一昨日は身延の花に浮かれ、昨日は伊那谷の春宵一刻値千金を湯豆腐で飲んだ。きょうも素晴らしい天気で、今頃になって諦めていたカタクリの芽が顔を覗かせるようになった。庭の白いボケの花も大分花を咲かせ、その様子を眺めながらつい一杯、と思った気持を抑えている。きょうぐらいは夕暮れまで身を慎んでいた方がいいと考えたからだが、それは個人的なことで新型コロナとは関係ない。
コロナと言えば昨日の新聞だったか、思いもよらぬあの防衛大臣が、「クラスター」、「オバーシューティング」、「ロックダウン」などのカタカナ語使用に苦言を呈し、それに何人かの国会議員が同調していたと報じていた。
改正国有林法が4月に施行される。数百ヘクタールもの国有林を、民間業者に50年にもわたり伐採や木材の販売権を与えるというもので、その後の肝心な植林は何故か当該業者の義務ではなく、農林大臣が業者に「申し入れる」ということらしい。これを提唱したのは未来投資会議の議員で構造改革徹底推進会合会長の竹中平蔵氏である。
このことは前にも呟いた。国有林に足を踏み入れたことがあるのかどうかは知らないが、複数の政権で大臣まで経験した経済学者なら、もちろん国有林の実態を知悉し、その上で卓越した頭脳から生まれる高邁な理念が政策に反映され、今度は林野行政にも生かされ実行されていくだろう。記憶に残るところでは労働者派遣法に大鉈を振るい、今日のような労働形態を作り出すことに見事に成功した。政治にはこれまでも多々関与したが、今も政治とは縁が切れていない。
今度は国土の3割以上にも及ぶ国有林の「改革徹底推進」である。しかし、この大改革により眠っていた国有林は活性化し、有効利用され、日本経済にも大きく貢献することは疑いない、と見てもいいのだろうか。この結果が出るころには経済学者はとっくに草葉の影の人となってしまているはずだから・・・、なんてことはないだろう、いくら何でも。
入笠の小黒川流域にも広大な国有林があり、この頃では皆伐された痛々しい山肌が目に付くようになってきた。あの急な斜面に残された切り株や根が腐れば、土留めの役はもう果たせなくなってしまう。崩落の危険は高まる。しかし、一体誰が植林するのだろう。伐るよりも、植える方がはるかに手も掛かるし、費用も要る。自然林に戻すにしても長い年月が必要となる。
それでもあの人なら、そんなことはどれも想定内だと一笑に付すかも分からない。
本日もお粗末な独り言。