ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

「ワイルド7」 望月三起也

2006-11-17 09:50:58 | 
とても30年以上前の作品とは思えない。とても少年誌向けの漫画とは思えない。

改めて読み直した率直な感想です。正直言って、少年誌に掲載する漫画としては残虐に過ぎる。だからこそ、リアリティがあったのも確かです。印象に強いのは、悪役達が素晴らしく憎たらしい悪役であったこと。悪役側がしっかりと描けていたことが、正義と優しい心を輝かせていたと思うのです。

たしか70年代には実写のTVドラマで放送されたこともあったと思います。主人公の「飛葉ちゃん」は千葉真一だったかな?

記憶はおぼろですが、到底原作に及ぶ出来ではなかったと思います。むしろ原作が飛び抜けて、凄まじかった。ハリウッドのアクション映画に優るとも劣らない迫力ではないかな。よく読むと分かるのですが、今でも使えるような斬新なアイディアが満載で、絵の構成、ストーリーの流暢さなどは、今現在の劇画と比較しても古さを感じさせないのは、まさに脅威的です。

残念なのは、掲載誌が週刊少年キングという、かなり発行部数の少ない週刊誌だったため、あまり知られていないことかもしれません。ただ、ありがたいことに、最近の再刊ブームに乗って、再発行されているので、出来たら全巻揃えたいと考えています。問題は置き場所だな・・・

作者の望月三起也は、他にも戦時中のアメリカ日系人部隊を描いた作品や新撰組を描いた作品、趣味のサッカー漫画もあるのですが、やはり「ワイルド7」のインパクトが強すぎて、ある意味損をしている気もします。これほどインパクトのある漫画でありながら、彼の画風を引き継ぐような漫画は、その後出ていないと思うのです。早すぎた劇画マンガであったかもしれません。
コメント (9)
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