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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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北朝鮮非核化とCTBT。 nuclear free of north korea and CTBT

2018-05-09 20:42:51 | 日記
 (1)中国習近平主席と北朝鮮金正恩委員長が3月会談に続いて7,8日に再び会談した。報道では米朝首脳会談を控えて非核化(nuclear free)の細部を協議した模様だ。米朝首脳会談でも北朝鮮の非核化を具体的にどう実現していくのかは重要なテーマであり、中朝間で入念な意見交換が行われたようだ。

 北朝鮮の金委員長は関係国が北朝鮮敵視政策をあらためれば非核化実現は可能だと、米国などの北朝鮮不可侵政策の表明との引き換えの非核化論に言及しており、米朝首脳会談で米国トランプ大統領が非核化引き換え論に乗るのかは疑問で、すんなりとは北朝鮮の非核化が実現することは考えにくい。

 (2)そこで核実験全面禁止条約(CTBT)機関の事務局長が、北朝鮮の非核化実現に向けて「核実験全面禁止条約を批准し、法の枠組みに入る必要がある」(報道)と述べた。
 北朝鮮が本格的に非核化を実現しようと考えているのなら、その意思を示すためにもCTBTを批准することはひとつの方法論(methodology)でもある。

 (3)しかしCTBTは、米国、中国など核保有国を含む8か国が後発核開発国が規制されない不平等性を理由に批准しておらずに、そういう中で北朝鮮がCTBTを批准することはない。

 一方米国、中国など核保有国とすれば、後発核開発国の北朝鮮などがCTBTを批准すれば同条約の不平等性は解消されるので、同条約を批准しない理由とはならない。
 どちらが先かの問題は国際政治、社会では重要なイニシアティブの問題でむずかしいが、米朝首脳会談で北朝鮮の非核化実現が具体的に確認されれば米国としても先に核兵器を使用しないなど一定の不可侵性は担保されることも考えられる。

 (4)一方でトランプ大統領は米国、欧州など6か国とイランとの核合意からの離脱を表明して、イランの核開発に対しても懐疑的で問題を抱えている。米朝首脳会談での北朝鮮非核化実現の実績、成果でイラン核開発疑念にもトランプ流の2国間での核合意で対応したいところだろうが、イランとの確執再燃で中東情勢に不安定が広がる懸念も考えられる。
 すでにイスラエル軍は戦車群を集結してイランの報復攻撃に対して警戒を強めている報道もある。

 (5)北朝鮮としては米朝首脳会談での米国からの非核化実現圧力に対して、後ろ盾の中国の協力、支援を受けて逆に米国に非核化担保の不可侵政策の圧力をかけるためのかけ引きの入念な中朝首脳会談だったのではないのか。

 北朝鮮の非核化は中国も言及していることでもあり、トランプ米国に対して北朝鮮の非核化実現に向けた中国の役割、立場も重要な行動視点となっており、米朝首脳会談のあとは米中首脳による北朝鮮非核化に向けた思惑、考えが交錯するものと考える。

 (6)米朝に中国を交えた北朝鮮非核化問題は米朝首脳会談でどういう展開をみせるのか、みせないのかはまだ不透明であり、米朝首脳会談を間近に控えて中朝首脳会談が立て続けに行われてさらに思惑、かけ引きが先行して双方の読み比べが深まったといえる。

 やはり、北朝鮮のそして米国のCTBT批准は遠のいたとみるべきだ。

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