入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’21年「春」(14)

2021年03月18日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨夜はいつもの散歩の順路を変えて、久しぶりに「六塚(むつづか)」を通り、その後半は丁度彼岸入りということもあって、縁のある3カ所の墓地を回った。道中で印象に残ったのは上弦の三日月で、その頼りない光を頼りに森の中を歩き、さらに墓前では返答のない人々に語り掛けてきた。
 口碑によれば「六塚」も、いつの時代だったかは知らないが、その名の通り塚があったと伝えられている。子供のころは隣の「手良」の集落へ抜ける近道だったが、夜間に通ることはなかった。今は昼でもここを通る人などまずいないから、踏み跡がかろうじて残るだけの山道になってしまっている。



 今朝も気持ちの良い朝だ。ストーブを点けたまま、早春の気を入れたくて窓は開け放している。今ボケの花を数えてみたら7個ほど咲いている。桜の開花は平年よりか1週間ほど早まるとの予報だが、この花は例年通り、というか少し遅いかも知れない。
 晩年はこの花を眺めながら、老夫婦が縁側で茶を飲みながら何事かを語る、そういう姿を想像したこともあった。どうせ遠慮会釈もない文句を言われるぐらいだろうが、この年齢になってもそんな時はこなかった。野良で友人夫婦が一生懸命に農作業をしている様子を目にすると、内実はどうであれいいものだと思う。少なくとも、男女の性差を受け入れているから、双方にねぎらいもあれば、労りもあるのが分かる。
 同性婚などというこれまで日本語になかった言葉が堂々とまかり通るのに、釈然としないものを感じてしまう。一方では「伝統、文化を大切に」と言い、他方では「改革、多様性」が重く語られる。

 そうそう、夜間に墓地へ行くなどはいかがなものかと注意された。人が見たら幽霊と間違えられてしまうだろうに、と。確かにそうだ。気味が悪くないかとも聞かれるが、それはない、でござる。本日はこの辺で。
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