ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

戦争犯罪って?

2006-08-12 16:57:35 | 社会・政治・一般
小泉首相の靖国参拝を契機に、やたらと騒がしい戦犯問題。実に不快である。

いったい、いつから戦争は犯罪になったのか。戦争をする決断をすることが犯罪なのか。負けた戦争をしたことが犯罪なのか。

戦争犯罪を否定しているわけではない。軍需物資を横流しして、私益を貪った某大物右翼などは、まさに戦争犯罪人だと思う。でも敗北に終わった戦争を始めたことが犯罪だとは思わない。

日本が反省すべきは、日露戦争後の増長・傲慢であり、軍部を抑制できなかった文民統制の失敗だと思う。軍部が独走したのは、貧困に喘ぐ日本国民、とりわけ農村の支持あってこそだ。なぜ貧困に喘いだかと言えば、それは富国強兵のための偏りすぎた産業政策のためであろう。要するに、突き詰めれば、内政の失敗を外交で補おうとした政府の失敗であろう。軍部に戦争責任を押し付け、戦争を犯罪に貶めて、それが反省だと言われても、私は納得できない。

最も厭らしいと思うのは、戦争を犯罪に貶めれば、戦争はなくせる思い込む、その幼稚さだ。いくら刑罰を重くしても、犯罪はなくならない現実を無視した暴論としかいいようがない。そもそも戦争とは、紛争を解決する手段の一つに過ぎないわけで、卑劣であろうと残酷であろうと、結果として目的を達すれば、それは正しい手段とされてしまうもの。

もっとも、戦争を犯罪に貶めて、その戦争に反対している自分の善人ぶりをアピールした向きには、本当の戦争の反省など必要ないのだろう。真剣に戦争を反省するより、戦争に反対して「いい子ぶる」事の方が大切な、戦後平和主義には、ほとほと愛想が尽きる今日この頃だ。
コメント (5)
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