いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

年金パラダイム。 annuity paradigm

2017-09-14 20:31:05 | 日記
 (1)年金受取りを自主的に遅らせて、そのかわり比較高額の上乗せ年金額を受け取る制度の年金開始上限をこれまでの70才からさらに遅らせることを内閣府の有識者会議がまとめた。

 抜本的に財源不足に直面している社会保障、年金政策で、政府はこれまで支給年令を次々と引き上げて、年金額を減額する「公約破り」を堂々とくり返して、あれやこれやと複雑なつけ足し年金制度をつくり出して、当事者も何が何だかわからない、つくり出した政府もよくわからないのではないのかというスパイラルな社会保障、年金制度の迷路に迷い込んでいる。

 (2)年金加入問題では就労生活後の主婦専業になった人の保険料負担継続が途切れていて年金受給資格を多くが失った事例では、救済のために10年分を負担すれば年金受給資格を回復する特別措置を取ったが、もちろんまじめに生涯をかけて保険料を負担し続けた人との公平、公正性に問題を残した。

 (3)年金の加算制度で91年以降26年間にわたって年金598億円の支給漏れ(報道)のあったことがわかった。
 社会保険庁、事業所その後を引き継ぐ日本年金機構のまたぞろの年金支給漏れの不始末だ。

 社会保障、年金制度のつけ足しによるあれやこれやの複雑な制度変更で、制度をつくっている政府側もだからこその対象となる受給者側も制度変更についていけない、わけのわからない年金制度の複雑さだ。

 (4)税制もすぐには理解できない徴収項目で、これでは重複徴収もあるのではないのか不信もあり、自動車取得税と消費税の二重課税問題も長く続けられて近年になってようやく見直された。

 税制改革、年金改革では根源的な財政不足問題で抜本改革が必要な中で、年金では国民年金と共済年金の一元化がはかられたが、少子高年令化社会での根源的な財政不足問題を含めて誰もがわかりやすい社会保障、年金制度を根本的に構築し、年金パラダイム(paradigm)の確立が求められる。

 (5)もともと生涯をかけて保険料を負担して社会保障、年金制度を支えてきて、いざ支給年令が近づくと支給年令の先送りに支給額の減額で「公約破り」を平然と続けてきた政府の社会保障、年金政策だ。

 一度立ち止まって頭を整理して、社会保障、年金制度像の現在、未来について根本的に検証し、考えて、年金パラダイムを示す必要がある。それが政府の政治責任だ。

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