前回、高度成長を終え成熟した社会を迎えたと書きましたが、それは衰退の兆候をみせつつあることでもあります。事実、この20年間企業の廃業は拡大する一方であり、新たな創業、起業よりも倒産、解散の方が多いのが現実です。
そこで一回から四回までに書いたように法人設立を容易にしたのが新・会社法です。更に会社をどのように運営していくか、すなわち会社の機関設計も大幅に自由度が拡大しています。なお、以下の文章は、原則として非公開会社、つまり上場企業以外の中小企業を前提とさせていただきます。
従来の株式会社が取締役会と監査役を基本としていたのに対し、新・会社法では実に39通りの機関設計のパターンを認めています。ですが、自由度が広まった一方で、責任も深まったことを忘れてはなりません。
沢山パターンはありますが、基本は取締役会と監査役です。このパターンが一番安心です。このケースならば、過去の様々な判例等により、なにかトラブルがあった場合の扱いも確定しており、弁護士さんたちも素早く対応出来るからです。
一方、リスクが多いと思えるのが、取締役しかおかず、監査役を置かない場合でしょう。この場合、株主の権限が強まるため、株主が経営に直接関わってくる可能性が高いと予想されます。株をお持ちの方は分かると思いますが、通常株主は株主総会で質問や投票をするだけで、経営には口を出せない。しかし監査役がいない会社では、少数株主が取締役に異論がある場合、株主からの干渉が強く認められてしまい、トラブルの元になると予想できます。
逆に言えば、株主1人=取締役1人ならば、取締役一人で十分でしょう。ただし不慮の事故等があった場合は、面倒なことになります。いずれにせよ、複数の株主がいる場合なら、監査役は置いた方が無難だと思います。
なぜに株主のことを警戒するかというと、実を言うと現在多く発生している会社法務上のトラブルは、株主と経営者との間で発生したものが少なくないからです。特に株主代表訴訟は、上場企業よりも非上場の中小企業でこそ、多く発生しているのです。
私の見聞した範囲では、相続後に多く発生しています。つまり会社設立当初の株主たちよりも、その当初の株主の死去により株を取得した相続人と経営者との間でトラブルが出やすいのです。
多くの場合、少数派の株主と現・経営陣との間のトラブルですが、旧・商法よりも少数株主に権限を与えかねない新・会社法ですから、会社の機関設計には注意を要します。
そこで一回から四回までに書いたように法人設立を容易にしたのが新・会社法です。更に会社をどのように運営していくか、すなわち会社の機関設計も大幅に自由度が拡大しています。なお、以下の文章は、原則として非公開会社、つまり上場企業以外の中小企業を前提とさせていただきます。
従来の株式会社が取締役会と監査役を基本としていたのに対し、新・会社法では実に39通りの機関設計のパターンを認めています。ですが、自由度が広まった一方で、責任も深まったことを忘れてはなりません。
沢山パターンはありますが、基本は取締役会と監査役です。このパターンが一番安心です。このケースならば、過去の様々な判例等により、なにかトラブルがあった場合の扱いも確定しており、弁護士さんたちも素早く対応出来るからです。
一方、リスクが多いと思えるのが、取締役しかおかず、監査役を置かない場合でしょう。この場合、株主の権限が強まるため、株主が経営に直接関わってくる可能性が高いと予想されます。株をお持ちの方は分かると思いますが、通常株主は株主総会で質問や投票をするだけで、経営には口を出せない。しかし監査役がいない会社では、少数株主が取締役に異論がある場合、株主からの干渉が強く認められてしまい、トラブルの元になると予想できます。
逆に言えば、株主1人=取締役1人ならば、取締役一人で十分でしょう。ただし不慮の事故等があった場合は、面倒なことになります。いずれにせよ、複数の株主がいる場合なら、監査役は置いた方が無難だと思います。
なぜに株主のことを警戒するかというと、実を言うと現在多く発生している会社法務上のトラブルは、株主と経営者との間で発生したものが少なくないからです。特に株主代表訴訟は、上場企業よりも非上場の中小企業でこそ、多く発生しているのです。
私の見聞した範囲では、相続後に多く発生しています。つまり会社設立当初の株主たちよりも、その当初の株主の死去により株を取得した相続人と経営者との間でトラブルが出やすいのです。
多くの場合、少数派の株主と現・経営陣との間のトラブルですが、旧・商法よりも少数株主に権限を与えかねない新・会社法ですから、会社の機関設計には注意を要します。