入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「春」 (1)

2020年03月07日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
 

 昨夜いつもの散歩に出たら、帯状の飛行機雲が西に傾きかけたオリオン座の三ツ星を横切るように見えていた。暗い空を黒板に見立てチョークを横にして描いたようなその雲も、西に向かっていた。月齢11.5の光がなければ見えない思いがけない夜空は、同時にまた、冬の星座が去っていくことを告げてもいて、長かったか短ったか、これまでの冬ごもりに感謝しながら、きょうより独り言の題名を新しくすることに。

 一緒に冬を越したHALがすっかり痩せてしまった。口の悪い飼い主は時々「骨犬(ほねいぬ)」などと呼んだりしている。先日獣医に見せたら、血液や病原菌の検査をしてくれ、体温が1度ばかり高いこと、白血球が標準よりも少ない点以外は、腎臓や肝臓なども正常で、心配ないと言ってくれた。そして、これまた何かのウイルス感染を疑い、抗生物質を含む2種の薬を貰って帰ってきた。
 最近は常食していた餌に飽きたようなので、卵や牛乳、野菜スープや、骨に注意しそれに使ったチキンなどを加えて与えていた。1日2回の薬はソーセージにでも詰め込んでやればいいと聞いたからそうした。ところが最初は問題なかったが、このごろ吐しゃした跡を目にするようになって、今はパン食に換え、しかもこの三日ばかりは牛肉のもも肉を焼いて食べさせ、様子を見ている。
 ここまですれば、飼い主とHALの関係は”強い絆”で結ばれていると思われるかも知れないが、正直を言えば自信はない。単に餌を与える側と貰う側の関係でしかないのではと疑うほどで、14年の付き合いの中で培ったものの手ごたえはあまりない。飼い主の気紛れが、短気が、気弱な犬をそうさせたかも分からない。
 HALは賢くて、従順な犬だ。この冬はとうとう連れて行かなかったが、これまでは13年間決まって雪の法華道を牧場まで一緒に歩いた。道中で何か獲物を見付け離れても、すぐに帰ってきた。飼い主は飼い犬を信頼していた。にもかかわらず、である。
 確かに、川上犬らしからざる気弱な面を飼い主は嫌い、犬は賢さゆえに侮れない目で不完全な飼い主を観察し、それを態度で訴えてくるように感じた。今になってそう思うだけかも分からないが、早死にした小太郎とも、キクとも、もっと単純で無邪気な関係だったと、つい比較をし、思ってしまう。
 とにかく、回復の兆しはないが、できるだけのことはすると昨夜言った。今はまた日向ぼこをしている。何を思うのやら・・・。

 またしても仙丈岳を千丈岳をと誤記してしまった。これで二度目になる。山頂が岩でなく土だと言ったり、隣の大仙丈岳の方が主峰に相応しい風格があるなどと悪口を呟いたこともあるが、下から眺める限り仙丈岳の山容は群を抜いているという思い、それはずっと変わらない。

 以上、本日もお粗末な独り言。
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