ヌマンタの書斎

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野党の存在価値って・・・

2006-11-06 09:31:39 | 社会・政治・一般
長く続いた自由民主党による政治。戦後の高度成長を成し遂げた功績は大きいが、汚職や硬直化の弊害が恒常的になったため、民心は細川首相による連立政権を望んだ。

その後、自民党は社会党や公明党との連立により、政権を奪還して今日に至る。かつての最大野党であった社会党は姿を消し、現在は民主党がその座にある。2大政党による政権交代が期待されるようになって久しいが、現状をみるかぎり可能性は低い。

私は2大政党による政権交代の理想に、共感していないわけではない。しかし、なぜに日本の野党には、政権担当能力が乏しいのか不思議でしょうがない。最近つらづら思うのだが、ひょとして有権者は野党に非現実的な政策の受け皿としての意義しか認めていないのだろうか。要するに、野党の存在価値は、不満の捌け口に過ぎないってことなのか。

「最大多数の最大幸福」という多数決主義が民主主義の根幹を支える原理だが、それは少数意見の抑圧の正当化を意味する。これは少数意見が過ちであることを、必ずしも意味するものではない。多数決というものは、正しさを証明する機能は乏しく、正しさを正当化することにこそ意義があるものだ。

不幸なことに、日本の有権者における少数派は、自らの正しさを信じて止まない。ゆえに自分達の少数派意見を採用する政党こそが、正しい政党であると信じ込む。正しいのだから、反省する必要なんてない。それゆえ、多数の有権者から省みられることは少ない。小数派意見の受け入れ先こそが、野党の役目と化している。これじゃあ選挙に勝てるはずがない。

だが、時折少数派であるべき野党に、多くの得票が流れることがある。これはほとんどの場合、与党に対する批判票であり、牽制球でもある。与党を監視して、時には鞭打つ道具として野党が活用されることが、ままある。一昨年の参議員選挙がそうだったし、この流れが勢いづくと細川・連立政権のような革命が引き起こされる。

もし、野党・民主党に政権の目が出るとしたら、それはやはり自民党政権への批判票を掴んだときだろうと思う。前・小泉内閣は、衆議院選挙であまりに勝ちすぎた。次の参議院選挙では、とうてい衆議院ほどは勝てないと思われる。与党批判の風にのれば、民主党に可能性がないわけではなかろう。

でも、今国会の動きを見ている限り、その与党批判の風さえ吹かす事が出来ずにいる。民主党が健全な野党であることこそが、日本の2大政党政治の必携要件だと思うから、敢えて言う。

小沢・民主党党首さんよ、善人ぶるな。敢えて悪役を買って出ろ。自民党の金権政治の実態を誰よりもよく知っているはずだろう。それを自ら暴きだして見せろ。知らないとは言わせない。忠コ派という、金権政治の中心地にいた政治家が知らないわけがない。そりゃあ、自らも痛手を被ること請け合いだ。

でも自ら死地に飛び込んでこそ、浮かぶ瀬もあろう。いまのままなら、民主党は少数派意見の受け皿に甘んじるのみ。少数派の不満の捌け口は、社民党や共産党にまかせて、真に政権を担える健全な政党へと脱却して欲しいものです。
コメント (2)
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