事件は一週で解決しましたね。テンポが良い。
伽奈にとっては(本人は知らないが)花はある意味ヒーロー的存在でしょう
結果的に暴走する前に犯罪者を抑止出来たし、客観的に見れば「いいこと」をしたと言える
ただ、作中でも示されたようにそんな花自身も結局は同じ“犯罪者”であって
しかも陸上部の先輩とは違って直接的に手を掛けている分事実上は(こっちのが)重い・・・んだと思う。
結局、
正義ぶっても
いいことをしている様に見えても、
なんだかんだで「同じようなこと」を人は誰しもしているものである
今回のは、というかこの漫画のは極端な一例だとしても
「他人を傷付けて許せない」と
脊髄反射的に怒りを見せていても、
その実その人自身も本人が気付かない内に誰かを傷付けてたりする。
そんな事を思わせられるような、ただ単純な勧善懲悪とは一線を画した作劇がまず素晴らしかったですね。
しかし、花のは花自身の欲望というよりは
情状酌量の余地があるような行為だったような気もする
だからといって全肯定出来るか?って言うとそれも違う気もするし、
やっぱりこの漫画は白黒付けるのではなく、
限りなくグレーゾーンを描き続けている漫画だなあ。。と
今回分を読んで改めてそう感じてしまいましたね
今回のような「どっちにも取れる」という作劇、演出は正直読んでいて面白いです
陸上部の先輩がやっていた事は客観的に見て気持ち悪いし、危ない許せない行為だったのは確か
だけど、そんな輩を粛正する立場の花も実質的にはきれいな人間でもなく、
問答無用で人の命を奪った殺人犯である・・・という
極めて複雑、
だけど、
“花が居たことで救われた心”もある。。
っていうラストシーンを最後に添えることによって、
益々「これはこう」とは言い切れないグレーな作劇を魅せる事に成功している、と思います。
罪を粛正する為に、自ら自首するべき・・・なのも正論かもしれませんが、
その一方で「花がいるからこそ」守れる人や心があるのもまた正論っちゃあ正論だと思うんですよね
その辺が絶妙っていうか、
ジャンプ+だからこそ出来る作劇なんだろうなあ・・・というのは往々にして感じますね
少年誌だったら“こっちが絶対に正しい!”っていうレッテルを張らなければいけない分、
より自由で考えさせられる漫画に仕上がってるなあ、、、とお世辞ではなく思います
所詮は同じ穴のムジナ、
自分だってきれいな人間ではない。
だけど、そんな自分だからこそ「出来ること」もあって――――――――
花と伽奈の「これから」に期待します。
ちなみに来週の金曜日に単行本1巻が発売します!
是非購入しましょう。絶対に面白いですから。