「核」論議の是非

中川政調会長の、いわゆる「核」にまつわる発言が世間を騒がしている。いや、騒いでいるのは、一部自民党と、野党だけな気もする。マスコミは中国シンパの日経と朝日ｖｓ産経かな。

最初にお断りしておくと、私は日本が核兵器を所有することには反対です。理由は簡単で、開発は容易だが、維持管理に金と手間がかかりすぎる。しかも、兵器としては使い勝手が悪く、使わずに、存在することで意義がある妙な兵器となっている。

そして、反対する最大の理由は、現在の日本には核兵器どころか、通常兵器すら満足に使いこなせる状況にないことだ。文民統制が肝要だというのに、有事法制が不十分だという内政的理由もある。しかし、それ以上にアメリカという軍事的に日本を支配下に置いている国が、日本に自由に武力を行使することを容認するとは思えない。

アメリカ主導の世界経済に従属することが、今現在日本の最大利益だと思うが故に、独自の核武装には反対せざる得ない。それが私の結論です。

ただね、議論はあってもいいし、するべきだと思う。議論さえ認めないというのは、言論の自由に反すると思う。それ以上に、「憲法９条、憲法９条～♪」と念仏唱えていれば、平和が守れるといった、空想平和主義の専横を招く感があって、とっても不愉快に思う。

その一方、過去の問題発言（来栖長官や秦大臣ら）と比べると、今回のほうがはるかに過激であるにも関わらず、世間の反発はずっと少ないように感じる。もっとも「核」を容認しているのではなく、ヒステリックな拒絶をしなくなった程度かもしれないが。これでは、ますます野党と世間との乖離が進んでいるようで、それはそれで困ったものだと思う。

余談ですが、いい加減有名無実化している「非核三原則」は廃止してはいかが？あたしゃ、核兵器を持っていない米軍なんて信じちゃいないし、持っててもらわねば困ると思う。もっとも、一部では従来の三原則に「核を議論してはならない」を加えて、非核四原則にしたい意向があるようですがね。