いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

南シナ海風雲急。 dark clouds hang low at spratly

2015-10-26 19:55:16 | 日記
 (1)シリア内戦ではすっかりロシア・プーチン大統領に主導権を奪われてしまった米国オバマ大統領だが、そうだからこそなのかリバランス政策でアジア重視を打ち出している以上、中国の軍事力、影響力行使による海洋進出に対してはこれまでも中国に対して注意、警告、懸念を発信してきていたが、中国の南シナ海(spratly , south china sea)での岩礁埋め立てによる軍事拠点化で領海拡大を進める国際法上公海上の「海域」に米軍の艦船、航空機を進入させる(報道)方針を決定した。

 (2)当然のように実効支配で領海、領空を主張する中国は「議論の余地のない主権を有している」(報道)として「中国の領海、領空を侵犯することは絶対に許さない」(同)と反発している。

 米国が中東シリア政策での優柔不断性が指摘されてロシア・プーチン大統領の強行介入策に押されて評判を落としている中で、南シナ海の「航行の自由」確保に対してはアジア重視リバランス政策の米国の威信をかけた引くに引けない同海域進入方針となる公算が強い。

 (3)米国と中国という今や軍事、経済力で世界的に影響力を誇る両国が、本気でどこまで南シナ海進入航行で「対決」しようとするのか、測り知ることはむずかしいが、9月末の習国家主席の訪米での米中首脳会談でも両国がそれぞれの主張を譲らずに重要論議は平行線をたどっており(報道)、米中対立は決定的になっている。

 オバマ大統領が日本の安保法制(a security legislation)の成立を受けて、米軍の南シナ海への艦船、航空機の進入派遣にあたって沖縄米軍基地を行動拠点とするのか関心を持たざるを得ない。

 (4)仮にそうなれば中国の反発は米国(米軍)の先制的挑発軍事行動によって日本に対しても向けられることになり、南シナ海を巡る米中対立に必然的に日本も巻き込まれることになる。

 安倍首相は遠い中東ホルムズ海峡の機雷封鎖が日本の存立危機事態だとして集団的自衛権の行使の例示として示しているが、近い南シナ海での米中軍事緊張対立が安保法制の対象として日本が紛争に巻き込まれる危険性となる事態だ。

 (5)また仮に南シナ海で米中軍事衝突(こぜりあい)が起きた場合に米軍による日本側への支援協力要請があった場合に、安倍政権は安保法制にもとづいて(現在はまだ同法は施行されていないが)これに応える軍事(後方)支援を行うことになるのか、重要選択の場面を迎えることも考えられる。

 安倍首相は同盟国米国が他国から攻撃された場合に集団的自衛権の行使による協力参戦を行うと説明しているが、日本に近い南シナ海で米国(米軍)が同海域進入で先制的に「引き起こす(provoke)」中国との対立に米軍の要請を受けて紛争に引き込まれる危険性は早くも現実のものとなる可能性が強まっている。

 (6)まして沖縄米軍基地がその作戦拠点となれば、中国の日本への反発はさらに厳しいものが向けられ、日中関係にさらに悪影響が考えられる。
 それによって中国の都合のいい論理での軍事海洋進出は認めるわけにはいかないが、米国(米軍)の先制的挑発軍事行動がそれによって日本に危険をもたらす安保法制だ。

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真剣勝負。 fight with swords

2015-10-25 20:02:03 | 日記
 久しぶりの清水市は駅の裏側の整備が進んで清水文化会館ホールやコンベンションホールが建ち並んで道路も広く整備されて、雑然とした表側と違った近代化が進んでいる。
 駅裏の幹線道路の向こう側はすぐ海で魚市場の新鮮な魚介類を提供する食事処が並ぶ。コンサートのMCで財津和夫さんもそこで魚を食べてきたと言ってました。

 10月24日に清水文化会館マリナートホールで財津和夫さんの「Tulipの夢を歌う2」コンサートが開催された。
 18時すぎにすっかり白髪になった財津和夫さんが白のシャーツスタイルでホール中央に登場、上からすっかり白づくめですらりとした長身ですくっと立つ振る舞いからまるで神父さんの登場を思わせた。

 音楽ホールは駅から回廊でつながった新しい装いの大きなビルの中のホールで、内部は木をふんだんに使った音響効果の高いものだ。こういう音響効果のホールでは財津和夫さんのよく声が前にでる発声法のメロウなボイスは説得力があって映えます。
 財津和夫さんはあたらしい音楽の時代をきりひらいたミュージシャンであり作曲家でもあり、ことに音に対する真摯な取り組み、こだわりも強いものがある。

 ゲストの姫野達也さんとの2人でのアコースティックギターコーナーでは「テネシーワルツ」を一旦歌い始めて、すぐに手をあげて中断して音キーの訂正をします。
 姫野さんがギターでイントロを演奏し始めると、ちょっと調和していない違和感があり、やはり財津さんが歌い始めてすぐに待ったをかけました。

 姫野さんがギターのカポ(-ダスト ギター変調用)の位置の間違いに気づいて位置を直し、財津さんもギターの調律を気にしてそばのキーボードのところに行ってキーを叩いて音をだしてギターの調律をしています。
 音楽家のプロフェッショナルとしては当たり前の気づかいではあるが、これほど入念なのはステージではあまり見かけない光景であり、完成度の高さにこだわる財津さんの音楽へのこだわりの一面を垣間見るものであった。

 そうして「テネシーワルツ」を情感たっぷりに歌いあげました。最近の財津和夫さんのコンサートでは古いアメリカンナンバーを積極的に取り上げています。
 ビートルズの影響で音楽の世界に踏み込んだ財津さんですが、リズム・アンド・ブルースの古いアメリカンナンバーにも興味、関心はあると言っていますので、ようやくベテランの領域になって自由自在なコンサートコンセプトの中で思いどおりにコンサートを楽しんでいる様子がうかがえます。
 まあ、財津さんももうちょっと年令を重ねてからの方が(70才を過ぎてからとか)合っているような気がします。やはり財津和夫さんのビートルズナンバーを聞きたいですし、様になっていますからね。

 バンドを始めたときによく歌っていたということで「リンゴ追分」のサワリを聞かせましたが、何を歌っても歌はうまいですね。何十年か前にTVの収録番組で財津さんのピアノソロで「南国土佐を後にして」を聞いたことがあります。

 財津さんと姫野さんの2人のアコースティックコーナーは、入念なギター調律を通して「音づくり」の作業工程を見るようでなかなか結果として見ごたえのある貴重なコーナーとなりました。
 かって見学したギター職人さんが手造りでギターを形造っていく綿密な作業工程を思い出させるものでした。

 ステージに上がってまでもと思えるかもしれませんが、ミュージシャンの真剣さ、真剣勝負(fight with swords)がよく伝わってくる貴重なコンサートとなりました。

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世界経済ひとつの道。 one way for a global economic circle

2015-10-23 19:43:40 | 日記
 (1)安保法制成立にかかわり安倍首相が強調したのは、「今」は集団的安全保障でなければ1国の安全は守れないという主張であった。
 それを拡大すれば世界が「ひとつ」になって集団的安全保障をとなれば世界平和が実現することになるわけだから、そこまでいけばそのとおりだが、主義主張、理念、思想、信条を同じくする国同士が手を結んで集団的安全保障となれば「既得権益」圏の保障、保護というだけで、それに自然と反発する敵対勢力との緊張関係を意味もなく生んで1国の安全保障とばかりはいかなくなる。

 ②日本も平和憲法の精神性、第9条の不戦性だけで安全保障が守れるとは思わないが、だから個別的自衛権の保持と自由主義圏最大(世界最大というべきか)の影響力を持つ米国との日米安全保障による軍事同盟で補完しているのは敵対関係国を意味もなく刺激しないと理解できる最大公約数のやむを得ない安全保障の立場といえるだろう。

 ③これで最大公約数の安全保障のところを憲法改正の変更もなしにわざわざ同盟国の紛争、戦争地域に出かけて行って参戦する集団的自衛権の行使となると、それは同盟国の「既得権益」圏の保障、保護のための協力であり、敵対勢力を意図的に刺激する行為であり、パラドックス(paradox)として安倍首相の1国で安全は守れない時代の主張が裏返しとなる論理でしかないことがわかる。

 (2)さて、経済ではこれはどうなるのか。米国が主導する形で日本を含めて環太平洋諸国12か国が参加したTPP交渉が大筋で合意したとされる大型経済圏の誕生だ。
 経済発展の著しい新興国中国がGDP世界第2位の経済実力のもとにAIIB設立を主導して、これにEU先進国はじめ57か国が参加を表明して世界経済をけん引しようということに対抗して、オバマ大統領が経済の世界標準(global standard of economy)はTPPがつくるとばかりに懸命だ。

 ②ケタの違うGDP第1位の米国経済が主導すればそういうことになるわけだが、安全保障と違って世界はひとつになり得る経済協力分野だけに、世界最大の「市場」の中国がTPPに参加すればその実現可能性は各段に高くなる。
 すでに韓国もTPP参加検討を表明しており、日本側の甘利TPP担当相も中国もTPPに参加せざる得なくなる(報道)と予測しており、そうなれば世界はひとつの経済圏(one way of a global economic circle)の実現に大きく近づくことになる。

 ③経済のグローバル化は進んでおり、関税なき相互自由貿易体制は商品、技術、能力、人の往来をますます盛んにするものであり、相互に産業、市場、人材の自立、成長、拡大を促進するモチーブ・パワー(motive power)となるものだ。
 TPPも効果発効がそうであるように、長い目で見る必要がある。

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ロシアン・ショック。 a shock from russia

2015-10-22 19:38:35 | 日記
 (1)内戦で混乱の続くシリアから同アサド大統領がロシアを電撃訪問(a lightning visit to russia of p. assad)したニュースには驚かされた。ロシアが9月末にISへの攻撃目的でシリア空爆を開始したばかりで効果のほどもまだ未知数の中で、シリア政府も国土の半分近くは反体制派、ISなどが支配下に置く国内混迷状況の中だ。

 内戦がどう推移展開するかもわからない危機的戦乱を残して最高軍事指揮者のアサド大統領が国内を離れる絶対危険性に、また安全に国外に移動するルートの確保の危険性、さらにはロシア訪問が世界に知れわたっての帰国の途の最大危険性もかえりみずにこれらを乗り越えてのアサド大統領のロシア電撃訪問だ。

 (2)報道では今回のアサド大統領のロシア訪問はロシア側の招待(報道)で実現したというから、これまでシリア・アサド政権の後ろ盾としてシリア内戦で使用されたとする化学兵器の国際管理下の廃棄処分提案で米国によるアサド政権空爆攻撃を事前で中止に追い込み、さらに今回IS攻撃目的でシリア空爆に踏み切ったロシア政府の軍事協力演出にアサド大統領がいろいろな危険、リスクを乗り越えてまで応えた結果によるロシア電撃訪問であったということだ。

 ロシア政府の世界を驚かす目的で相当な周到な準備、効果で行われたものに間違いはない。もちろんアサド大統領不在中のシリアで事変が起こればロシアと戦うことになるメッセージでもある。

 (3)オバマ大統領の中東、アフガンでの軍事介入、戦略の方針転換の乱れをついてのロシア・プーチン大統領が中東シリア内戦で完全イニシアティブ(initiative)を確保しようという表明メッセージでもあった。

 戦乱、混乱のシリアからアサド大統領をロシアに招いてロシアの政治、外交、軍事能力の高さを内外に誇示する目的はあきらかだ。
 アサド政権が反体制派との内戦で化学兵器を使用して市民を含めた無差別攻撃をくり返して多数の犠牲者を出しているのは周知のところであり、当初から市民を巻き添えにしてきた非人道的行為のアサド政権の存在を認めてこなかったそれでいてオバマ大統領のあいまいなシリア対策、政策の責任は結果として重い。

 (4)米国にしろロシアにしろ、強大な軍事力を背景に意図的、戦略的に他国に軍事干渉、介入することはあってはならないが、シリア内戦は市民を巻き込んだ内戦混乱が4年半も続いて化学兵器、生物兵器の非人道的作戦使用も取りざたされて、国際社会、国連としてもただ静観というわけにもいかない危険な事態が続いている。

 混乱に乗じてIS、国際テロ組織も勢力拡大を狙っている。米国がシリア政府空爆攻撃から撤退して(IS空爆は再開した)、今度はロシアがIS攻撃目的でシリア空爆に参加したが米国が支援する反体制派への空爆も一部報道されて、ロシアの攻撃目的がIS攻撃に限定されたものなのか、アサド政権支援のものなのかはよくわからないものであったが、今回のアサド大統領のロシア電撃訪問で実態があきらかになった。

 (5)ウクライナ・クリミア半島のロシア強行編入からロシア・プーチン大統領の戦略は米国、EUとの対立の中で影響力拡大を狙ったもので、今回のアサド大統領のロシア電撃訪問で対立戦略を明確にして米国、EUに強いメッセージ性を送ったものだ。

 ロシアのシリア調停の戦略がかっての米ソ冷戦時代に回帰するような古い覇権主義志向であり、意図が露骨にあらわれて国際社会から疑心をもって見られることになるだろう。ロシア政府の時代感覚のズレが正されなければならない。

 

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国民2分論。 to divide the nation into two

2015-10-21 20:04:38 | 日記
 (1)政治というのはどうしてこうも「白々しい」のか、のどもとすぎれば熱さ忘れるでまともな政治家はいないものかとあきれるばかりだ。自民党谷垣幹事長が、政治家は国を2分する(to divide the nation into two)というような社会を放置しておいてはいけない、国民をひとつにする努力をしなければならない趣旨の発言をして、国論を2分した安保法制成立の後は経済最優先政策(新三本の矢)、しいては1億総活躍社会かを推進する決意を示した。

 それなら沖縄の辺野古移設で政府と沖縄が真っ向から対立する2分問題はそのまま「放置」しておいていいのかということになる。

 (2)沖縄では政府、自民党には心強いことだが、前知事の辺野古沖埋め立て承認を取り消した翁長知事に対して普天間飛行場のある住民が取り消し無効と損害賠償の訴えを起こしている。沖縄でも県民2分の問題はある。

 政府、与党が野党の要求する臨時国会の開催を安倍首相の外交日程優先を理由に応えないのは、安保法制への野党側の再度の国会追求で蒸し返される恐れを懸念してのもので、まるで安倍首相の安保法制を国民にわかりやすく説明する意思など微塵も感じられないもので、のどもとすぎれば熱さ忘れる対応だ。

 (3)こちらも説明責任が厳しく問われていた小渕議員の政治資金問題は、調査した(小渕議員自身が依頼した)第三者委員会が「小渕氏は関与しておらず法律上の責任はない」との結論を発表して、「渡された収支報告書の表紙や中身をぱらぱらめくり、ご苦労様と返していた」(本人談)と本人が「知らなかった」こととして議員辞職も考えないとした。

 メディアの「知らなかったと言い逃れをすれば刑事責任を回避できると考える人が出てくる」との質問には「なんと答えたらよいか分からない。制度は私が決めるものではない」(報道)と他人事のような素振りだ。

 (4)国会が議員の利益優先で都合のいい制度をつくっておいて「私が決めるものではない」とは政治家のあるまじき横暴な発言だ。
 小渕さんも含めてすべての国民は違法行為にかかわれば、それが犯罪であることを知っていたか否かにかかわらずに法律の処分対象になるのが社会正義のパラダイム(paradigm)だ。

 政治家が社会正義のパラダイムを自らの行動、規範で壊していて、まともな社会構図の実現など期待するのがむずかしいというものだ。

 (5)こういう政府の政治責任、政治家の資質問題の是非を目の当たりにしながら、のどもとすぎれば国民の目先を意図的に興味、関心の高い経済、景気対策に向かわせるなどとはあまりに主権者国民を侮辱する露骨な政治姿勢だ。

 政治はすべての国民が利益を共有できることが目指す理想ではあるが、必ず利益を受けるものがあればその分不利益を被(こうむ)るものがいるのが現実だ。その不利益をどうやって解消、やわらげていくのかが政治の力量だ。

 (6)それから国民の目をそむけて都合のいい方向性ばかりに向かわせるのは、善良な管理者としての政治家のすることではなく、冒頭の与党自民党幹事長の都合のいい横暴な発言は政治の退廃無知を示すもので政治の危険水域だ。

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