下手なホラーより遥かに恐ろしく、おぞましくもある。
母親による児童虐待を、その被害を受けた児童自らが語ったのが表題の作品だ。ここまで人の心は病むものかと驚嘆せざる得ない。酒の影響が語られているが、酒だけではあるまい。一見幸せそうな家族を蝕む母親の豹変は、父親さえも破滅に追い込む。
結局、学校の先生が気がつき、救出されたが、虐待の悪影響はなかなかに抜けず、里親を転々と変え、施設にも送られた著者が立ち直れたのは奇跡にすら思えた。
著者が立ち直れたのは、短い期間ながらも幸せな家庭生活の記憶があったからだと思う。厳しい処罰や躾ではなく、暖かい抱擁と優しい言葉があったからこそ、立ち直れたのだと思う。
私は親からの虐待の記憶はないが、教師から阻害あるいは冷遇の目にあったことはある。どんなに厳しく罰せられようと、酷薄に接しられようと反省なんぞした覚えはない。信頼に値しない大人の言うことなんざ、聞く耳を持たなかった。
ギャンギャン騒ぎたてる先生を上目遣いに見ながら、俯いて反省のポースはとってやったが、内心早く終わらねえかなぁとぼやいたものだ。糞食らえと思っていた。今にして思うと、憎たらしい小学生だったのだろうな。
嫌だったのは、先生だけでなく、私が先生に嫌われていることを知って、虐めにかかる同級生だった。短気だった私は、すぐにぶち切れて喧嘩を始め、ますます先生に嫌われる悪循環だった。ただ、私は家に帰れば、優しい家族が居た。家族という逃げ場があったことは幸いだったのだと思う。
ただ、嫌いな先生の問題は、結局転校するまで解決しなかった。幸運にも転校先の先生は、まともだったので、私はたちまち良い子ちゃんに変身できた。でも、もし転校してなかったら?う~ん、なんかゾッとするな。
表題の著者は、結局里親のもとで更正することが出来た。児童虐待は、おそらくは戦争同様完全に無くすことの出来ない人類の醜悪な一面なのだと思う。無くすことは出来ないが、助けることは出来ると思う。里親制度、ソーシャルワーカー、奨学金などの社会制度的対応で、ある程度は解決出来ると期待したい。
大人が助けなかったら、子供だけでは解決できない問題だと思う。
母親による児童虐待を、その被害を受けた児童自らが語ったのが表題の作品だ。ここまで人の心は病むものかと驚嘆せざる得ない。酒の影響が語られているが、酒だけではあるまい。一見幸せそうな家族を蝕む母親の豹変は、父親さえも破滅に追い込む。
結局、学校の先生が気がつき、救出されたが、虐待の悪影響はなかなかに抜けず、里親を転々と変え、施設にも送られた著者が立ち直れたのは奇跡にすら思えた。
著者が立ち直れたのは、短い期間ながらも幸せな家庭生活の記憶があったからだと思う。厳しい処罰や躾ではなく、暖かい抱擁と優しい言葉があったからこそ、立ち直れたのだと思う。
私は親からの虐待の記憶はないが、教師から阻害あるいは冷遇の目にあったことはある。どんなに厳しく罰せられようと、酷薄に接しられようと反省なんぞした覚えはない。信頼に値しない大人の言うことなんざ、聞く耳を持たなかった。
ギャンギャン騒ぎたてる先生を上目遣いに見ながら、俯いて反省のポースはとってやったが、内心早く終わらねえかなぁとぼやいたものだ。糞食らえと思っていた。今にして思うと、憎たらしい小学生だったのだろうな。
嫌だったのは、先生だけでなく、私が先生に嫌われていることを知って、虐めにかかる同級生だった。短気だった私は、すぐにぶち切れて喧嘩を始め、ますます先生に嫌われる悪循環だった。ただ、私は家に帰れば、優しい家族が居た。家族という逃げ場があったことは幸いだったのだと思う。
ただ、嫌いな先生の問題は、結局転校するまで解決しなかった。幸運にも転校先の先生は、まともだったので、私はたちまち良い子ちゃんに変身できた。でも、もし転校してなかったら?う~ん、なんかゾッとするな。
表題の著者は、結局里親のもとで更正することが出来た。児童虐待は、おそらくは戦争同様完全に無くすことの出来ない人類の醜悪な一面なのだと思う。無くすことは出来ないが、助けることは出来ると思う。里親制度、ソーシャルワーカー、奨学金などの社会制度的対応で、ある程度は解決出来ると期待したい。
大人が助けなかったら、子供だけでは解決できない問題だと思う。