いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

カオス世界。 khaos world

2015-01-25 14:40:53 | 日記
 (1)世界はすでにカオス(混沌)の時代(khaos world)に入ったといわれて、「Gゼロ」時代ともいわれている。
 世界で何が起きてもおかしくない時代の象徴として、昨年から新年に入っての香港での中国の実効支配に反対する学生中心の長期にわたる市街地道路占拠事件にイスラム風刺画掲載の仏週刊誌本社襲撃テロ関連事件、日本人フリージャーナリスト2名拘束の映像殺害予告身代金要求(うち一人は殺害されたとの昨夜情報)事件と新年1月というのにカオスの世界だ。

 (2)諫早湾干拓事業の排水門開閉調査では、開門を命じた福岡高裁に開門さし止めを命じた長崎地裁と司法が対立し、最高裁は「開閉の是非を判断する立場にない」(報道)として「開門しても、しなくても」国が双方(漁業、農業)に制裁金支払いすることを命じる最高裁判決が確定した。

 司法判断として地裁と高裁がまったく逆の方向性を出すことはあってもこれまでは最高裁が最終判断を示してきたが、今回の事例では直接踏み込まずにどちらも支持せずに政府に対しては「開門してもしなくても」制裁金を課すという踏んだり蹴ったりでは司法のカオス状態だ。

 (3)すでに書いたように諫早湾での漁業と農業干拓との共同事業を計画推進した政府の政策には、用意周到な科学的立証性(provable)、計画性、実証性が不足していたことはあきらかであり、その政府が身動きのとれないカオス事態に陥ったのも自業自得というところだ。
 閉門すれば農業干拓には塩分被害はないが湾内の魚介類は絶滅し、開門すれば湾内の魚介類にはいいが農業干拓には塩害被害になる。それを解消する先端的な科学的対処法の確立が必要だった。

 (4)イスラム国に拘束されているとみられる日本人フリージャーナリスト2名の映像による殺害身代金要求事件は、3日間のタイムリミットは過ぎて沈黙が続いて昨夜遅くに冒頭のような進展情報(真偽は不明)がもたらされた。
 拘束者のひとり後藤健二さんはイスラム国支配地のシリア国内に入る前にビデオメッセージでこれは私ひとりの問題であり、私が責任を負うことであり、日本のみなさんは何も私のためにしないでください(概要趣旨)、このことでシリア、イスラムを憎まないでください(同)というようなメッセージを残している。

 (5)ご本人の意思はその通りなのだろうが、現実にイスラム国に拘束されて映像で殺害身代金要求されては日本をはじめ世界からは注目を集めて、当事国の日本ではヨルダンに現地対策本部を設けての水面下での緊急事態対応で「ありとあらゆるチャンネル」を使って不眠の情報収集、救助対策に追われる始末だ。

 後藤さんの母親は日本外国特派員協会の記者会見で「健二はイスラム国の敵ではありません。日本のみなさん健二の命を助けてください」(趣旨)と涙ながらに解放を訴えた。戦場ジャーナリストの報道使命の意義もある中で、しかし差し迫った重大危険を承知でひとり内戦シリア、イスラム国支配地域に入って捕捉されて殺害身代金要求を日本に突きつけられて政府の不眠の救出対策の中で息子の命を助けてくだいでは、その通りであはっても何かかゆいところに手が届かないもどかしさ、矛盾性(contradictory)が消えないカオス(khaos)がある。

 (6)日本政府は中東諸国への支援は内戦難民支援による人道的なものと説明するが、イスラム国にしては敵対する国に対する支援が人道的、軍事的何であれ「ひとつの財布」に入ってしまえばモノは同じで色分けなどできない意味のないもので、曲解していることでもないのだろう。存在するのはただ悲惨な戦争カオスだ。

 イスラム国は内戦状態のシリア、イラクの一部地域を完全勢力下に置いており、平和安定には当然ながら両国政府の対応が最も重要なのは言うまでもないがいづれも政府勢力は弱体化して国内を支配しきれていない戦場カオスだ。

 (7)戦場ジャーナリストへの報道使命、役割には一定の意義はあるが、戦場取材での国際的な協定、協力、ルールは遵守されているのか有名無実なのか、ジャーナリストの身の安全の国際的なパラダイム(paradigm)が必要だ。

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