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THE NOVEMBERS「Hallelujah」全曲レビューその7「時間さえも年老いて」

2017-12-18 | THE NOVEMBERS「Hallelujah」全曲レビュー












この曲を初めて聴いたのはライブでした
その時はノベンバ印のサビでシャウトするロックンロールの亜種、って印象だったんですが
実際に音源が出て歌詞を読んでみるとただチャンスや運命の出会いなんかを受動的に待っている、
そんな行為、というか概念に対するアンチテーゼ的な要素が強いメッセージ・ソングでした。

重厚感のあるビートに、
ガンガンと鳴るドラムの気持ち良さ、
サビでワンフレーズを繰り返す思い切りのいい構成など
緊張感のあるアンサンブルにある種のポップさが混じって
ハードコアでありながら聴きやすい小気味良い一曲に仕上がっています
過去の曲で言うなら「observer effect」をちょっと聴きやすくした感じ・・・かな?


結局、待ってても誰も来ないし
期待しても奇跡なんて起こらないし
自分を変えてくれるエピソードなんて早々なかったりするので、
そうではなく、
手前から動いて会いに行け
手前から頑張って奇跡を起こせ
手前から手前自身を変えていけ・・・という
ある種真っ当なメッセージなんですけど、
それをよくある「君次第~」ってベタな言葉を一切使わずに、
それとなく聴き手に示唆して自覚させる、、、って歌詞のテクニックが凄いですね。
待つことは愚かしい、
待つことは退屈、
待つことは怠惰、
そうじゃなく、迎えに行こう―――――――


そう、この曲はある意味ザゼンボーイズにも通じる、
ノベンバの歌詞では繰り返し歌われている「待たない」という行為を
今一度ブラッシュアップしてポップに、そして激しさも加味して提示してみせている楽曲に感じます
今できる事は今のうちに、今やりたいことは今のうちに・・・
そうして積み上がった先にこそ、
「何か」は存在する。。

ただ、説教臭さは全くなく、
そんな状況に甘えそうになっている自分(または時)に思い切りケツを叩く曲にも思える
結局、“したかったこと”だけをただただ無作為に積み上げて行く人生は空しい。
この曲で歌われている事は正直かなり価値ある事の様に感じる、
そんな一見シャウト系の楽曲に思えて、
実は切実でもある一曲です。
ライブで聴くとケンゴマツモトのギターサウンドが益々キレッキレ且つダンサブルに聴こえるのも楽しいです。