ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

新聞の一面の価値

2006-11-07 09:21:59 | スポーツ
週末の楽しみの一つに、スポーツ新聞がある。普段は滅多に読まないが、休日に図書館でまとめ読みするのは、けっこう楽しい。

でも、4日の日刊スポーツには呆れた。日刊スポーツは、サッカーの記事が丁寧で、わりと好んで読んでいたが、この紙面造りはないだろうと思う。

一面は高校野球の地方大会で出た、特大ホームランの記事だ。未来のスター選手なのかもしれないが、一面でとりあげる価値があるのか?

私はこの日の一面は、サッカーのナビスコ杯優勝か、日米野球だと思っていたから、この一面記事をみて愕然とした。日米野球は、2―3の好試合であり、ナビスコ杯は古豪JEFとアントラーズとの緊張感のある試合で、どちらが一面でもおかしくない。

で、なんで高校生のホームラン記事が一面なんだ?

現在、アメリカでは新聞の販売部数の減少とネット報道の増加が話題になっている。イギリスでは新聞がサイズ縮小により、生き残りをかけている。日本だって、ホリエモンや三木谷の既存のメディアへの攻撃は、はじまったばかりと言っていい状況だ。

別にネットだけではなく、社会の変化に応じてメディアのかたちも変わるはずなのだから、その変化に応じていかなければ、大新聞、大手TV局といえども生き残りは厳しいはず。ましてや、スポーツ新聞のようなメディアは、市場の変化に応じていかなければ、到底生き残れるはずはない。

日本のスポーツ・メディアを支えてきた長年の功労者は、間違いなくプロ野球だと思う。そのプロ野球の未来のスター選手になるかもしれない、未完の若者に注目する記事の意義は理解できなくもない。

しかし、現時点では一面の価値はないと思う。少なくとも、今読者が求めている情報としての価値は、一面には相応しくない。想像ですが、日刊スポーツとしては、今の段階から未来のスター選手を取り上げて、先見性の高さをアピールしたかったのではないか。

高校野球に過大な期待を抱くのは、日本の中高年の悪癖だと私は考えています。これじゃあ、スポーツ新聞が、次第に部数を減らしていくのもいたし方ないと思わざる得ない。市場が求めるものを提供しなければ、民間企業は生き残れない。こんな間抜けな報道をしている日刊スポーツを、真剣に心配したくなった週末でした。
コメント (4)
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