霧が深い。そのせいと、景色から牛の姿が消えてしまい、着いたばかりの小屋の中で、やることはあるのに途方に暮れたような気分を味わっている。
取り敢えずきょうの午前中は北原新道の草刈りをして、午後はまた新しい撮影の件で打ち合わせがある。
これは北原新道の登り口を少し広めに草を刈った写真で、上がり段の横木も大分古くなり痛んだ。きょうの草刈りは途中にある間伐のための作業道までとしたが、やり出す前に考えていたよりかも作業は捗った。昨年、かなり丁寧に刈っておいたから、クマササはほとんどが今年成長したもので、その密集の度合いも昨年ほどではなかった。一部にはクマササに代わって別な種類の草が生えていた所もあり、そういう植生の変化を目にすればささやかながら報われた気になる。
草刈りが終わったら少し道の補修もやりたいが、どこまでできるか分からない。牧場内には実生から生えた落葉松がかなり大きくなったのもあるから、間伐して皮を剝いておけば何かと利用できただろうに、今からでは遅い。来年の課題になる。それでもあれだけ登り口が目立つようになったから、高座岩へも寄り道しようとする人が増えるかも知れない。そうなれば、この山道を苦労して作った北原のお師匠が喜ぶ。
今月の1日は牛の下牧の最終日と重なり伊那市の職員が3名視察に来て、牧場の一部とテイ沢の案内をした。その際、とにかく道標だけはしっかりとしたものが必要だと言っておいた。きょう北原新道を横切る作業道の端に、文字の薄れた案内版を見付けてそのことを思い出した。何年か前に作業道を登山道と間違えた人がいてそれで急遽作ったものだが、風雨に晒され支柱はなくなってしまっていた。そんな粗末な案内板を誰かが、風で飛ばないように石を載せて置いてくれてあった。
この週末、天気は期待できそうです。
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