元ネタが分かるって、けっこう面白い。
ルパート、ルドルフ、ロウエングラム・・・銀英伝のファンなら思い出さずにいられない名前の数々。実は田中芳樹先生、ご推奨の冒険小説なのです。
元ネタといっても名前だけで、ストーリーも時代も場所も全然違うが、よく見知った名前だけに、読んでいて、思わずニヤリとしてしまう。なかでもルパートの活躍ぶりといったら、まあ・・・
それはさておいても、なかなか面白い冒険小説だった。荒れ狂う暴風雨も、剣呑なジャングルも出てこない。不気味な怪物も、謎の宗教団体も出てこない。
出てくるのは、名誉と欲望、信頼と裏切り、愛と憎悪に彩られた人間達だけ。偶然と奇遇が織り成す、奇怪な事態に踊り、踊らされる人間ドラマが面白い。奇をてらうことなく、常識の枠内で繰り広げられる冒険劇に、退屈さを感じるかと思いきや、筋の通った気概が爽快さをかもし出すから不思議。
発表されてから1世紀が過ぎようとしている古典的冒険小説なれど、その面白さに翳りが見えないのは見事でした。こんなオーソドックスな小説も、たまにはいいものです。
ルパート、ルドルフ、ロウエングラム・・・銀英伝のファンなら思い出さずにいられない名前の数々。実は田中芳樹先生、ご推奨の冒険小説なのです。
元ネタといっても名前だけで、ストーリーも時代も場所も全然違うが、よく見知った名前だけに、読んでいて、思わずニヤリとしてしまう。なかでもルパートの活躍ぶりといったら、まあ・・・
それはさておいても、なかなか面白い冒険小説だった。荒れ狂う暴風雨も、剣呑なジャングルも出てこない。不気味な怪物も、謎の宗教団体も出てこない。
出てくるのは、名誉と欲望、信頼と裏切り、愛と憎悪に彩られた人間達だけ。偶然と奇遇が織り成す、奇怪な事態に踊り、踊らされる人間ドラマが面白い。奇をてらうことなく、常識の枠内で繰り広げられる冒険劇に、退屈さを感じるかと思いきや、筋の通った気概が爽快さをかもし出すから不思議。
発表されてから1世紀が過ぎようとしている古典的冒険小説なれど、その面白さに翳りが見えないのは見事でした。こんなオーソドックスな小説も、たまにはいいものです。