
Photo by Ume氏
ここへ来れば、今ならこういう風景を恣(ほしいまま)にすることができる。今年はまだ牧草が枯れず新鮮な緑色のせいか、いつもの秋よりかここら周囲の印象が明るい。遠くの霧ヶ峰や車山、さらにその奥に見えている美ヶ原の牧草地と思しきも、初夏に向かって緑色になるのに随分と手間取ったが、今はすでにその色を失って黄土色であったり、赤茶けた色に変わってしまっている。
カエデやモミジの赤や朱の色も、心なしかその衰えを見せ始めた今、その中で牧場の縞状に並ぶコナシの葉もすっかり落葉した。その樹木だけになった列がくすんだ赤いワイン色を帯び、牧草の緑によく映える。このころと、6月の白い花を一斉に開花させた時季のコナシは、性悪女になぞらえたりするのを控える。

10月は台風襲来などの悪天が続き、予約取り消しが続いた。それでも彼らは予定通りにやってきた。そして今回も男4人で、いい秋を楽しんだようだ。第1牧区へ案内したら、大きな歓声を上げていた。かんとさんも昨日来て、いつものように一人で星の撮影に励み、先程帰った。
きょうから伊那側は、「千代田湖」から「枯れ木の頭」経由「オオダオ(芝平峠)」間が通行止めになった。毎年今ごろになって始まるわずか100メートル程の道路の補修工事のためだが、迂回路は1本、金鶏山を東に巻く道しかない。この山道は何百メートルもすれ違いができない区間や、悪路が続き、できたら通勤路にはしたくない。ただし、紅葉は圧巻と言っていい。
いつも使っている芝平経由の市道は、19号台風の影響で現在通行止めになっていて、いつ通行できるようななるのかは不明。道路補修はこっちを優先してもらいたいくらいだ。もう一つある、戸台から来る小黒川林道などは、全く問題外である。
11月の5日からは富士見パノラマの営業が定期点検のために1ヶ月くらい休止され、道路も凍結や降雪などが確認されればたちどころに通行禁止になる。そうなると、残された方法は富士見側からだと、ゴンドラの営業再開までは「沢入り」から歩くしかないだろう。
しかしようやく、入笠山一帯は静かな山に還って、冬支度を始めることになる。
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