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朝風呂に入っていてふと思い付いた、上に行ってみようかと。格別な予定などない。天気も良さそうだし、そう思ったらゆっくり湯の中に浸かっている気になれず、中途半端な思いをしながら飛び出した。毎年、ひな祭りやその前後には決まって上に行っている。昨年は3日だったが日帰り、その前の年は2日、3日と、どうやら上で1泊しているようだ。しかし、もう、全く記憶はない。(3月4日記)
雪は思っていたほど大したことが無かった。峠に出た所で思案するつもりでいて、轍がそれほど深く掘れていなかったせいもあり、そのまま上に向かった。そして思いがけずも、歩いて下ってくる若い男二人の登山者と出会った。釜無、白岩、横岳を目指したが雪の状態が悪くて釜無を過ぎた所で断念したと言う。車は杖突峠に置いてきたとのことで、そこまでの距離の長さに同情して、もし引き返してくるようなことになったら送って上げると言って別れた。
結局彼らとは「歩いて行けますから」の言葉を信じて、とりあえずは二人のことは心配せずに行ける所まで行くことにした。
焼き合わせを過ぎて、ド日陰の大曲りに行くまでにも難所がある。そこで引き返した車の跡を横目に、さらに進んだ。日が射さず、雪の量が一気に増える所で、一瞬だが先に行くのを躊躇した。そこを過ぎるとしばらく方向転換ができなくなるからだ。それでも後は一応先が読めるからと、強行することにした。
途中、結構難しい雪道もあったが、それでも何とか弁天様の三叉路までたどり着いた。そこで車を捨て、小屋までは歩いた。思いの外雪が締まっていてツボ足でもあまり潜ることもなく進めたが、それでも鹿の足跡ばかりで、しばらく人の通った様子などはなかった。
丁度1ヶ月ぶりの牧場、それに気付いても久しぶりという気もしなければ、さりとてここで14年の月日が流れたと思うほどの感慨も湧いてこなかった。冬ごもりの日常から、すっと一挙に牧場の生活に入ってしまったような錯覚、まだ1ヶ月以上も先になるというのに、気分は普段ある牧場管理人の日常に戻ってしまっていた。
上から戻ってしばらくしたらTKJ君から電話が入り、木曽まで蕎麦を食べに行かないかと言う。塩尻を回って狭い木曽の谷に入るも、covid-19のせいだろう目当ての店は営業しておらず、帰りは権兵衛トンネルを抜けた。片側通行だと思っていたら、崩落個所は修復されていた。遠っ走りして、ようやく落ち着いた所は伊那、嗤う。
夜はいつもの散歩に出て、いつにない行動的な一日がようやく終わった。歩行距離約1万4000歩。本日はこの辺で。