入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’20年「春」 (4)

2020年03月11日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 青空に大きな雲が幾つも浮かんでいる。気温は17度、ストーブがなくても寒くはない。きょうは東日本大震災から9年が過ぎ、ここらでも酷かったあの時の揺れを改めてを思い出している。9年の歳月が過去へ引き連れていったものもあれば、破壊された原子力発電所のように、まだ多くの大きな不安と、課題を残しているものも多い。
 
 核戦争、気候変動、AIや生物工学について、政治家がどのような考えを持っているかを問うべきだと、イスラエル人の歴史学者ユウ”ァル・ノア・ハラリは著書「21 Lessons」に書いていた。しかし、こういう方面のことについて、日本の政治家はあまり発言していないような気がする。加えて当然、党利党略もあるだろう。
 福島原発で出た高レベル放射能廃棄物の対応が良い例だが、この頭の痛い問題を長い目で捉え、考えている政治家がどれほどいるのだろうか。「桜問題」などもやるべきだと思うが、しかしこれに関する論議のみで、政治家としての適否を判断するのは適当ではないだろう。野党にしても、汚染水一つをとっても、海に流すことに反対なら明確な考え、対案を出すべきで、与党に対してお手並み拝見的に構えているようで心許ない気がする。
 そこへ行くとフィンランドなどは、10万年先までを考えた放射能廃棄物の半永久的な貯蔵施設「オンカロ」を地下に建設し、その施設の表示をどうするかまで議論している。そんな遠い未来の人類が、果たしてフィンランド語や英語の表示を読めるか分からないから、というだけでなく、将来貯蔵物が悪用される可能性も考えて、表示すること自体が適切であるかどうか、ということまで考えている。
 地球温暖化についても、この国の政治家はわが国の公害対策の技術的に優れた面を強調するばかりで、後に続く世代の人々の暮らしについて本気で心配し、考えているのか不安になってくる。火力発電は稼働しているし、原発への依存を止めようとはしていない。目先の電気料の値上げを心配するのも分からないではないし、国策に沿って多大な費用をかけて造った原発である。考えられる限りの安全対策もしただろうし、さらに地元対策や政治家対策という難仕事をこなし、今となっておいそれと止められるような簡単な話ではないことも分かる。原発関連の廃棄物処理についてはこの国の地質的な問題などもあり、専門家でも意見が分かれる。素人が軽々に云々できることではない。
 しかしそれでも、オンカロの建設に関する議論のように、10万年先までを見据えた意見、考えをこの国の政治家から聞いてみたい。個人的には、そんな未来まで人類が今のままの姿で存続しているとは思っていないが。

 以上、本日もお粗末な独り言。
 

 

 
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