いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

もうひとつの尖閣対立。 another opposition of ‘senkaku`

2017-09-13 19:55:16 | 日記
 (1)尖閣諸島が国有化されて5年、それまで日中共同石油資源開発プロジェクトが進んでた海域が日本の尖閣国有化宣言で俄然中国が領有権を主張して騒がしくなった。
 大量の中国漁船の領海侵入が続き、中国政府は日本からの抗議を受けてこれらを規制するかわりに中国軍艦船の領海侵入が頻繁になり、いまでも月3回(報道)でくり返されて緊張状態が続いている。

 (2)日中関係がこれ以上好転するためには尖閣問題は大きな政治課題として残る。日本が実効支配を続ける尖閣諸島を当時の石原都知事が同島の地権者と近かったこともあり、中国の干渉に対抗して国が買い取らないなら東京都が買い取る話が持ち上がって当時の民主党政権が急きょ国有化を決定した。

 確かに実効支配している尖閣諸島でも国土としての対外的保証はなく、日本にとっては不安定、不確定な立場にかわりはなく、法的措置で国土化(国有化)することは方法論(methodology)ではあるが、「実効支配」状態を続けるからにはそれなりの理由もある。

 (3)もともと尖閣諸島に近い沖縄も歴史上、地理上琉球王国として独立していたものがその後日本に編入された経緯もあり、中国の主張するようにはるか遠い過去にさかのぼって歴史を考察すればひょっとして過去の中国支配に関係していないとも限らない海域ではある。

 しかし今となってはそれを歴史考証的に実証する手立てもなくて、都合のいい論理を双方主張展開するだけのもので、実力的に実効支配する事実関係で領有権を主張するしかないことになる。

 (4)この不確実性(uncertainty)が中国が尖閣領有権を主張することにもつながる。日本側の論理からいえば1970年代ころまでは中国も尖閣諸島は日本の領域との文献、認識を示していたといわれて、その後同海域に石油天然資源が豊富に埋蔵されていることが確認されてから一転中国の領有権を主張し出したとの認識がある。
 
 (5)中国は何千年も前の歴史にさかのぼってそもそも中国の領有権を主張している。それまで日中共同石油資源開発プロジェクトで協力していたものが、一転日本の尖閣国有化で対立状態に変化したもので、当時の民主党政権による実質実効支配する尖閣諸島を国有化した判断が正しかったのかは実証性、歴史考察性からも疑問のつく決定だった。

 当時石原都知事の横ヤリに対して、国、政府としても適切に実効支配の不確実性の中で判断、対応をすべきだった。国益、中国との外交関係を考慮しての国、政府の優先的、超法規的措置での対応も必要だった。

 (6)東京都では公募した当時の尖閣諸島買い取り寄付金14億円が結局は国有化で使われずにいまだに金融機関に預けられたままだ。(報道)
 出資者からは返還の要求もある(同)が、都では「基金の使用目的に寄付金への返還は入っていない」(同)と応じていない。

 (7)もうひとつの尖閣帰属主張の対立構図、問題(another opposition of `senkaku'だ。寄付金の本旨、使用目的から双方複雑な問題もあり、日中の本質的領有権問題同様に双方での理解点を求めての話し合いが必要だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする