入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’21年「春」(21)

2021年03月26日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 これだけ慣れ親しんだ山室川も、芝平では数少ない平坦地「オイデエラ」以外は、滅多にしか流域には近づいたことがない。きょうの写真の場所も、14年間にこれがたったの二度に過ぎないはずだ。釣りでもすれば、釣果にはあまり拘らずに、こんな渓流の中を歩いてみるだけでも満足できるだろうにと思う。
 ただ、生き物の捕獲を遊びや趣味の対象にはしたくないので、10代のころの記憶はあっても、その後にある一夏だけ、友人に鮎の友釣りに付き合わされたくらいか、他に覚えがない。黒部の上の廊下に入渓した時、同行者の一人が釣り好きだったから何匹かのイワナをご相伴に預かったけれども、自分から釣り糸を垂らすということはしなかった。
 牧場の南門から下っていけば小黒川が流れ、ここへも多くの釣り師が遠くからもやって来る。このゲートが小黒川の崩落で閉鎖されている間は、そこから歩いて行くだけならまだしも、オートバイや自転車まで持ち込む人たちまでいる。釣りも結構人を狂わせるようだ。
 
 生き物を遊び相手にはしないと言っておきながら、鹿は随分と殺したはずだと言われれば、それは間違いない。先日も猟友会から牧場内の囲い罠についてや、あの辺りの鹿の状況についての問い合わせがあった。これは趣味や遊びではなく、牧場の管理上の仕事と決めて止む無くやって来た。
 ところが昨日は、1頭の鹿の姿も目にすることがなかった。冬でもこんなことはまずない。もしかすれば他の山域のように、鹿が居なくなったかも分からないと一瞬思ったが、これはまあ、あまりにも楽観的過ぎるとその淡い期待をすぐ打ち消した。

 渓を割って流れ下る清冽な水は本来は色を持たないはずだ。それでいて、飛沫を上げ白濁する急流ばかりか、緩やかに流れ下る場所でも光線の加減や、川床の岩や石によって、自然が微妙な着色を加える。水が澄んでいればいるほどその色遣いが冴えてくるから、絵に譬えれば山室川のような清流は第一級の作品と言っていいだろう。これからさらに光の明度が上がっていき、川面に写る木々の芽吹きも始まる。巨匠の奥義を今年も存分に鑑賞することができるだろう。
 
 そう言えば、高遠の桜が一部開花した。一昨日、それを入笠の往復の際に確認した。
 かんとさん、昨夜BSでタカハシの望遠鏡の制作現場を紹介してました。アメリカでも評価が高いのだと。上にあるあのタカハシの望遠鏡も、もっと大事にしないといけないですね。
 本日はこの辺で。
コメント
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