続きです。
ナビに従い走る。そして到着。あれっ、ここ、鹿狼山の登山口だよ。ここが手長明神なのかな。
この付近に手長明神があるのか。クルマを登山道の駐車場に止めて付近を歩く。古い登山客向けの旅館に小さな鳥居が見える。あれか。
古い旅館の庭に入ろうとしたが、外からは入れないみたい。庭に小さな滝が見える。あれはお不動様を祀っているのでは。
それに私が見た手長明神の写真と違う。手長明神は農道の側に建っている木柱の筈。この旅館の庭ではない。うーん、これは困った。どうしようか。
駐車場に戻る。ここにはトイレも在る。すぐ側に日帰り温泉もできる施設「鹿狼の湯(600円)」もある。車中泊に向いているなぁー。でも、ここでの車中泊は寂しそう。夜は一人だと怖いな。
それよりもどうしようか。鹿狼山の頂上に鹿狼山神社がある。ここまで来たのなら登るか。
否、午後2時を過ぎている。山は結構大きそう。検索すると300メートルある。太白山と同程度か。でも太白山登山の所要時間は30分と書かれていたが、私は疲労困憊で最初は1時間半位かかった。この鹿狼山は1時間程度では登れそうもないな。
登山道から登山客が下りて来ている。今から登るのは危険ではないか。下手したら遭難するのではないか。
登山口の鳥居の前で悩む。そこに60代後半の男性が私の横を歩いて行く。今から登るみたいだ。
あの男性が登るのなら、私が登らずにどうするか。私の本名にかけて登らねば男が廃る。登らいでか。
決めた、登る。参拝する。
私は登山用の無料の杖置き場へ。青竹の杖をチョイス。突いてみたら結構しなる。これはダメだ。
次に薄茶に乾いた節の多い竹の杖をチョイス。これだ、これで行こう。
鳥居で山に挨拶して登山道へ。二股の道の看板の前で先の60代男性が止まっている。「樹海コース 全長1600メートル 所要時間40分」。「展望コース 全長1100メートル 所要時間40分」。どちらを行くか迷っている様だ。
60代男性は展望コースをチョイスして歩き出した。私も彼に続いていけば安心かなと思ったが、同じ所要時間なら「樹海コース」の方がなだらかな筈だ。そっちの方がデブに優しい筈だ。私は無理はしない。「樹海コース」だ。
一人「樹海コース」を歩く。10分もしないうちに立ち止まり崩れ落ちる。疲労困憊。枯れ葉に包まれた登山道で大の字になって横たわる。行き倒れる。
結構キツイ。これはキツイ。坂がキツイ。間違いなく「樹海コース」で正解だが、それでも私にはキツイ。5分位横たわった後、また歩く。5~10分歩いては5分休むの繰り返し。
暑い。フォックスファイヤーのダウンパーカーとメスナーのフリースジャケットを脱いで、ショルダーバックに入れる。ダウンは袖をバッグのベルトに縛る。1Lの水筒も入っているから重い。こんなに厚着してくるんじゃなかった。他の登山客は皆んな手ぶらなのに。
タラスブルバのマウンテンシャツだけで登る。寒い。でも暑い。どっちもだ。
人が下ってくる気配。老夫婦が下って来た。私は半分は来ている筈だと思いながら、老夫婦に「後何分くらいかかりますか」と聞く。
老夫婦の夫は「三分の一は登って来たよ。休みながらでも30~40分で付くよ」と。
えっ、三分の一。まだ三分の一だったの。結構登った筈なのに。かなりガックシ。
また歩き出す。今度は幼い女の子と若いお父さんが下りて来た。
私は「あとどのくらいですか」。
若いお父さんは「ここで半分位」と。
私は更にガックシとなって休み休み登り始める。
また老夫婦が下りて来た。私は疲労困憊で縋る様にまた聞いた。「あと、どのくらいですか」と。
老夫婦の夫は鹿狼山の山並みををステッキで指差し、「あそこが頂上だから。頂上付近の横に登っていくのがキツイんだ」と。
うわぁー、まだまだある。あんなに遠いのか。まだ半分程度しか登ってないではないか。本当にキツイな。もう3時を過ぎている。微妙に暗くなって来ている。戻ろうか。またの機会にしようか。
登ろう。ここまで来たのだから。あんな老人だって登っているのに、ここで戻ったら何の為の私の名前(本名)なのだ。
木の切り株などに座って休み休み登る。三分の二は来ただろう。また男性が下りて来た。あの「展望コース」から登って行った方だ。
彼は私を覚えていた様で「あっちのコースはきつかった。こっちが正解だった。頑張って」と。
「そりゃそうだろ。そんなのは分かっていたよ。でもこっちもキツイよ。もうわたしゃ限界通り過ぎているよ」。そう思いながら引きつった笑顔で会釈。挫けず歩き出した。
続く。
ナビに従い走る。そして到着。あれっ、ここ、鹿狼山の登山口だよ。ここが手長明神なのかな。
この付近に手長明神があるのか。クルマを登山道の駐車場に止めて付近を歩く。古い登山客向けの旅館に小さな鳥居が見える。あれか。
古い旅館の庭に入ろうとしたが、外からは入れないみたい。庭に小さな滝が見える。あれはお不動様を祀っているのでは。
それに私が見た手長明神の写真と違う。手長明神は農道の側に建っている木柱の筈。この旅館の庭ではない。うーん、これは困った。どうしようか。
駐車場に戻る。ここにはトイレも在る。すぐ側に日帰り温泉もできる施設「鹿狼の湯(600円)」もある。車中泊に向いているなぁー。でも、ここでの車中泊は寂しそう。夜は一人だと怖いな。
それよりもどうしようか。鹿狼山の頂上に鹿狼山神社がある。ここまで来たのなら登るか。
否、午後2時を過ぎている。山は結構大きそう。検索すると300メートルある。太白山と同程度か。でも太白山登山の所要時間は30分と書かれていたが、私は疲労困憊で最初は1時間半位かかった。この鹿狼山は1時間程度では登れそうもないな。
登山道から登山客が下りて来ている。今から登るのは危険ではないか。下手したら遭難するのではないか。
登山口の鳥居の前で悩む。そこに60代後半の男性が私の横を歩いて行く。今から登るみたいだ。
あの男性が登るのなら、私が登らずにどうするか。私の本名にかけて登らねば男が廃る。登らいでか。
決めた、登る。参拝する。
私は登山用の無料の杖置き場へ。青竹の杖をチョイス。突いてみたら結構しなる。これはダメだ。
次に薄茶に乾いた節の多い竹の杖をチョイス。これだ、これで行こう。
鳥居で山に挨拶して登山道へ。二股の道の看板の前で先の60代男性が止まっている。「樹海コース 全長1600メートル 所要時間40分」。「展望コース 全長1100メートル 所要時間40分」。どちらを行くか迷っている様だ。
60代男性は展望コースをチョイスして歩き出した。私も彼に続いていけば安心かなと思ったが、同じ所要時間なら「樹海コース」の方がなだらかな筈だ。そっちの方がデブに優しい筈だ。私は無理はしない。「樹海コース」だ。
一人「樹海コース」を歩く。10分もしないうちに立ち止まり崩れ落ちる。疲労困憊。枯れ葉に包まれた登山道で大の字になって横たわる。行き倒れる。
結構キツイ。これはキツイ。坂がキツイ。間違いなく「樹海コース」で正解だが、それでも私にはキツイ。5分位横たわった後、また歩く。5~10分歩いては5分休むの繰り返し。
暑い。フォックスファイヤーのダウンパーカーとメスナーのフリースジャケットを脱いで、ショルダーバックに入れる。ダウンは袖をバッグのベルトに縛る。1Lの水筒も入っているから重い。こんなに厚着してくるんじゃなかった。他の登山客は皆んな手ぶらなのに。
タラスブルバのマウンテンシャツだけで登る。寒い。でも暑い。どっちもだ。
人が下ってくる気配。老夫婦が下って来た。私は半分は来ている筈だと思いながら、老夫婦に「後何分くらいかかりますか」と聞く。
老夫婦の夫は「三分の一は登って来たよ。休みながらでも30~40分で付くよ」と。
えっ、三分の一。まだ三分の一だったの。結構登った筈なのに。かなりガックシ。
また歩き出す。今度は幼い女の子と若いお父さんが下りて来た。
私は「あとどのくらいですか」。
若いお父さんは「ここで半分位」と。
私は更にガックシとなって休み休み登り始める。
また老夫婦が下りて来た。私は疲労困憊で縋る様にまた聞いた。「あと、どのくらいですか」と。
老夫婦の夫は鹿狼山の山並みををステッキで指差し、「あそこが頂上だから。頂上付近の横に登っていくのがキツイんだ」と。
うわぁー、まだまだある。あんなに遠いのか。まだ半分程度しか登ってないではないか。本当にキツイな。もう3時を過ぎている。微妙に暗くなって来ている。戻ろうか。またの機会にしようか。
登ろう。ここまで来たのだから。あんな老人だって登っているのに、ここで戻ったら何の為の私の名前(本名)なのだ。
木の切り株などに座って休み休み登る。三分の二は来ただろう。また男性が下りて来た。あの「展望コース」から登って行った方だ。
彼は私を覚えていた様で「あっちのコースはきつかった。こっちが正解だった。頑張って」と。
「そりゃそうだろ。そんなのは分かっていたよ。でもこっちもキツイよ。もうわたしゃ限界通り過ぎているよ」。そう思いながら引きつった笑顔で会釈。挫けず歩き出した。
続く。