自分だけがヒーロー。
それが仮面貴族ミル・マスカラスだ。70年代にヒットしたロック・ソング「スカイ・ハイ」の音楽が流れると、さっそうとリング上に現われて、コーナーポストの上に立ち観客の歓声を浴びていたのがメキシコから来た覆面レスラーであるミル・マスカラスだ。
見事にビルドアップされた上半身の筋肉が見事だが、それ以上にカラフルな覆面に観客の目は引き付けられる。そして試合が始まれば、メキシカン・レスラー独特の関節技や投げ技を繰り出し、止めは高い跳躍から生まれる空中攻撃だ。
大人から子供まで幅広い支持を誇る人気者であり、メキシコでもアメリカでも、そして日本でも大人気であった。
ただ、私はあまり好きではなかった。試合が面白くないからだ。端的に言えば、正義の仮面レスラーであるマスカラスが悪役レスラーをやっつけるだけの試合であった。いかに華麗な技で、マスカラスが相手の悪役レスラーを唐キかだけが見所であった。
それが気に食わなかった。プロレスの試合は、相手があってこそ成立する。互いに力の限りをつくしてぶつかり合い、殴り合い、投げ飛ばしあい、技を決め合うことで盛り上がる。
ところが、マスカラスは相手レスラーを輝かす試合が苦手であった。自分の良い所だけを見せ付ける傲慢な試合ぶりが鼻に付いた。
ちなみにマスカラスは決して下手なレスラーではない。受身も上手いし、運動神経もかなりいい。ただ、自意識が強すぎて、相手の見せ場を作ることを厭う傾向が強かった。
そのせいで、同じプロレスラー仲間からの評判は良くなかった。本来なら潰されてもおかしくない傲慢レスラーでさえあった。しかし、潰されなかったのは、人気レスラーであるだけでなく、実力があったからだ。意外なほど喧嘩に強いレスラーでもあった。
メキシカンとしては異例の大柄なヘビー級の体躯であり、俊敏さ、技の多彩さがあるだけでなく、レスリングの実力も十分にあり、しかも気の強さから喧嘩も強い。
もっとも、同じ覆面レスラーの実力者デストロイヤーに睨まれ、怪我をさせられてからはデストロイヤーと同じシリーズで来日することはなくなった。
日本ではお笑いタレント役をこなした変り種だが、デストロイヤーはチャンピオンクラスの実力者であり、レスラー仲間からも人望は厚い。そのデストロイヤーに言わせると、仲間を思いやらない我が侭坊主を懲らしめただけだそうだが、プロモーターである馬場は苦りきっていたらしい。
マスカラスは確実に観客を呼べる、稼げるレスラーなので興業主である馬場にとっては大事な手駒だったからだ。以降、馬場はマスカラスを呼ぶときは、同行するレスラーの人選に頭を悩めたらしい。
そしてマスカラスは、相変わらず自分だけがヒーローを演じ続けた。
そのせいか、馬場の全日と猪木の新日が外人レスラーの引き抜き合戦をやった時も、マスカラスは蚊帳の外だった。対戦相手を光らせる名人であった猪木からすると、マスカラスの試合ぶりは評価に値しなかったようだ。
なんか悪口ばかり書いてしまったが、マスカラスのプロ意識は一流であった。常に自分がどう観客の目に映るかを過剰なまでに意識していた。とりわけカメラマンやTVカメラに自分がうまく写るように考えた試合をする名人でもあった。
私が試合会場に足を運んで驚いたのは、試合前にTVカメラの位置を確認しに来たことだ。そして自分でカメラを覗いて、どうリングが映るかを確認した上で、あらためて着替え部屋にむかって行った。
私はマスカラス以外で、こんなマメなことをするプロレスラーを知らない。人気レスラーであったのも当然かもしれない。
それが仮面貴族ミル・マスカラスだ。70年代にヒットしたロック・ソング「スカイ・ハイ」の音楽が流れると、さっそうとリング上に現われて、コーナーポストの上に立ち観客の歓声を浴びていたのがメキシコから来た覆面レスラーであるミル・マスカラスだ。
見事にビルドアップされた上半身の筋肉が見事だが、それ以上にカラフルな覆面に観客の目は引き付けられる。そして試合が始まれば、メキシカン・レスラー独特の関節技や投げ技を繰り出し、止めは高い跳躍から生まれる空中攻撃だ。
大人から子供まで幅広い支持を誇る人気者であり、メキシコでもアメリカでも、そして日本でも大人気であった。
ただ、私はあまり好きではなかった。試合が面白くないからだ。端的に言えば、正義の仮面レスラーであるマスカラスが悪役レスラーをやっつけるだけの試合であった。いかに華麗な技で、マスカラスが相手の悪役レスラーを唐キかだけが見所であった。
それが気に食わなかった。プロレスの試合は、相手があってこそ成立する。互いに力の限りをつくしてぶつかり合い、殴り合い、投げ飛ばしあい、技を決め合うことで盛り上がる。
ところが、マスカラスは相手レスラーを輝かす試合が苦手であった。自分の良い所だけを見せ付ける傲慢な試合ぶりが鼻に付いた。
ちなみにマスカラスは決して下手なレスラーではない。受身も上手いし、運動神経もかなりいい。ただ、自意識が強すぎて、相手の見せ場を作ることを厭う傾向が強かった。
そのせいで、同じプロレスラー仲間からの評判は良くなかった。本来なら潰されてもおかしくない傲慢レスラーでさえあった。しかし、潰されなかったのは、人気レスラーであるだけでなく、実力があったからだ。意外なほど喧嘩に強いレスラーでもあった。
メキシカンとしては異例の大柄なヘビー級の体躯であり、俊敏さ、技の多彩さがあるだけでなく、レスリングの実力も十分にあり、しかも気の強さから喧嘩も強い。
もっとも、同じ覆面レスラーの実力者デストロイヤーに睨まれ、怪我をさせられてからはデストロイヤーと同じシリーズで来日することはなくなった。
日本ではお笑いタレント役をこなした変り種だが、デストロイヤーはチャンピオンクラスの実力者であり、レスラー仲間からも人望は厚い。そのデストロイヤーに言わせると、仲間を思いやらない我が侭坊主を懲らしめただけだそうだが、プロモーターである馬場は苦りきっていたらしい。
マスカラスは確実に観客を呼べる、稼げるレスラーなので興業主である馬場にとっては大事な手駒だったからだ。以降、馬場はマスカラスを呼ぶときは、同行するレスラーの人選に頭を悩めたらしい。
そしてマスカラスは、相変わらず自分だけがヒーローを演じ続けた。
そのせいか、馬場の全日と猪木の新日が外人レスラーの引き抜き合戦をやった時も、マスカラスは蚊帳の外だった。対戦相手を光らせる名人であった猪木からすると、マスカラスの試合ぶりは評価に値しなかったようだ。
なんか悪口ばかり書いてしまったが、マスカラスのプロ意識は一流であった。常に自分がどう観客の目に映るかを過剰なまでに意識していた。とりわけカメラマンやTVカメラに自分がうまく写るように考えた試合をする名人でもあった。
私が試合会場に足を運んで驚いたのは、試合前にTVカメラの位置を確認しに来たことだ。そして自分でカメラを覗いて、どうリングが映るかを確認した上で、あらためて着替え部屋にむかって行った。
私はマスカラス以外で、こんなマメなことをするプロレスラーを知らない。人気レスラーであったのも当然かもしれない。
でも、デストロイヤーなら、えっへん!知ってます。何故なら昔、ご近所さんだったからです。昔、港区の某地に引っ越して間もなく、夜道を歩いていたら、遠くからぼんやり白いマスクを被った大きなおじさんがどんどん私に向って歩いて来て、私は恐ろしくて腰を抜かして泣き出しました。(笑)それがデストロイヤーさんでした。べそべそ泣いてる私に日本語で「恐がらせてごめんね」。彼は地元で沢山ボランティア活動をしていました。私が大ファンになったのは当たり前の事です。
そして、その近所にアメリカから来たプロレスラーが必ず訪れるバーってのがあって私はそこの常連♪プロレスラーの人達といっぱい楽しんだ覚えがあります。私はプロレスラー目当てではなく、そこのバーテンダー「松坂さん」のファンだったんです。小娘の私に対してもちゃんと対応してくれた彼。あんなバーテンダー、アメリカでもヨーロッパでもお目にかかった事なし。プロレスラー達も彼に惹かれて来てたんだと思う。
昔の思い出を呼び起こしちゃうヌマンタさん。いつもとんちんかんなコメントして御免なさい。
東京ですと、六本木や五反田、恵比寿あたりに外人レスラーのたまり場があることは知っていましたが、あの頃はこわくて行けませんでしたね。
脱線はぜんぜんかまいません。私自身が脱線、寄り道の常習者ですから。