昨日、ヒルデエラ(大阿原)からテイ沢へ下る入り口に、丸太橋が流れたため通行を控えてほしいと注意書きした札を立てた。そしてその後、前日の13日は下から4番目の橋が流れてしまっていてそれ以上は進めなかったから、今度は上から行ける所まで下ってみることにした。その際の「行ける所まで」とは、足を濡らすようなことまではしない、つまり流れの中には入らないということにした。まだ水量はかなり多く、流れも速く、いい年をして流されたりしたらみっともないと、まあそうした体面を時に人は第1優先で案じたりする。嗤った。
ひっくり返った橋、右側の岩の先端に据えてあった
下から5番目、跡形もないとはこのこと
結論から言えば、流された橋:3か所、要大補修:1か所、要補修:3か所、ほぼ無傷と無傷:2、となったわけだが、さてどうするか。
流された橋の中には、これは下から7番目だが、写真のように流れ止めのロープで止まっている丸太橋もある。それでも元の場所に据えるとなればここは、見た目以上の苦労を覚悟しなければならない。流された橋の中でも最優先は下から4番目、夫婦が淵に架かっていた橋で、これを何とかしなければ上には進めないし、下れない。この橋は正確には大小二つの丸太橋の組み合わせで、昨年に最も力を入れ、入魂して改修し、補強したつもりだった。それだけに、再び同じ気持ちになれるのか。ついでに言えば、この橋が流れたのはこれで2度目。もう何年前になるのか、いろいろな友人知人に協力してもらい9カ所の橋をすべて架け終えて10日もしないうちに、この橋も含め7カ所の丸太橋が、今回のような大水で流れたことがある。
下から5番目の橋は、これまた呆気なく流れたもので、テイ沢にある丸太橋のうちで水面からはこの橋が一番高く、橋の長さも5メートルと他よりも1メートル長い。そのため渡るのを怖がる人がいて、今年夏を前に手摺を付けたのにこの有様だ。
沢の中を歩きながら、今後のことをあれこれと考えた。しかし今はあの15,19号台風で生命を落とした人を始め、多大な被害に苦しむ人がたくさんいる(台風の進路からすれば、千曲川が氾濫するなどと誰が予想しただろうか!)。そう思えば、たかが山の中の1キロばかりの沢に架かる丸太橋、そんなものが流れたからといって狼狽(うろた)えてはいけない。
K戸さん、ありがとう。本当にそうだね。あなたたちも何もなくてなによりだった。今は戦いの後のような静けさ、美しい。
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