マスコミって奴は、いつも上から目線だ。
しかも非難することこそが、報道の原則だと思い込んでいる。海外はいざ知らず、日本のマスコミの特徴は、持ち上げて、突き落すことだ。思い出して欲しいのだが、今まで何人もの時代の寵児が、このマスコミの手口に騙されてきた。
現在、マスコミのネタとして利用されているのが、日本代表監督のザッケローニである。ワールドカップの最終予選を首位で通過した際は、選手のレベルが上がっていない、新しい選手の登用に否定的だと非難してきた。
そして先月のコンフェデレーション杯では、三戦全敗はサッケローニ采配にありと非難し、更迭まで求める有様であった。そして代表のレギュラー選手を休ませ、ほとんどの選手を初選出で臨んだ今回の東アジア選手権。
結果は既にご存知の通りの初優勝。ただし中国には3―1から同点に追いつかれ、オーストラリアには勝ったものの2失点。韓国にも勝ったものの劣勢を余儀なくされ、やはり1失点。コンフェデでの守備の失策も絡めて、ザッケローニの指揮力へ疑問を呈するのがマスコミ様だ。
一応、マスコミの言い分にも理はあるように思うが、私からすると重箱の隅をつついているに過ぎない。
最終予選でメンバーを固定したのは、予選通過のための当たり前の選択に過ぎない。コンフェデでの敗退は、むしろ予測の範囲内であり、アジア予選から本選へ向けての切り替えのため、欠点を曝しだすことのメリットのほうが大きい。
そして、レギュラー選手を使わずに国内選手のみでまったくの新チームで臨んだ東アジア選手権での失点も、むしろ当然だろう。現代サッカーの守備は組織的にやるのが常識で、新しいメンバーで守備を組む以上、失点がいつもより増えるのは必然でさえある。
むしろ事実上、二軍のメンバーで優勝したことは、私からすればザッケローニ采配の正しさを証明したように思える。もちろん問題や課題はある。それを認めた上で、なおかつ断言するがこの3年間をザッケローニに任せたことは正解だったと思う。
一応言っておくと、日本の実力はワールドカップ本戦において、予選グループを突破できるかどうか微妙な下位チームだ。南ア大会でのベスト16は、地元アフリカ勢の自滅と、現実を直視して弱者の戦法(ひたすら守ってのカウンター攻撃)に徹した岡田監督と選手の自覚と団結あっての幸運な偶発的結果だと思う。
次のブラジル大会でも、予選突破の3番手、4番手扱いであるのが、今の日本の現実だ。
その弱者の日本をいかに底上げできるかが、ザッケローニに託されている。既に基本のチームは出来上がっている。後はそこにどれだけ新戦力を投入して活性化できるかどうか。
それが分かっているからこそ、ザッケローニは今回、代表初選出の選手を中心に東アジア選手権に挑んだはずだ。守備が固まらず、失点を重ねることは計算済みであったと思う。マスコミの非難がいかに的外れか、よく分かると思う。
ところで期待の新戦力は見つかったのか?
まず以前から注目されていたFWの柿谷だが、その得点力は期待できる。が、岡崎、前田に替わり得るほどかは疑問だ。また頑丈な身体でポストプレーを期待されている豊田だが、予想よりは良かった。もしかしたらハーフナーよりもいいかもしれないが、欧米や南米相手に通じるか。少し疑問が残るが試してみたい好素材だと感心した。ちなみに本田圭介の高校の先輩にあたる。でも本田ほどは強くない気がする。
中盤は予想通りで、強いて言えば今大会MVPの山口が良かったが、遠藤、長谷部、細貝らに替わるほどでもない。守備陣も同様だが、森重の対人能力の高さは悪くない。GKはいつも川島の控え扱いの権田、西川がほぼ実力通りの安定したプレーを見せた。でも、それだけ。川島を脅かすほどではない。
つまり、現時点でレギュラー選手に割っているほどの新戦力はいなかった。が、レギュラー陣に危機感を覚えさす刺激にはなったはずだ。なにより国内組だけでアジアの二強(韓国、オーストラリア)に勝てたことは十分評価できる。
私は近年、ACLで敗退が続くJリーグの実力が落ちているのではと心配しているが、思ったよりは実力は落ちてないようだ。その点は安心できた今回の東アジア選手権でした。
そしてあまり知名度がないJの若手選手たちをじっくり観れたことも楽しかったですね。特に大迫と斉藤は、直にそのプレーを観たいと思いました。機会があったら久しぶりにJリーグの試合を観たいものです。
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