入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’19年「秋」 (49)

2019年10月29日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 きょうで二日目、最早「通勤」とは言い難い悪路を、いつもよりか時間をかけて来た。救いは、山道から眺める、小雨に濡れながらもその風情を失わない色とりどりの木々の葉で、また一段と渋味を深めたようだ。雨は大したことないと予測して来てみたのだが、結構本降りになってきて、この雨で落葉はさらに進むだろう。
 管理棟の部屋から見える落葉松の林も、その葉が焦げ茶色から徐々に薄れ、黄色に変わりつつある。権兵衛山の東側半分はきょうも雲の中だが、珍しく山頂も電波塔も見えているおかしな天気だ。昼になっても気温は8度までしか上がらない。
 
 10月月はもっと長いと思っていたが、呆気なかった。昨日の帰り、東部支所に立ち寄り、所長から懸案だった小屋や周辺の漏電の点検が11月の7日になると知らされ、忘れないようにと今カレンダーにそのことを記した。そして、改めて7日というのが11月のことで、それもすぐそこまで迫っていると今更ながらに気付いた次第。何故か理由もなく、11月はもっと先だと思っていた。
 10月は紅葉に染まり明るく、温もりがあって穏やかな印象だが、11月月はもう思い浮かべるだに、情景がどうしても暗く冷たい。枯れた寂しさであり、それも決して悪くはないが、もう季節は秋よりか冬に近く、牧を閉じるための仕事が背中を押すようになる。冬支度を始めるうちに、月の半ばには初雪が降るかも知れない。
 そんなことを思っていて、それに反し、10月初日に牛が山を下りてからは大分長い時間が過ぎたとも感じた。8月から断続的に続いた映画の機材撤収、その後2本の撮影なども、遠い日のことのような気がする。
 結局、当然ながら10月は、まだ僅かに日を残すが、31日あって、その間にはそれなりのことがあった。覚えている。しかし今年は、台風や大水などの災害が、あの暴雨さながらにその他の記憶も一緒に遠くへと押し流してしまい・・・、と言いかけて、それは違うと思った。時間の経過はそんなふうにいつでも短かったり長かったりと二重性があり、それは振り返った時に感ずる人生と似た想いだと、言い直しておきたい。

 雨はいっこうに止みそうもなく、ゆっくりと帰ろう。明日からしばらくはいい天気になるらしいから、TDS君には都合のいい日に、未完成のテイ沢の橋を歩いて、是非とも意見を聞かせてもらいたい。

 営業案内 「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」およびその(2)です。下線部をクリックしてご覧の上、どうぞご利用ください。
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