく触れることなく、結局は自民党ばりの多数派工作に明け暮れての新鮮味のない平凡なものになった。

 (2)支持率8%の民主党で多数派工作の身内の安定だけを求めても、政治のダイナミズム(dynamism)を生むことはとても期待できるものではない。
 結果は世代交代、改革、野党再編を目指す細野さんが1回目では過半数をとれないトップで、決選投票でも僅差(岡田67人、細野60人)の勝負で岡田さんの党内安定運営にはほど遠い反対方向勢力が存在する。政権時代の党内権力抗争に明け暮れた反省が活かせるのか早くも正念場を迎えている。

 (3)メディアの直近の世論調査では、アベノミクスが地方に十分浸透していると回答したのが6%で、86%が浸透していないと回答し、格差は広がっていると70%が答えている。

 それでいて安倍内閣の支持率は44%と前回同様に変わらずに、自民党支持率が31%と軒並みヒト桁台の野党と政治格差を導いているのは、野党の存在感のなさだ。
 民主党出直し代表選が行われているのに、期待しないは56%(期待する38%)では国民には問題外のことだった。

 (4)それを象徴する民主党の代表選での身内後ろ向き安定志向の選択であった。円安株高による企業業績自然回復に賃上げ効果の大企業と、急激な円安による輸入原材料の高騰による経営圧迫の中小企業、富裕層と賃上げを上回る物価高に苦しむ庶民層に、増え続ける生活保護者、世帯(stratum of poverty)と日本社会は2極化の格差拡大社会を生じている。

 (5)今、話題の仏経済学者のトマ・ピケティさんの著書「21世紀の資本論」は、資本主義では富は資本家に集中蓄積され、富が公平に分配されないことによって社会や経済が不安定になると格差社会を指摘して、格差是正、克服(富裕税を世界的に導入すること)がこれからの国際社会の取り組むべき命題(proposition)だと指摘している。
 日本の専門家にも資本主義論の限界(新資本主義論)を指摘する意見もある。

 (6)日本国民も70%が格差が広がっていると答えて、大企業の業績回復を国民、地方に浸透拡大させる古い経済方式のアベノミクス効果に疑問の声も多く、しかしそれでも安倍内閣の支持率が変わらないという小市民的国民意識(the petite bourgeoisie)が支配する社会構造が格差を助長しているというパラドックス(paradox)社会だ。

 (7)資本主義は、自由主義体制の自由貿易による経済利益効率追求型社会を目指すものであり、富めるもの(stratum of riches)とそのシワ寄せの反対軸の富まざるもの(stratum of not rich)との格差を生むことは前提の社会構造理論であり、経済のグローバル化、国際協調主義に変化した近代、現代では資産、資本、富の再配分(redistribution of riches)はあたらしい時代の価値観でもある。

 (8)安倍政権は高い内部留保を持つ大企業の法人税引き下げでさらに富めるものの業績向上を支援する政策だが、やはり格差社会の米国オバマ大統領は米富裕層の大増税案を表明するといわれている

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