■2018年1月4日に安中市内全戸に新聞折込された岡田義弘・前市長のお馴染みの意味不明の後援会報について、裏面(こっちが表か?)に同氏の若かりしころの顔写真が大写しのカラー印刷で映っており、今年4月の市長選を睨んで早くも選挙モード突入か?と市民の度肝を抜いた同氏の果敢な宣伝活動に、ザル法とはいえ果たして公職選挙法等に照らして法的に問題や課題はないのかどうか、法に抵触しかねない点があるとすればどのようなことなのか、群馬県内の選挙管理をリードする県選管に問い合わせてみました。読者会員の皆様の参考になれば幸いです。
↑左上に「室内用」と書かれた立候補予定者の個別氏名と、社会通念上、投票行動としてこれを見る限り誰しも来る4月に執行される市長選を想起させる選挙ポスターもどきの候補者の修正写真。これが1月4日安中市内全戸に新聞折込で配布された。↑
*****送信メッセージ*****
From: masaru ogawa <ogawakenpg@gmail.com>
日付: 2018年1月5日 19:05
件名: 安中市長選を控えた戸別訪問と文書配布の法的解釈について(ご質問)
To: senkan@pref.gunma.lg.jp
群馬県選挙管理委員会 御中
ご承知のとおり私の居住する安中市においては、4月8日公示、4月15日投開票で安中市長選挙が実施される予定です。
すでに、現職の茂木英子市長が昨年9月15日の市議会本会議と同27日の定例記者会見の場で出馬表明をしております。
一方、前市長の岡田義弘氏は、昨年来、旧松井田町を手初めに、旧安中市内を戸別訪問し、チラシ等を配布しており、私の自宅にも昨年12月30日午前11時ごろ訪れて出馬報告をするとともに、市政、とくに碓氷病院と東邦亜鉛公害防除特別対策事業などについて30分ほど話をしていきました。
そして、年明けの1月4日の東京新聞朝刊の新聞折込みを見ると、岡田義弘氏の後援会報として裏面には同氏の写真を掲載したポスターが印刷されたB4変形サイズのチラシが入っていました。
そこで次の疑問があります。大変お忙しいところ恐縮ですが、貴会の見解をご教示くださるようお願い申し上げます。
<1.戸別訪問について>
質問1-1:
家を一軒ごとに訪問して投票を頼んだり、演説会や候補者の氏名の宣伝をする戸別訪問は、公職選挙法(第138条 第1項、第2項)で禁止されているはずですが、岡田義弘氏の上記の行動について、問題はありませんか。
質問1-2:
選挙運動期間中の戸別訪問と、選挙運動期間以外に行う通常の政治活動としての戸別訪問について、それぞれどのような問題があるのか否かをお聞きしたいと思います。
質問1-3
また、もし同法に違反していると判断される場合には、どのような罰則が適用される可能性があるでしょうか。
<2.文書配布>
公職選挙法142条1項では、公職選挙法で列記されたもの以外は、選挙運動のために使用する文書図画を頒布してはならないと規定しています。また、公職選挙法143条では、選挙運動のために使用する文書図画は、同条各号で認められているもののほかは掲示することができないと規定します。そこで、「文書図画」および「頒布」の意義が問題となります。
選挙期間中のポスティングについては、私自身、警察から「文書違反」の警告を受けたことが有ります。一方で、政治的な主張を広く知らしめるには、やはり文書の配布が一番効率的であるのも事実です。
政党に所属していて、政党が主導したチラシは、新聞折込みなど「不特定多数」への文書配布ができるようです。そこで、質問があります。
質問2-1:
実際、選挙が近づくと、政治活動のチラシやらパンフレットが頻繁に山ほど入ってきます。これらは選挙運動の「事前運動」に当たるのかどうか、いつも疑問なのですが、政治活動という解釈が適用されるという判断が当てはまれば、問題ないのでしょうか。
質問2-2:
今回の岡田義弘氏のポスター付き後援会報については、文面を読む限り、また、戸別訪問における出馬意思の表明と併せて考えますと、立候補を念頭としたものであると考える選挙民は多いと思います。
しかし、実際には岡田義弘氏は未だに正式に出馬表明をしているわけではなく、正式な候補者、つまり立候補者とは、公示または告示日に立候補が受理されて初めて成立するわけですから、それ以前の場合は立候補を予定しているだけでは、候補者とは言えないわけで、そうなると選挙運動でなく政治活動であるとも解すことができます。
但し、事前運動の規定としては、マスコミなどで立候補の意思を表明している「立候補予定者」も対象となると記されています。
今回の、岡田義弘氏のポスター付き後援会報の新聞折込みは、不特定多数への文書配布として、公職選挙法に照らして問題があるのでしょうか。それとも問題ないのでしょうか。
誠に恐縮ですが、1月12日(金)午後5時までにご返事を賜れれば幸いです。
安中市野殿980番地
小川賢
※メール添付:PDF ⇒ 20180104co18vtate.pdf
**********
■6日後の1月11日(木)に、群馬県 総務部市町村課選挙・政治団体係にある群馬県選挙管理委員会の担当者から、次の見解が回答として寄せられました。なお、赤色の箇所は当会がポイントと思しき部分をわかりやすく示すために付記したものです。
*****受信メッセージ*****
From: 茂木 直人76 <motegi-na@pref.gunma.lg.jp>
日付: 2018年1月11日 18:34
件名: Re: 安中市長選を控えた戸別訪問と文書配布の法的解釈について
To: ogawakenpg <ogawakenpg@gmail.com>
小川 賢 様
群馬県選挙管理委員会の茂木と申します。
過日御照会の件について、以下のとおり当方の見解等をお送りいたしますので御確認ください。
まず、公職選挙法(以下「法」といいます。)のいくつかの条文及び解釈等について整理し、これらを前提として、御照会の事案に対する見解等をお示しして参ります。
【前提1:選挙運動の定義】
どのような活動等が「選挙運動」に当たるかについて、法においては明確に規定されていませんが、判例においては、例えば、「公職選挙法における選挙運動とは、特定の公職の選挙につき、特定の立候補者又は立候補予定者に当選を得させるため、投票を得若しくは得させる目的をもって、直接又は間接に必要かつ有利な斡旋、勧誘その他諸般の行為をするこという」(S52.2.24最高裁 その他にも複数判例有り)とされています。
詳述しますと、以下①~③のとおりとなります。
①選挙が特定されていること
ある行為が選挙運動に当たるとされるためには、その行為の対象たる選挙が特定していることが必要ですが、告示前であっても社会通念上、その選挙が客観的に認識し得るものであれば、特定の選挙ということができると解されています(逐条解説公職選挙法-安田充・荒川敦編著 [H21.1.30] 以下「逐条解説」といいます。)。
判例でも、当該公職の任期満了の接近という事情も選挙の特定を認められるものとされています。(S11.6.8 大審院 等)
②特定の候補者の当選を目的としていること
特定の候補者のためになされるものであることを要し、ここでいう候補者とは、現に立候補した者のみを指すのではなく、将来立候補しようとする者をも含むと解されています。(S11.7.23 大審院)
③投票を得る又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為であること
当選を目的としてなされる行為をいいます。(自身の当選はもちろん、他人の当選を目的とすることもこれに当たります。)
「直接に」選挙人に働きかけ、投票を獲得しようとする行為は明確に「選挙運動」に当たると判断できますが、しかし「間接に」必要かつ有利な行為について、その意味する範囲は極めて広いため、その特定(具体的な行為が選挙運動であるかどうかの認定)に当たっては、単にその行為の名目に着目するのみでなく、その行為の態様(その行為のなされる時期、場所、方法、対象等)を総合的に観察し、その実質に即して判断されなければならないと解されています(逐条解説)。
【前提2:選挙運動に当たらない行為】
ただし、選挙に関する行為のすべてが「選挙運動」に当たるものではなく、以下のような行為については、選挙運動には当たらないとされています。
①立候補準備行為
・政党の公認を求める行為
・いわゆる立候補の瀬踏行為
・候補者選考会等の開催行為
・供託物を供託する行為 など
②選挙運動準備行為
・選挙事務所借入れ等の内交渉
・ポスター等を印刷しておくこと
・選挙公報の文案を作成すること など
③政治活動
・政党その他の政治団体等の政策宣伝、党勢拡張のための活動
・立候補予定者等が選挙運動期間前に行う政治上の主義、施策の普及宣伝行為 など
④社交的行為
・退官のあいさつ
・転居のあいさつ など
しかし、これらは投票依頼の目的をもって選挙人に働きかけることがないからこそ、選挙運動とはならないのであって、これらの行為に名を借りて、投票獲得の意図をもって行われる場合には、「選挙運動」に当たると解されます。
【前提3:政治活動と選挙運動】
法にいう「政治活動」とは、政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、若しくはこれに反対し、又は公職の立候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対することを目的として行う直接又は間接の一切の行為のうち、選挙運動にわたる行為を除いた行為を指称するものであると解されています(逐条解説)。
現実的に政治活動には、特定候補者の支持、推薦等を含む行為も存在しますが、そのような選挙運動を含む政治活動については、選挙運動としての規制を受けるものとされています(逐条解説)。
【前提4:選挙運動の期間】
法第129条では、選挙運動のできる期間を定めており、立候補の届出が受理された後から、選挙期日の前日まで行うことができるとされています。これは選挙運動の開始時期を特定することにより、各候補者等が同時(公平)に選挙運動を開始することを法意としており、これ以前に行われる「選挙運動」については、いわゆる事前運動として禁止されます。
■以下、判例や逐条解説等を基本として見解等をお示しいたしますが、既に行われた行為等に係る事実認定、法律・罰則の適用や最終的な判断は、各事案の実情等を踏まえて、司法等においてなされることとなりますので、その点あらかじめ御承知おきください。
><1.戸別訪問について>
>質問1-1:
>家を一軒ごとに訪問して投票を頼んだり、演説会や候補者の氏名の
>宣伝をする戸別訪問は、公職選挙法(第138条第1項、第2項)
>で禁止されているはずですが、岡田義弘氏の上記の行動について、
>問題はありませんか。
(1)本条違反が成立するには、
①戸別に訪問するという「客観的」な行為が存在すること
②これが投票依頼等の目的をもってなされるという「主観的」な意思の存在すること
以上2点が必要と解されています。
ただし後者は、現行犯や行為者の自供など、特に行為者の意思が明白に表示されたような場合は明確に違反と認定されますが、そのような明示がない場合であっても、当該行為の外形から客観的に推測、認定することも可能と解されています(逐条解説)。
氏の活動について、直接投票依頼の言及等があった場合には、上記条文に抵触するおそれがあると考えられますが、投票依頼等の明示がない場合には、主観的に投票依頼の目的を持って行った行為であるか、又はその行為の外形によって客観的に投票依頼を動機とした行為として認定されるか否かによって判断されると考えられます。
>質問1-2:
>選挙運動期間中の戸別訪問と、選挙運動期間以外に行う
>通常の政治活動としての戸別訪問について、
>それぞれどのような問題があるのか否かをお聞きしたいと思います。
(2)まず、選挙運動期間中の戸別訪問については、御指摘のとおり法第138条に抵触する又はそのおそれが高いといえます。
理論上は、候補者等が選挙運動以外の用件等で各戸を訪問する(例えば自身の生業のため)場合も想定されますが、選挙運動期間中に候補者が戸別訪問することは、一般には選挙運動を意図したものであると捉えられるおそれが高いと考えられます。
一方、選挙運動期間以外に行う、個人や政治団体等の政治活動に止まる戸別訪問については、法的に制限されるものではありません。また、当該行為が選挙運動にわたらない瀬踏行為等(上記【前提2】)であった場合にも、制限されるものではないと解されます。
しかし、上記(1)で述べましたとおり、戸別訪問を行ったという客観的な事実があり、加えて投票依頼の意図をもって行われたもの(主観的な意図又は客観的に判断される場合)と認められる場合には、法第138条及び第129条(上記【前提4】)に違反するおそれがあります。
判例では、連続して二軒以上を訪問する目的をもって、各戸に投票を依頼して回る行為は戸別訪問に当たるとされていますが、選挙運動期間以外の時期において、その内容が投票依頼を含むようなもの(選挙運動にわたるもの)であった場合、まず法第129条(上記【前提4】)に抵触するおそれがあり、重ねて法第138条への抵触が懸念されます(観念的競合)。
>質問1-3
>また、もし同法に違反していると判断される場合には、
>どのような罰則が適用される可能性があるでしょうか。
(3)法第129条又は第138条違反に係る罰則は法第239条で規定され、一年以下の禁錮又は30万円以下の罰金とされています。
><2.文書配布>
>公職選挙法142条1項では、公職選挙法で列記されたもの以外は、
>選挙運動のために使用する文書図画を頒布してはならないと規定しています。
>また、公職選挙法143条では、選挙運動のために使用する文書図画は、
>同条各号で認められているもののほかは掲示することができないと規定します。
>そこで、「文書図画」および「頒布」の意義が問題となります。
>選挙期間中のポスティングについては、私自身、
>警察から「文書違反」の警告を受けたことが有ります。
>一方で、政治的な主張を広く知らしめるには、
>やはり文書の配布が一番効率的であるのも事実です。
>政党に所属していて、政党が主導したチラシは、
>新聞折込みなど「不特定多数」への文書配布ができるようです。
>そこで、質問があります。
(4)御指摘のとおり、法第142条は、選挙期間中におけるビラ等の文書図画の「頒布」等について規定し、枚数や規格、頒布方法等が同条及び公職選挙法施行令等によって定められています。選挙期間中に当該規定以外の文書図画や方法等をもって頒布する行為はこれに違反することとなり、また、記載内容から、選挙運動のために使用することが必ずしも明らかでない場合でも、その頒布の態様等から総合的に判断して、選挙運動のために用いられるものと認められるものについては、その禁止を免れる行為として、法第146条において禁止されています。
なお、選挙運動期間中において頒布できる文書図画は、規格や枚数のほか、頒布方法についても規定されており、所定の規格等を満たしていても、いわゆるポスティングは、その方法として認められていません。
一方で、選挙運動期間以外の文書図画の「頒布」について、選挙運動を目的としたものでない限りは、特段の制限を受けるものではなく、当該条文にも制限規定は明示されていません。その内容について、選挙運動を含む文書図画を選挙運動期間以外において頒布する行為は、むしろ法第129条に抵触するものと考えられます(上記【前提4】)。
また、法第143条は、主に文書図画の「掲示」(政治活動を含む)について規定しており、こちらも御指摘のとおり、当該規定で認められるもの以外、掲示することが禁止されます。なお、当該条文は、選挙運動期間以外の「政治活動」に係る文書図画の「掲示」に係る制限も併せて規定されています。
政党等が選挙運動期間以外に行う政治活動で、例えばビラの頒布について、上述の解釈同様、特定の選挙について、特定の候補者等に対して投票を依頼するような内容であれば、同様に法に抵触すると解されます。
しかし、政党等の選挙運動期間中の政治活動については、別途法第14章の3「政党その他の政治団体等の選挙における政治活動」に各種制限等が規定されています。選挙の種類ごとにこの制限が異なるため、「市長選挙」に係る規定を前提として以下にお示しいたします。
選挙運動期間中における政党その他の政治団体等に係る「政治活動」について、法第201条の13等で規定されています。原則として特定の行為については制限されますが、市長選の告示日以降であっても、法第201条の9第3項により、当該選挙において所属候補者又は支援候補者がある団体であって、当該選挙を管理する選挙管理委員会に申請して、確認書の交付を受けた団体(いわゆる「確認団体」)については、同条第1項に規定される政治活動に限り、これを行うことができるとされています。
ただし、候補者の氏名又は氏名が類推される事項等を記載した文書図画の頒布などは制限されます。(制限等は法第201条の11以降に規定されています。)
>質問2-1:
>実際、選挙が近づくと政治活動のチラシやらパンフレットが頻繁に山ほど入ってきます。
>これらは選挙運動の「事前運動」に当たるのかどうか、いつも疑問なのですが、
>政治活動という解釈が適用されるという判断が当てはまれば、問題ないのでしょうか。
(5)これも上記同様、純粋に政治活動として行われるものは法の制限を受けるものではありません。
しかし、直接的に投票を依頼する文言等が記載されていない場合であっても、時期や方法、対象などから、特定の選挙について、特定の候補者への投票を促す目的をもって行ったと認められる場合には、事前運動と捉えられるおそれがあります。
>質問2-2:
>今回の岡田義弘氏のポスター付き後援会報については、文面を読む限り、
>また、戸別訪問における出馬意思の表明と併せて考えますと、
>立候補を念頭としたものであると考える選挙民は多いと思います。
>しかし、実際には岡田義弘氏は未だに正式に出馬表明をしているわけではなく、
>正式な候補者、つまり立候補者とは、公示または告示日に立候補が受理されて
>初めて成立するわけですから、それ以前の場合は立候補を予定しているだけでは、
>候補者とは言えないわけで、そうなると選挙運動でなく政治活動であるとも解す
>ことができます。
>但し、事前運動の規定としては、マスコミなどで立候補の意思を表明している
>「立候補予定者」も対象となると記されています。
>今回の、岡田義弘氏のポスター付き後援会報の新聞折込みは、
>不特定多数への文書配布として、公職選挙法に照らして問題があるのでしょうか。
>それとも問題ないのでしょうか。
(6)法には「公職の候補者等は・・・」といったフレーズが頻出しますが、この「公職の候補者等」とは、以下の場合に該当するとされています。
①公職にある者(現職)
②公職の候補者(立候補者:立候補届出をした者)
③公職の候補者となろうとする者(立候補予定者:立候補の意思を有していると客観的に認められる者も含む)
既に立候補の意思を表明したり、政党の公認を受けるなど、明確な事実がある場合はさておき、そのような事実や意思が明示されていない場合には、当該者の内心の問題でもあるため、客観的な判断が困難な場合もあります。
選挙運動期間以外における文書図画の頒布について、個人の主義主張を広めるための(政治活動に止まる)ものであれば、何ら制限を受けるものではありませんが、特定の選挙について、特定の「公職の候補者等」への投票を促す意図をもって行う場合には、(行為の主体が何人であっても)法第129条に抵触するおそれがあります。
なお、繰り返しになりますが、最終的な判断等は司法等の場においてなされることとなりますので、選挙管理委員会としましては、判例等に照らして、法の解釈等をお伝えするに止まることを御了承ください。
長文失礼いたしました。内容的に重複する部分も多くありますが御容赦ください。
御確認の程よろしくお願いいたします。
NMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNM
茂木 直人 【もてぎ なおと】
群馬県 総務部 市町村課
選挙・政治団体係
[群馬県選挙管理委員会]
Naoto MOTEGI
Municipal Administration Division
Department of General Affairs
Gunma Prefectural Government Office
[Gunma Election Board]
http://www.pref.gunma.jp/
mailto:motegi-na@pref.gunma.lg.jp
Phone 027-226-2218
Facsimile 027-243-2205
NMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNMNM
**********
■どうでしょうか。公選法の運用を熟知した専門家のかたの見解ですが、お分かりになりましたでしょうか?
最後にコメントとして記載のあるとおり、選管では、最終的な判断を一切しません。選挙違反の告訴・告発を自ら積極的にすることは、これまでの経緯を見ても、まずありえません。
したがって、直接、金品による買収や酒食などの饗応公選法違反行為を目の当たりにしたら、自ら行動を起こさない限り、選管は何もしません。また、警察や検察に証拠を持ち込んで告訴・告発状を提出しても、すぐに受理されることはまずありえません。
今回の岡田義弘氏のポスター付後援会報の新聞折込配布と、事前運動としての個別訪問については、選管の見解をもとに検討すると当会としては次のような結論に至りそうです。
① 裏面にデカデカとフルカラーで立候補予定者としての岡田義弘氏の若かりし頃の顔写真を掲載するのは、特定の候補に対する投票行動を選挙民に想起させるため、限りなくクロに近い。
② 今回、岡田義弘氏が当会事務局長の家を訪れたのには、同じ村の選挙民のところに岡田氏が訪問した際に、地元の問題については当会事務局長の意見も是非聞いておいた方がよい、ということでやってきたことが後日判明しました。そのため、連続して二軒以上を訪問する目的をもって、各戸に投票を依頼して回る行為だったとは思われますが、少なくとも当会事務局長の家に来たのは、第三者からのアドバイスであった、ということであれば、政治活動の一環ということになり、シロに近い。
■引き続き、4月8日公示、同15日投開票予定の安中市長選挙に向けた立候補予定者の動きについて、適宜報告してまいります。
【ひらく会情報部】
↑左上に「室内用」と書かれた立候補予定者の個別氏名と、社会通念上、投票行動としてこれを見る限り誰しも来る4月に執行される市長選を想起させる選挙ポスターもどきの候補者の修正写真。これが1月4日安中市内全戸に新聞折込で配布された。↑
*****送信メッセージ*****
From: masaru ogawa <ogawakenpg@gmail.com>
日付: 2018年1月5日 19:05
件名: 安中市長選を控えた戸別訪問と文書配布の法的解釈について(ご質問)
To: senkan@pref.gunma.lg.jp
群馬県選挙管理委員会 御中
ご承知のとおり私の居住する安中市においては、4月8日公示、4月15日投開票で安中市長選挙が実施される予定です。
すでに、現職の茂木英子市長が昨年9月15日の市議会本会議と同27日の定例記者会見の場で出馬表明をしております。
一方、前市長の岡田義弘氏は、昨年来、旧松井田町を手初めに、旧安中市内を戸別訪問し、チラシ等を配布しており、私の自宅にも昨年12月30日午前11時ごろ訪れて出馬報告をするとともに、市政、とくに碓氷病院と東邦亜鉛公害防除特別対策事業などについて30分ほど話をしていきました。
そして、年明けの1月4日の東京新聞朝刊の新聞折込みを見ると、岡田義弘氏の後援会報として裏面には同氏の写真を掲載したポスターが印刷されたB4変形サイズのチラシが入っていました。
そこで次の疑問があります。大変お忙しいところ恐縮ですが、貴会の見解をご教示くださるようお願い申し上げます。
<1.戸別訪問について>
質問1-1:
家を一軒ごとに訪問して投票を頼んだり、演説会や候補者の氏名の宣伝をする戸別訪問は、公職選挙法(第138条 第1項、第2項)で禁止されているはずですが、岡田義弘氏の上記の行動について、問題はありませんか。
質問1-2:
選挙運動期間中の戸別訪問と、選挙運動期間以外に行う通常の政治活動としての戸別訪問について、それぞれどのような問題があるのか否かをお聞きしたいと思います。
質問1-3
また、もし同法に違反していると判断される場合には、どのような罰則が適用される可能性があるでしょうか。
<2.文書配布>
公職選挙法142条1項では、公職選挙法で列記されたもの以外は、選挙運動のために使用する文書図画を頒布してはならないと規定しています。また、公職選挙法143条では、選挙運動のために使用する文書図画は、同条各号で認められているもののほかは掲示することができないと規定します。そこで、「文書図画」および「頒布」の意義が問題となります。
選挙期間中のポスティングについては、私自身、警察から「文書違反」の警告を受けたことが有ります。一方で、政治的な主張を広く知らしめるには、やはり文書の配布が一番効率的であるのも事実です。
政党に所属していて、政党が主導したチラシは、新聞折込みなど「不特定多数」への文書配布ができるようです。そこで、質問があります。
質問2-1:
実際、選挙が近づくと、政治活動のチラシやらパンフレットが頻繁に山ほど入ってきます。これらは選挙運動の「事前運動」に当たるのかどうか、いつも疑問なのですが、政治活動という解釈が適用されるという判断が当てはまれば、問題ないのでしょうか。
質問2-2:
今回の岡田義弘氏のポスター付き後援会報については、文面を読む限り、また、戸別訪問における出馬意思の表明と併せて考えますと、立候補を念頭としたものであると考える選挙民は多いと思います。
しかし、実際には岡田義弘氏は未だに正式に出馬表明をしているわけではなく、正式な候補者、つまり立候補者とは、公示または告示日に立候補が受理されて初めて成立するわけですから、それ以前の場合は立候補を予定しているだけでは、候補者とは言えないわけで、そうなると選挙運動でなく政治活動であるとも解すことができます。
但し、事前運動の規定としては、マスコミなどで立候補の意思を表明している「立候補予定者」も対象となると記されています。
今回の、岡田義弘氏のポスター付き後援会報の新聞折込みは、不特定多数への文書配布として、公職選挙法に照らして問題があるのでしょうか。それとも問題ないのでしょうか。
誠に恐縮ですが、1月12日(金)午後5時までにご返事を賜れれば幸いです。
安中市野殿980番地
小川賢
※メール添付:PDF ⇒ 20180104co18vtate.pdf
**********
■6日後の1月11日(木)に、群馬県 総務部市町村課選挙・政治団体係にある群馬県選挙管理委員会の担当者から、次の見解が回答として寄せられました。なお、赤色の箇所は当会がポイントと思しき部分をわかりやすく示すために付記したものです。
*****受信メッセージ*****
From: 茂木 直人76 <motegi-na@pref.gunma.lg.jp>
日付: 2018年1月11日 18:34
件名: Re: 安中市長選を控えた戸別訪問と文書配布の法的解釈について
To: ogawakenpg <ogawakenpg@gmail.com>
小川 賢 様
群馬県選挙管理委員会の茂木と申します。
過日御照会の件について、以下のとおり当方の見解等をお送りいたしますので御確認ください。
まず、公職選挙法(以下「法」といいます。)のいくつかの条文及び解釈等について整理し、これらを前提として、御照会の事案に対する見解等をお示しして参ります。
【前提1:選挙運動の定義】
どのような活動等が「選挙運動」に当たるかについて、法においては明確に規定されていませんが、判例においては、例えば、「公職選挙法における選挙運動とは、特定の公職の選挙につき、特定の立候補者又は立候補予定者に当選を得させるため、投票を得若しくは得させる目的をもって、直接又は間接に必要かつ有利な斡旋、勧誘その他諸般の行為をするこという」(S52.2.24最高裁 その他にも複数判例有り)とされています。
詳述しますと、以下①~③のとおりとなります。
①選挙が特定されていること
ある行為が選挙運動に当たるとされるためには、その行為の対象たる選挙が特定していることが必要ですが、告示前であっても社会通念上、その選挙が客観的に認識し得るものであれば、特定の選挙ということができると解されています(逐条解説公職選挙法-安田充・荒川敦編著 [H21.1.30] 以下「逐条解説」といいます。)。
判例でも、当該公職の任期満了の接近という事情も選挙の特定を認められるものとされています。(S11.6.8 大審院 等)
②特定の候補者の当選を目的としていること
特定の候補者のためになされるものであることを要し、ここでいう候補者とは、現に立候補した者のみを指すのではなく、将来立候補しようとする者をも含むと解されています。(S11.7.23 大審院)
③投票を得る又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為であること
当選を目的としてなされる行為をいいます。(自身の当選はもちろん、他人の当選を目的とすることもこれに当たります。)
「直接に」選挙人に働きかけ、投票を獲得しようとする行為は明確に「選挙運動」に当たると判断できますが、しかし「間接に」必要かつ有利な行為について、その意味する範囲は極めて広いため、その特定(具体的な行為が選挙運動であるかどうかの認定)に当たっては、単にその行為の名目に着目するのみでなく、その行為の態様(その行為のなされる時期、場所、方法、対象等)を総合的に観察し、その実質に即して判断されなければならないと解されています(逐条解説)。
【前提2:選挙運動に当たらない行為】
ただし、選挙に関する行為のすべてが「選挙運動」に当たるものではなく、以下のような行為については、選挙運動には当たらないとされています。
①立候補準備行為
・政党の公認を求める行為
・いわゆる立候補の瀬踏行為
・候補者選考会等の開催行為
・供託物を供託する行為 など
②選挙運動準備行為
・選挙事務所借入れ等の内交渉
・ポスター等を印刷しておくこと
・選挙公報の文案を作成すること など
③政治活動
・政党その他の政治団体等の政策宣伝、党勢拡張のための活動
・立候補予定者等が選挙運動期間前に行う政治上の主義、施策の普及宣伝行為 など
④社交的行為
・退官のあいさつ
・転居のあいさつ など
しかし、これらは投票依頼の目的をもって選挙人に働きかけることがないからこそ、選挙運動とはならないのであって、これらの行為に名を借りて、投票獲得の意図をもって行われる場合には、「選挙運動」に当たると解されます。
【前提3:政治活動と選挙運動】
法にいう「政治活動」とは、政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、若しくはこれに反対し、又は公職の立候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対することを目的として行う直接又は間接の一切の行為のうち、選挙運動にわたる行為を除いた行為を指称するものであると解されています(逐条解説)。
現実的に政治活動には、特定候補者の支持、推薦等を含む行為も存在しますが、そのような選挙運動を含む政治活動については、選挙運動としての規制を受けるものとされています(逐条解説)。
【前提4:選挙運動の期間】
法第129条では、選挙運動のできる期間を定めており、立候補の届出が受理された後から、選挙期日の前日まで行うことができるとされています。これは選挙運動の開始時期を特定することにより、各候補者等が同時(公平)に選挙運動を開始することを法意としており、これ以前に行われる「選挙運動」については、いわゆる事前運動として禁止されます。
■以下、判例や逐条解説等を基本として見解等をお示しいたしますが、既に行われた行為等に係る事実認定、法律・罰則の適用や最終的な判断は、各事案の実情等を踏まえて、司法等においてなされることとなりますので、その点あらかじめ御承知おきください。
><1.戸別訪問について>
>質問1-1:
>家を一軒ごとに訪問して投票を頼んだり、演説会や候補者の氏名の
>宣伝をする戸別訪問は、公職選挙法(第138条第1項、第2項)
>で禁止されているはずですが、岡田義弘氏の上記の行動について、
>問題はありませんか。
(1)本条違反が成立するには、
①戸別に訪問するという「客観的」な行為が存在すること
②これが投票依頼等の目的をもってなされるという「主観的」な意思の存在すること
以上2点が必要と解されています。
ただし後者は、現行犯や行為者の自供など、特に行為者の意思が明白に表示されたような場合は明確に違反と認定されますが、そのような明示がない場合であっても、当該行為の外形から客観的に推測、認定することも可能と解されています(逐条解説)。
氏の活動について、直接投票依頼の言及等があった場合には、上記条文に抵触するおそれがあると考えられますが、投票依頼等の明示がない場合には、主観的に投票依頼の目的を持って行った行為であるか、又はその行為の外形によって客観的に投票依頼を動機とした行為として認定されるか否かによって判断されると考えられます。
>質問1-2:
>選挙運動期間中の戸別訪問と、選挙運動期間以外に行う
>通常の政治活動としての戸別訪問について、
>それぞれどのような問題があるのか否かをお聞きしたいと思います。
(2)まず、選挙運動期間中の戸別訪問については、御指摘のとおり法第138条に抵触する又はそのおそれが高いといえます。
理論上は、候補者等が選挙運動以外の用件等で各戸を訪問する(例えば自身の生業のため)場合も想定されますが、選挙運動期間中に候補者が戸別訪問することは、一般には選挙運動を意図したものであると捉えられるおそれが高いと考えられます。
一方、選挙運動期間以外に行う、個人や政治団体等の政治活動に止まる戸別訪問については、法的に制限されるものではありません。また、当該行為が選挙運動にわたらない瀬踏行為等(上記【前提2】)であった場合にも、制限されるものではないと解されます。
しかし、上記(1)で述べましたとおり、戸別訪問を行ったという客観的な事実があり、加えて投票依頼の意図をもって行われたもの(主観的な意図又は客観的に判断される場合)と認められる場合には、法第138条及び第129条(上記【前提4】)に違反するおそれがあります。
判例では、連続して二軒以上を訪問する目的をもって、各戸に投票を依頼して回る行為は戸別訪問に当たるとされていますが、選挙運動期間以外の時期において、その内容が投票依頼を含むようなもの(選挙運動にわたるもの)であった場合、まず法第129条(上記【前提4】)に抵触するおそれがあり、重ねて法第138条への抵触が懸念されます(観念的競合)。
>質問1-3
>また、もし同法に違反していると判断される場合には、
>どのような罰則が適用される可能性があるでしょうか。
(3)法第129条又は第138条違反に係る罰則は法第239条で規定され、一年以下の禁錮又は30万円以下の罰金とされています。
><2.文書配布>
>公職選挙法142条1項では、公職選挙法で列記されたもの以外は、
>選挙運動のために使用する文書図画を頒布してはならないと規定しています。
>また、公職選挙法143条では、選挙運動のために使用する文書図画は、
>同条各号で認められているもののほかは掲示することができないと規定します。
>そこで、「文書図画」および「頒布」の意義が問題となります。
>選挙期間中のポスティングについては、私自身、
>警察から「文書違反」の警告を受けたことが有ります。
>一方で、政治的な主張を広く知らしめるには、
>やはり文書の配布が一番効率的であるのも事実です。
>政党に所属していて、政党が主導したチラシは、
>新聞折込みなど「不特定多数」への文書配布ができるようです。
>そこで、質問があります。
(4)御指摘のとおり、法第142条は、選挙期間中におけるビラ等の文書図画の「頒布」等について規定し、枚数や規格、頒布方法等が同条及び公職選挙法施行令等によって定められています。選挙期間中に当該規定以外の文書図画や方法等をもって頒布する行為はこれに違反することとなり、また、記載内容から、選挙運動のために使用することが必ずしも明らかでない場合でも、その頒布の態様等から総合的に判断して、選挙運動のために用いられるものと認められるものについては、その禁止を免れる行為として、法第146条において禁止されています。
なお、選挙運動期間中において頒布できる文書図画は、規格や枚数のほか、頒布方法についても規定されており、所定の規格等を満たしていても、いわゆるポスティングは、その方法として認められていません。
一方で、選挙運動期間以外の文書図画の「頒布」について、選挙運動を目的としたものでない限りは、特段の制限を受けるものではなく、当該条文にも制限規定は明示されていません。その内容について、選挙運動を含む文書図画を選挙運動期間以外において頒布する行為は、むしろ法第129条に抵触するものと考えられます(上記【前提4】)。
また、法第143条は、主に文書図画の「掲示」(政治活動を含む)について規定しており、こちらも御指摘のとおり、当該規定で認められるもの以外、掲示することが禁止されます。なお、当該条文は、選挙運動期間以外の「政治活動」に係る文書図画の「掲示」に係る制限も併せて規定されています。
政党等が選挙運動期間以外に行う政治活動で、例えばビラの頒布について、上述の解釈同様、特定の選挙について、特定の候補者等に対して投票を依頼するような内容であれば、同様に法に抵触すると解されます。
しかし、政党等の選挙運動期間中の政治活動については、別途法第14章の3「政党その他の政治団体等の選挙における政治活動」に各種制限等が規定されています。選挙の種類ごとにこの制限が異なるため、「市長選挙」に係る規定を前提として以下にお示しいたします。
選挙運動期間中における政党その他の政治団体等に係る「政治活動」について、法第201条の13等で規定されています。原則として特定の行為については制限されますが、市長選の告示日以降であっても、法第201条の9第3項により、当該選挙において所属候補者又は支援候補者がある団体であって、当該選挙を管理する選挙管理委員会に申請して、確認書の交付を受けた団体(いわゆる「確認団体」)については、同条第1項に規定される政治活動に限り、これを行うことができるとされています。
ただし、候補者の氏名又は氏名が類推される事項等を記載した文書図画の頒布などは制限されます。(制限等は法第201条の11以降に規定されています。)
>質問2-1:
>実際、選挙が近づくと政治活動のチラシやらパンフレットが頻繁に山ほど入ってきます。
>これらは選挙運動の「事前運動」に当たるのかどうか、いつも疑問なのですが、
>政治活動という解釈が適用されるという判断が当てはまれば、問題ないのでしょうか。
(5)これも上記同様、純粋に政治活動として行われるものは法の制限を受けるものではありません。
しかし、直接的に投票を依頼する文言等が記載されていない場合であっても、時期や方法、対象などから、特定の選挙について、特定の候補者への投票を促す目的をもって行ったと認められる場合には、事前運動と捉えられるおそれがあります。
>質問2-2:
>今回の岡田義弘氏のポスター付き後援会報については、文面を読む限り、
>また、戸別訪問における出馬意思の表明と併せて考えますと、
>立候補を念頭としたものであると考える選挙民は多いと思います。
>しかし、実際には岡田義弘氏は未だに正式に出馬表明をしているわけではなく、
>正式な候補者、つまり立候補者とは、公示または告示日に立候補が受理されて
>初めて成立するわけですから、それ以前の場合は立候補を予定しているだけでは、
>候補者とは言えないわけで、そうなると選挙運動でなく政治活動であるとも解す
>ことができます。
>但し、事前運動の規定としては、マスコミなどで立候補の意思を表明している
>「立候補予定者」も対象となると記されています。
>今回の、岡田義弘氏のポスター付き後援会報の新聞折込みは、
>不特定多数への文書配布として、公職選挙法に照らして問題があるのでしょうか。
>それとも問題ないのでしょうか。
(6)法には「公職の候補者等は・・・」といったフレーズが頻出しますが、この「公職の候補者等」とは、以下の場合に該当するとされています。
①公職にある者(現職)
②公職の候補者(立候補者:立候補届出をした者)
③公職の候補者となろうとする者(立候補予定者:立候補の意思を有していると客観的に認められる者も含む)
既に立候補の意思を表明したり、政党の公認を受けるなど、明確な事実がある場合はさておき、そのような事実や意思が明示されていない場合には、当該者の内心の問題でもあるため、客観的な判断が困難な場合もあります。
選挙運動期間以外における文書図画の頒布について、個人の主義主張を広めるための(政治活動に止まる)ものであれば、何ら制限を受けるものではありませんが、特定の選挙について、特定の「公職の候補者等」への投票を促す意図をもって行う場合には、(行為の主体が何人であっても)法第129条に抵触するおそれがあります。
なお、繰り返しになりますが、最終的な判断等は司法等の場においてなされることとなりますので、選挙管理委員会としましては、判例等に照らして、法の解釈等をお伝えするに止まることを御了承ください。
長文失礼いたしました。内容的に重複する部分も多くありますが御容赦ください。
御確認の程よろしくお願いいたします。
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茂木 直人 【もてぎ なおと】
群馬県 総務部 市町村課
選挙・政治団体係
[群馬県選挙管理委員会]
Naoto MOTEGI
Municipal Administration Division
Department of General Affairs
Gunma Prefectural Government Office
[Gunma Election Board]
http://www.pref.gunma.jp/
mailto:motegi-na@pref.gunma.lg.jp
Phone 027-226-2218
Facsimile 027-243-2205
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■どうでしょうか。公選法の運用を熟知した専門家のかたの見解ですが、お分かりになりましたでしょうか?
最後にコメントとして記載のあるとおり、選管では、最終的な判断を一切しません。選挙違反の告訴・告発を自ら積極的にすることは、これまでの経緯を見ても、まずありえません。
したがって、直接、金品による買収や酒食などの饗応公選法違反行為を目の当たりにしたら、自ら行動を起こさない限り、選管は何もしません。また、警察や検察に証拠を持ち込んで告訴・告発状を提出しても、すぐに受理されることはまずありえません。
今回の岡田義弘氏のポスター付後援会報の新聞折込配布と、事前運動としての個別訪問については、選管の見解をもとに検討すると当会としては次のような結論に至りそうです。
① 裏面にデカデカとフルカラーで立候補予定者としての岡田義弘氏の若かりし頃の顔写真を掲載するのは、特定の候補に対する投票行動を選挙民に想起させるため、限りなくクロに近い。
② 今回、岡田義弘氏が当会事務局長の家を訪れたのには、同じ村の選挙民のところに岡田氏が訪問した際に、地元の問題については当会事務局長の意見も是非聞いておいた方がよい、ということでやってきたことが後日判明しました。そのため、連続して二軒以上を訪問する目的をもって、各戸に投票を依頼して回る行為だったとは思われますが、少なくとも当会事務局長の家に来たのは、第三者からのアドバイスであった、ということであれば、政治活動の一環ということになり、シロに近い。
■引き続き、4月8日公示、同15日投開票予定の安中市長選挙に向けた立候補予定者の動きについて、適宜報告してまいります。
【ひらく会情報部】