葉巻たばこを一部増税へ 愛煙家の負担重く 政府、20年度改正で検討
2019年11月26日 (火)配信共同通信社
政府、与党は25日、葉巻たばこの一部に対し、たばこ税を引き上げる方向で検討に入った。巻き紙の原料にタバコの葉を使った「リトルシガー」と呼ばれる商品が対象になる。紙巻きたばこと似た構造を持つにもかかわらず、相対的に税負担が軽くなっており、公平性を確保する必要があると判断した。
与党の税制調査会で議論し、12月に策定する2020年度の与党税制改正大綱に盛り込むことを目指す。たばこを巡っては、紙巻きたばこや火を使わない加熱式たばこも段階的に増税されており、愛煙家の負担が一段と重くなりそうだ。
葉巻たばこは、たばこをタバコ葉で巻いた商品で、重量に応じて課税されている。リトルシガーは紙巻きたばこと似た形状だが、巻き紙にタバコ葉を使っているため、葉巻の一種とされる。紙巻きたばこのたばこ税は1本当たり約13円かかるが、軽量のリトルシガーは税額が5円程度の商品もあるという。
リトルシガーへの増税は段階的に実施し、1本当たりの税額に最低基準を設ける。通常の葉巻たばこは重量があり、税負担が重いため、税額は変わらない見通しだ。
紙巻きたばこへの増税や、「旧3級品」と言われる銘柄に対する軽減税率の撤廃に伴い、リトルシガーを含む葉巻たばこの人気は上昇。販売数量が紙巻きたばこの5%程度まで高まっている。日本たばこ産業(JT)は旧3級品の「わかば」や「エコー」の販売を終了する一方、リトルシガーの「わかば・シガー」や「エコー・シガー」を9月に発売した。
※たばこ税
たばこに課される税で国税と特別税、地方税からなる。主流の紙巻きたばこの販売本数は1996年度をピークに減少傾向にあるが、増税などによって税収は年間2兆円前後で推移している。紙巻きたばこは、2018年度の税制改正で増税が決まった。1本当たり約12円だった税率を18年10月から3段階で引き上げ、21年10月には約15円になる。