2010年12月9日 提供:読売新聞
埼玉県の施設が独自に評価シート
自殺願望のある人などからの電話相談を受けている埼玉県立精神保健福祉センター(伊奈町)は4月から、自殺の危険度を10分以内に判定する独自の「自殺切迫度評価シート」をもとに警察などへの通報の必要性を見極め、自殺防止に効果を上げている。
以前は通報の判断を、相談を受けたスタッフに委ねていたが、迷っているうちに電話が切れたり、対応が長時間に及んだりしていた。全国でも異例の取り組みで、宮城県や大阪市など6自治体から問い合わせがあったという。
評価シートは、同センターが、相談を受けるなどした100-150事例を分析して作成した。精神疾患の有無、自殺未遂歴、経済状況など17項目で危険度を高・中・低の3段階でチェックする。「高」と判定された項目が規定数に達すると、本人の承諾がなくても、氏名や病歴などの個人情報を警察や消防などに通報する、との指針も設けた。
同センターによると、シート導入後の4月から11月末までに受けた自殺予告の電話197件のうち、警察などへ通報したケースは9件あった。
6月下旬の未明に電話をかけてきた40歳代の女性は、「死んだ方が楽。今、トイレにひもを掛けた」と弱々しい声で告げた。同居する家族が病気を抱えているとも話した。スタッフはシートをもとに通報ケースと判断し、住所を聞き出して警察へ連絡。女性は約1時間後に保護された。
同センターは2003年11月から、自殺などに関する電話相談を受け付けており、約70人のスタッフが交代で対応している。同センターの関口隆一・副センター長は「命を守るため、すみやかに通報できるようにした」と話している。
埼玉県の施設が独自に評価シート
自殺願望のある人などからの電話相談を受けている埼玉県立精神保健福祉センター(伊奈町)は4月から、自殺の危険度を10分以内に判定する独自の「自殺切迫度評価シート」をもとに警察などへの通報の必要性を見極め、自殺防止に効果を上げている。
以前は通報の判断を、相談を受けたスタッフに委ねていたが、迷っているうちに電話が切れたり、対応が長時間に及んだりしていた。全国でも異例の取り組みで、宮城県や大阪市など6自治体から問い合わせがあったという。
評価シートは、同センターが、相談を受けるなどした100-150事例を分析して作成した。精神疾患の有無、自殺未遂歴、経済状況など17項目で危険度を高・中・低の3段階でチェックする。「高」と判定された項目が規定数に達すると、本人の承諾がなくても、氏名や病歴などの個人情報を警察や消防などに通報する、との指針も設けた。
同センターによると、シート導入後の4月から11月末までに受けた自殺予告の電話197件のうち、警察などへ通報したケースは9件あった。
6月下旬の未明に電話をかけてきた40歳代の女性は、「死んだ方が楽。今、トイレにひもを掛けた」と弱々しい声で告げた。同居する家族が病気を抱えているとも話した。スタッフはシートをもとに通報ケースと判断し、住所を聞き出して警察へ連絡。女性は約1時間後に保護された。
同センターは2003年11月から、自殺などに関する電話相談を受け付けており、約70人のスタッフが交代で対応している。同センターの関口隆一・副センター長は「命を守るため、すみやかに通報できるようにした」と話している。