
きょうは雪が降っている。舞っている、と言う方が正しいかも知れないがそんな程度で、この季節の気紛れに驚くことはない。去っていく冬の切ないあがきは毎春のことで、それが桜の開花にも一役買っているのだそうだ、文句などない。むしろ春が来ても、明るい光や草花にせかされながら閉じ籠りを決めているひねくれ者にすれば、せかせかと過ぎていく時の流れに、ちょっとした一服感を感じて喜んでいるというのが本音だ。
伊那市は毎年高遠城祉で開催していた桜祭りを、今年は中止することにしたそうだ。理由は言うまでもなく、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するためで、それにしても些か驚いた。この決定は直接であれ、間接であれ、いろいろな方面にかなりの影響が出ることが予想される。同意する者もいれば、反撥する者もいるだろう。公園内への入場は可能のようだが市の観光課は「遠慮して欲しい」と言う。各種の催しも中止され、いつもなら入場料がかかるが今年は無料らしい。それで果たして人は遠慮してくれるだろうか。
桜と言えば、一昨日だったか、東京では開花宣言が出た。昨年はそれが出た時偶々上京していて、それで記憶があるが、確か21日か22日だったはずで、今年は1週間は早いことになる。泊まっていたホテルが靖国神社の近くにあり、境内を通り抜けようとしたら宣言を待つたくさんの報道陣が指標木の傍にいた。ついでながら一昨日紹介したボケの白い花は、調べたらこちらは2週間も早かった。ならばカタクリの花も、と思うがまだのよう。
きょうのような天気には、どんな写真を選べばよいかと大いに迷った。いまさら雪景色もどうかと思うし、さりとて光溢れる春めいた青空というのもきょうのこの空模様ではしっくりしない。この写真なら納得できるのかと聞かれては困るが、意外と苔の色が生きいきとしていてちょっと驚いた。先日、上に行ったときに撮ったものだが、この時季だから余計にそう感じたのかも知れない。
牧場の仕事もあと1ヶ月と少々すれば始まる。毎春出掛けた東京だが、今年は止めた。花を求めてあちこちを訪ね回ったこともあったが、それもしない。もう、待つのは入笠の春だけで、それも、できるだけゆっくり来て欲しいと思っている。
以上、本日もお粗末な独り言。