前回書いたとおり、NPO法人は公益法人制度の反省として作られた経緯があります。その基本は、行政の関与を極力少なくして、民間の自主的な活動を重視しています。
しかし、作られてから、まだ日が浅い制度だけに様々な問題点もあります。その最大の問題点は、財政的安定性に欠けているところです。2万7千を数えるNPO法人ですが、その6割強が年間収入(会費、寄付金、事業収入等)が1000万円未満の零細団体です。スタッフの平均収入は年130万円程度。とても生計の立つものではない。当然常勤スタッフも1~3名程度です。
少ない人数で活動をやらざる得ず、どうしても事務経理は疎かにされがちです。監督官庁への報告義務や情報公開の義務があるにもかかわらず、この状態ですから、極めて問題が大きい。
実のところ、会計基準すら確立していない。一部に公益会計を推奨する動きがありますが、私は反対です。元々公益法人に対するアンチテーゼとして生まれたNPO法人です。手間のかかる公益会計を記帳できるスタッフも人件費も不足していますし、なにより緊急の事態に対応するのに、公益会計の予算制度は不向きです。
実情は収支計算が精一杯。せめて企業会計と複式簿記のレベルの経理でないと、情報公開は十分に出来ないのですが、なかなか難しいようです。
更に困ったことに、この発展途上の制度を悪用する連中も現れています。どうもNPOは非課税だと思い込んでいる間違いもあるようですが、確信犯的に脱法行為をしているNPOも散見します。ボランティアと称して安い人件費で収益を上げ、納税もせず、私財購入に散財したりしている事件もあったと聞いています。
私が見聞きした範囲では、元総会屋や事件屋、振り込め詐欺グループとそのスポンサーたる暴力団が背後に暗躍しているNPOもある始末です。現在税務署や警察も注目しているそうです。
一方、億を超える収入を得て活躍しているNPO法人もあります。これらのケースではスポンサーがしっかりしている事例が多いようです。例えば病院グループをバックにして介護保険ではケアしきれない介護事業を行うNPOなどは、決算時に数百万の納税をしているそうです。
その一方で解散を余儀なくされたNPO法人も数百件あるようです。私見ですが、NPO活動をしたがる人は、自分は社会に貢献する善き活動をしているとの自覚が強い。強すぎて、その活動に対する客観的な視点が不足していたり、活動に重きを置き過ぎて事務経理が後回しになり、結果的に資金をショートさせたり、活動に疑問を持たれて破綻しているようです。
これからNPO活動に興味を持って参加したいと考えている方は、善意の行為だけに注目するのではなく、その公開されている事業活動報告の中味、財務内容など目立たぬ部分にも注意を払って参加してみることをお勧めします。
しかし、作られてから、まだ日が浅い制度だけに様々な問題点もあります。その最大の問題点は、財政的安定性に欠けているところです。2万7千を数えるNPO法人ですが、その6割強が年間収入(会費、寄付金、事業収入等)が1000万円未満の零細団体です。スタッフの平均収入は年130万円程度。とても生計の立つものではない。当然常勤スタッフも1~3名程度です。
少ない人数で活動をやらざる得ず、どうしても事務経理は疎かにされがちです。監督官庁への報告義務や情報公開の義務があるにもかかわらず、この状態ですから、極めて問題が大きい。
実のところ、会計基準すら確立していない。一部に公益会計を推奨する動きがありますが、私は反対です。元々公益法人に対するアンチテーゼとして生まれたNPO法人です。手間のかかる公益会計を記帳できるスタッフも人件費も不足していますし、なにより緊急の事態に対応するのに、公益会計の予算制度は不向きです。
実情は収支計算が精一杯。せめて企業会計と複式簿記のレベルの経理でないと、情報公開は十分に出来ないのですが、なかなか難しいようです。
更に困ったことに、この発展途上の制度を悪用する連中も現れています。どうもNPOは非課税だと思い込んでいる間違いもあるようですが、確信犯的に脱法行為をしているNPOも散見します。ボランティアと称して安い人件費で収益を上げ、納税もせず、私財購入に散財したりしている事件もあったと聞いています。
私が見聞きした範囲では、元総会屋や事件屋、振り込め詐欺グループとそのスポンサーたる暴力団が背後に暗躍しているNPOもある始末です。現在税務署や警察も注目しているそうです。
一方、億を超える収入を得て活躍しているNPO法人もあります。これらのケースではスポンサーがしっかりしている事例が多いようです。例えば病院グループをバックにして介護保険ではケアしきれない介護事業を行うNPOなどは、決算時に数百万の納税をしているそうです。
その一方で解散を余儀なくされたNPO法人も数百件あるようです。私見ですが、NPO活動をしたがる人は、自分は社会に貢献する善き活動をしているとの自覚が強い。強すぎて、その活動に対する客観的な視点が不足していたり、活動に重きを置き過ぎて事務経理が後回しになり、結果的に資金をショートさせたり、活動に疑問を持たれて破綻しているようです。
これからNPO活動に興味を持って参加したいと考えている方は、善意の行為だけに注目するのではなく、その公開されている事業活動報告の中味、財務内容など目立たぬ部分にも注意を払って参加してみることをお勧めします。