時効警察 第3話「百万人に無視されても、一人振りむいてくれれば人はしあわせ・・・じゃない?」
霧山と三日月が食事に行った夜、店内で霧山に預けたはずの三日月の財布が行方不明になった。霧山は財布の行方を調べる一方で、15年前に起きた「センター東駅における丸閥商事社員轢死事件」を趣味で再捜査することに。
亡くなった町田は当時勤めていた会社の不正に気づいていたとされ、近くにいた同僚の藤沢が疑われた。しかし駅の売店に勤めていた浜野道子の「町田は自分が並べた新聞紙の調和に見惚れていた」という自慢とも取れる証言によって無罪となったという。
無罪の証言をしてくれたとはいえ、関係性を疑われたくないのであれば道子とは距離を置くはず。ところが藤沢は道子を妻として共に暮らしており・・・
感想
2話は全く見られなかったので別の方法で見ます・・・ネット配信って偉大ですね・・・とりあえず先に3話を・・・
と、いうわけで今回は事件の目撃証言をした女と、された男の物語。道子は並々ならぬ美意識の持ち主であり、駅の売店に新聞を並べる際にも美を追求していたばかりか、それに見惚れていたために町田はホームから転落して轢かれたと大勢の前で嘘の証言するほど。
自分が作り上げた美を理解する人間が殺人を犯したとあれば、殺人犯に自分の美が理解されたことになり、ひいては自分の美そのものが汚されたような感覚を抱いてしまうのでしょう。だいぶ飛躍している感じがしますが、ともあれ一点の汚れも許さない徹底した美意識っぷりでした。
加えて家に飾られていた花に三日月が関心を持っていると思い込み、わざわざ警察を尋ねてその花を贈るほどの自意識過剰っぷり。
その圧倒的なまでの自信の前では、霧山くんも推理を披露する際に眼鏡を外せないほどたじたじに。既に時効ということもあって、随分と強気な人物でしたね・・・結婚前は藤沢の方が強気っぽかったですが、いつしか立場が逆転していたようで。
全てが明らかになったあと、「私の刑は、続いています」と告白した藤沢。妻を愛さなければならない。証言をより完璧なものにしなければならない。もしかすると、家での藤沢の一見優雅な立ち居振る舞いや家具の配置など、全てが道子の美意識の下に成り立っているのかもしれません。そこに藤沢の自由はきっと無い。故の「刑」。
犯した罪を考えれば当然の報いではありますが、証言が美化されることなく、ありのまま伝えられているのとどっちが良かったのやら・・・
道子にしてみれば、藤沢は自分から離れられないと思っている。けれども、時効となった今、藤沢が道子に華道を習いに来ている女性と一緒になることも考えられます。
ですが、町田を殺したことを悔やんでいるのであれば、あのまま道子と共に暮らすことが藤沢にとっての贖罪なのかもしれませんし・・・道子にしてみれば、今更「自分の証言は誤りだった」と認めることは自分の美を否定することにも繋がりかねないから、それも出来ないでしょうし・・・
事件に時効があったように、花にも時効がある。花はいつか枯れて、そこにあったことさえ忘れられてしまうかもしれない。それでも、誰か1人でもどんな花がそこにあったかを覚えていてくれれば、それは幸せなこと。同じように過去の事件の真相に気づいてもらえた藤沢は幾分かは救われたのでしょう。そんな彼の「刑」がいつまで続くのか・・・それはあの夫婦にしか分からない、といった感じのラストも良かったです。
三日月にしてみれば、霧山にこそ花を飾ったことに気づいて欲しいのに、気づいてもらえなかった。百万人の視線を欲する人もいれば、百万人に気づいてもらえても気づいて欲しい人に気づいてもらえないことを残念に思う三日月のような人もいる。どれだけの人に見てもらえるか、だけではなく、誰に見てもらえるかも重要なのでしょう。
そんなこんなで、二人でするのはつれションですが、この作品はフィクションといったところでまた次回。
霧山と三日月が食事に行った夜、店内で霧山に預けたはずの三日月の財布が行方不明になった。霧山は財布の行方を調べる一方で、15年前に起きた「センター東駅における丸閥商事社員轢死事件」を趣味で再捜査することに。
亡くなった町田は当時勤めていた会社の不正に気づいていたとされ、近くにいた同僚の藤沢が疑われた。しかし駅の売店に勤めていた浜野道子の「町田は自分が並べた新聞紙の調和に見惚れていた」という自慢とも取れる証言によって無罪となったという。
無罪の証言をしてくれたとはいえ、関係性を疑われたくないのであれば道子とは距離を置くはず。ところが藤沢は道子を妻として共に暮らしており・・・
感想
2話は全く見られなかったので別の方法で見ます・・・ネット配信って偉大ですね・・・とりあえず先に3話を・・・
と、いうわけで今回は事件の目撃証言をした女と、された男の物語。道子は並々ならぬ美意識の持ち主であり、駅の売店に新聞を並べる際にも美を追求していたばかりか、それに見惚れていたために町田はホームから転落して轢かれたと大勢の前で嘘の証言するほど。
自分が作り上げた美を理解する人間が殺人を犯したとあれば、殺人犯に自分の美が理解されたことになり、ひいては自分の美そのものが汚されたような感覚を抱いてしまうのでしょう。だいぶ飛躍している感じがしますが、ともあれ一点の汚れも許さない徹底した美意識っぷりでした。
加えて家に飾られていた花に三日月が関心を持っていると思い込み、わざわざ警察を尋ねてその花を贈るほどの自意識過剰っぷり。
その圧倒的なまでの自信の前では、霧山くんも推理を披露する際に眼鏡を外せないほどたじたじに。既に時効ということもあって、随分と強気な人物でしたね・・・結婚前は藤沢の方が強気っぽかったですが、いつしか立場が逆転していたようで。
全てが明らかになったあと、「私の刑は、続いています」と告白した藤沢。妻を愛さなければならない。証言をより完璧なものにしなければならない。もしかすると、家での藤沢の一見優雅な立ち居振る舞いや家具の配置など、全てが道子の美意識の下に成り立っているのかもしれません。そこに藤沢の自由はきっと無い。故の「刑」。
犯した罪を考えれば当然の報いではありますが、証言が美化されることなく、ありのまま伝えられているのとどっちが良かったのやら・・・
道子にしてみれば、藤沢は自分から離れられないと思っている。けれども、時効となった今、藤沢が道子に華道を習いに来ている女性と一緒になることも考えられます。
ですが、町田を殺したことを悔やんでいるのであれば、あのまま道子と共に暮らすことが藤沢にとっての贖罪なのかもしれませんし・・・道子にしてみれば、今更「自分の証言は誤りだった」と認めることは自分の美を否定することにも繋がりかねないから、それも出来ないでしょうし・・・
事件に時効があったように、花にも時効がある。花はいつか枯れて、そこにあったことさえ忘れられてしまうかもしれない。それでも、誰か1人でもどんな花がそこにあったかを覚えていてくれれば、それは幸せなこと。同じように過去の事件の真相に気づいてもらえた藤沢は幾分かは救われたのでしょう。そんな彼の「刑」がいつまで続くのか・・・それはあの夫婦にしか分からない、といった感じのラストも良かったです。
三日月にしてみれば、霧山にこそ花を飾ったことに気づいて欲しいのに、気づいてもらえなかった。百万人の視線を欲する人もいれば、百万人に気づいてもらえても気づいて欲しい人に気づいてもらえないことを残念に思う三日月のような人もいる。どれだけの人に見てもらえるか、だけではなく、誰に見てもらえるかも重要なのでしょう。
そんなこんなで、二人でするのはつれションですが、この作品はフィクションといったところでまた次回。