ひびレビ

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「ハクメイとミコチ」第12巻を呼んで

2024-01-18 08:00:30 | 本・音楽
 「ハクメイとミコチ」第12巻を読みました。単行本派としては毎年1月中旬あたりに出版されるのは覚えやすくてありがたいです。

 さて第12巻はハクメイが本の一節に記されたサンドイッチの作り方に試行錯誤する第90話「キュウリのサンドイッチ」から、副長もといフクチヨさんが柱の修理をしながらナライとの関係性を語る第98話「内緒の仕事」が収録されています。

 個人的なお気に入りは第91話「宿と地のもの」ですね。
 ハクメイの出張先に着いていったミコチ。ハクメイ曰く宿の近くには夜間営業している飯屋が無いとのこと。しかし暗闇の中、ミコチが匂いを頼りに向かった先には……という旅先のエピソード。
 私の話になりますが、一人の出張・旅行の際は食事はコンビニの弁当や牛丼屋等のチェーン店で済ませる機会が圧倒的に多く、加えて自分用・他人用にその土地ならではの特産品を買うことも滅多にありません。それ故に旅先の思い出といえば景色が中心だったのですが、このエピソードを読んで当たり前のことに気づかされました。何もその土地の味を楽しむのに、飯屋である必要は無いのだと。駅や空港等で特産品を購入し、ホテルでちょっと豪華な夕食を味わう。そんな楽しみ方もあるのだと気づかされました。思いがけず巡り合えた楽しさに驚くハクメイに、ミコチが告げた言葉が私の身にもじんわりと染み入ります。あのコマの雰囲気、めっちゃ良いなぁ……狭い宿の一室なのに、どこかの飯屋の個室に思えてくるあの感じ、最高に素敵です。

 また、第93話「お菓子と刃物」には、第8巻に収録されている第60話「ひと振りの包丁」に登場した鍛冶屋・ハルシナさんが再登場。第60話はミコチが、ハクメイが研いだことのない包丁を持って出かけるところを尾行する話なのですが、そこで登場したのがハルシナさん。妙に色気を感じるミンクの女性です。今回は最後のコマの色っぽさというか、蠱惑的な感じが素敵でした。
 で、そのミコチのみならずハクメイもハルシナさんといつの間にやら知り合いになっていたものの、ハクメイの暑苦しさは少々苦手な様子。そんなハクメイからの頼みをきっかけに……というお話。最初は鬱陶しく、どこか警戒するような態度だったハルシナさんの変化が見所です。そんな二人の共通の友人であるミコチの様子が描かれたコラムも面白かったです(笑。


 共通の友人といえば、第94話「お祝いの手料理」ではコンジュとセンが、シュンカのバーの修繕祝いの料理作りに挑戦。センの料理知識の確認、「一口大に切って」と言われた時のコンジュの反応が見所の一つです。
 元はハクメイとミコチを介して知り合った二人が、いつの間にやらこうして料理を一緒に作る間柄に。特に最後の件は二人の付き合いの長さを感じさせられて良かったですね……

 他にもこれまでとは一味違うハクメイが見られたり、敷居が高い喫茶店に背伸びして入ろうとするウルムちゃんが可愛かったりと、今回も楽しませていただきました。また来年、この時期に新しい物語を読めることを心待ちにしつつ、既刊を読み返すとします。
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