ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

「飽食日本」 陸拍t

2007-07-10 17:45:33 | 
6年ほど前に冷蔵庫を買い換えた。

長年使っていた冷蔵庫は、私が小学生の頃から家にあったもので、最新型に比べれば音も大きいし、電気も食ったと思う。故障して、冷えなくなったので、止む無く買い換えた。

近所の電器屋さんで買い入れたが、いろいろ商品を見て周り驚いたのが、冷凍室が昔より大きくなっていることだった。冷凍食品と電子レンジの普及を考えれば当然のことなのだろう。

ところが困ったことに、私は電子レンジを持っていない。冷凍食品もほとんど買わない。冷凍室に入っているのは、アイスノンと製氷ケースぐらいで、夏場にアイスクリームが置かれるのが関の山だ。

実は電子レンジが嫌いだ。どうも手抜きの感が否めず、臭いが気になるからだ。今の製品は臭いは大丈夫らしいが、やっぱり手抜き料理の印象は否めない。便利だと思うが、世の中多少不便なほうが頭を使うし、身体も使う。このあたりの頑固さは、おばあちゃん仕込みだ。

とはいえ、どの冷蔵庫も冷凍室は大きなスペースをとっていて選択の余地がない。一人暮らしに大型冷蔵庫を買うわけにもいかず、やむなく小型冷蔵庫で我慢した。

当初は不満だらけだった。なにせ野菜室が小さい。スイカはおろか、南瓜さえ切らないと入らない。大瓶の調味料も入らない。以前と同じ感覚でいると、あっという間に冷蔵庫は満杯になってしまった。こりゃマズイ。

致し方なく、こまめに買い物をすることで、冷蔵庫と折り合いを付けた。結果オーライというか、無駄な買い物が減ったのは確かだ。冷蔵庫の奥でミイラ化する野菜が、ほとんど無くなった。無駄なものを置く余裕がないのが良かったらしい。

ところで表題の本は、日本に留学した台湾の人が、日本の食糧事情に驚き呆れ、自ら調べ上げて書いたものだ。食料が溢れることに疑問を持たない普通の日本人には、耳が痛い話ばかりだ。豊かさとは、無駄にあふれることなのかと思わざる得ない。

最近は「もったいない」が流行り言葉のようだが、妙な話だ。私なんざ、おばあちゃんから耳にたこができるほど聞かされた言葉だ。高度成長以前の日本人には、当然すぎる言葉だったと思う。

再読した後、なんか悔しくなってきたので一言反論。文化は無駄から生まれるもんだい!
コメント (8)
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