いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

アフガン(支援)の正義。 justice of Afghan support

2019-12-09 19:56:34 | 日記
 (1)ずいぶん前のことだが、知人宅の娘さんが東南アジアで井戸掘り事業に参加していることを知り、まだそういう時代でもなく、そういう時代でないから必要な活動だったのか、勇気ある行動に感心したことを覚えている。

 (2)日本のNGOとしてアフガンの人道、復興支援に尽力、たずさわっていた医師の中村哲さんが現地活動中に襲撃されて亡くなった。日本政府に襲撃情報もあり、中村さんも警戒(報道)していた最中での事件だ。

 両国政府、中村さんにも安全の対応がもっとなかったのか残念な結果になったが、中村さんの活動をみれば脅し、脅迫などにひるむことなどできない信念、信条からのもので、危険と隣り合わせの日常は覚悟のものだったろうと推察される。

 (3)中村さんの信念は「理想は守るものではなく、実行すべし」(報道)というもので、医師としてアフガン復興支援に赴き現地現状ををみて生活改善の必要性が先決として自ら井戸掘り、用水路設置、農耕技術指導にまで支援の幅を拡大していた最中の襲撃死亡だった。

 襲撃情報があったというから、中村さんの活動により困る、不利益を受ける勢力、グループがいるということであり、混乱の続くアフガンで市民の生活が改善されて復興することに危機感を持つ勢力、グループがいるということであり、これ(襲撃)が仮にテロ、ゲリラ組織ということであれば彼らのテロ、ゲリラ理念がどのようなものであれ、不条理(unreasonableness)、不純、不正義であり、人間をあざむくものでしかないことを証明する事件だ。

 (4)中村さんの死は日本にとっては衝撃であり、関心、注目も高いが、アフガン、世界にとってはどうなのか、世界には中村さんのように戦場に赴いて人道、復興支援する人々は多数いることが考えられて、戦場につきものの危険被害のひとつととらえられていないのか、考えなければならない。

 中村さんの死が世界に衝撃を与えて戦争、紛争、テロ、対立、争いに批判の目、関心、注目が集まり沈静化、復興に向かうということが中村さんの意志でもあるはずで、世界がそうなっているのか、日本だけの悲劇であってはならない世界の不正義だ。そのまた逆も同じだ。

 (5)今日的世界は正義が追いやられて、不正義が幅を利かす、覆っている世界観だ。正義というのは一部の特定の都合主義のもので、その他多くの世界の人々にとっては不正義であり偏見(bias)、断裂、対立を招いている。

 両極の極右勢力の台頭、左翼政権の復活につながり、世界の秩序を無視し、崩壊する米国トランプ大統領の登場によって米国本位の正義が世界を不正義と決めつけて対立、対決を増幅させて、米国経済弱者の白人若者層からは固い岩盤支持を集めている。

 (6)中村さんの「理想は守るものではなく、実行すべし」を米国理想主義を無視して保護主義を掲げるトランプ大統領はどう聞くのか。
 一握りの偏向した正義が世界を不正義と決めつける時代に、中村さんたちの人道、復興支援が孤立、脅し、攻撃されることがないよう世界は一致して関心、注目しなければならない。

 正義は守るものではなく、実行すべし、ものだ。

 


 

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